三味線の音色が「天ぷら喰いたい」と聞こえると。。。創作かと思ったら、巻末の注解には一般にそう言われていたとの記述があります。ちなみに「チンコロ踏んだ(!)」と聞こえるとも言う、とのこと。うーん、すんなりイメージするのは難しい。けれど思えば、オノマトペを多用する日本語、「空耳アワー」「ボキャブラ天国」のヒット、誰が広めたワケでもないだろうに全国の小学生が一度は口にした「さる、ごりら、ちんぱんじー♪」(え?知りませんか?)きっと日本人はこんなふうに音を言語化して遊ぶのが好きなんでしょうね。聴覚型の作家と言われる谷崎の作品の中でもそんなことが垣間見えて、興味深いことでした。音の記憶は思い出をさらに色濃く彩るものであるということも。
(アシスタント:小山ジャネット愛子/オフィシャルブログはこちら) |