「日常の些細な出来事を小説にする。それが純文学です」。純文学ってどんなものなのですか?という私の問に、実にわかりやすく答えて下さった小川さんの言葉ですが、『童謡』はまさに純文学のお手本のような一冊です。主人公が高熱を出し入院して完治するまでという、あらすじを説明すると「それだけ?」な作品なのですが、少年時代と決別する瞬間を描いていたり、主人公と友人と少女の三人の関係がなんとも気になったり、男の子の思春期特有の心模様が表現されているなど、いくらでも深読みできてしまう物語なのです。これを教科書で読む中学生たちには、どんなところがささるのでしょう。中学時代が遥か遠いアラフォー的には気になります。
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