38年前に70円で買った古本の『暗い旅』を手にスタジオへ現れた小川さん。縁が茶色くなったその本には、当時「大部分が男性の文壇に颯爽と現れた衝撃の女性作家・倉橋由美子」「主人公たちにあえて名前をつけない手法」をカッコいいと憧れた、若き日の思い出も詰まっているそうです。ところで私は主人公の“あなた”の行きつく先に気を取られていましたが、読み返してみると「鎌倉」「京都」「ジャズ」など、今でも雑誌の特集になるような女性が好きなモノ・コトがたくさん詰まっているんですよね。出版された1961年、おしゃれなものがいっぱい登場し、普段の会話でフランス語が飛び交う恋人たちの物語を、当時の若者たちはどう思いながら読んでいたのでしょう。
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