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あらすじを説明してと言われてもなかなか難しく、でも一癖も二癖もある登場人物たちの行きつく先が気になって一気に読んでしまった作品。「小川さん、これはジャンルで言うと何小説なのでしょうか」と疑問を投げかけたところ、「私は同性の恋愛小説じゃないかと思っているんです」。かつては男性と交際していた主人公の秋一。岩手へ移り住み淡々とした毎日を送っているのに、日浅のこととなると感情が大きく揺れたり、極端に行動的になったり・・・。なるほど、その原動力は日浅への愛情だったのですね。ラストそれまでと同一人物は思えない行動力で日浅への実家へおしかけた秋一ですが、その後どのように生きているのか、気になってなりません。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2018年03月04日
エリック・カール「はらぺこあおむし」
2018年02月25日
夏目漱石「吾輩は猫である」第二週
2018年02月18日
夏目漱石「吾輩は猫である」第一週
2018年02月11日
カズオ イシグロ『夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』

アーカイブ
SUNDAY MORNING/Velvet Underground
沼田さんが聴いてきたというバンドのひとつ。この小説「影裏」の秘密めいた影の世界の感触をイメージして選びました。
夏の夜のワルツ/メリカント作曲、舘野泉(ピアノ)
主人公が、東北の気分をフィンランドの音楽に重ねるシーンもありました。メリカントもフィンランドの作曲家です。夏の川や、夜のキャンプの風景をイメージして。
DIG A PONY/The Beatles
沼田さんの思い出のアルバムはビートルズの『LET IT BE』。震災後、父親に全否定されても、日浅を「頼もしい」と感じる主人公の気持ちを思って。♪君の好きなものをほめたたえて、好きな所へ行けるよ♪と歌っています。
 
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