あの『小景異情』の室生犀星が書いたとはにわかに信じがたい『蜜のあわれ』。不思議で、エロチックで、なんともつかみどころのない作品なのですが、主人公の年齢が執筆した時の犀星と重なるあたりから察すると、どうやら犀星自身の願望を綴った小説のようです。ゆらゆら泳ぐ金魚を愛でているうちに、頭の中でこんなストーリーが浮かんでくるとは、やはり文豪の脳内では凡人には想像もつかないような化学反応が起きているのですね。今回映画も観たのですが、主人公の金魚を演じた二階堂ふみさんのダンスがとっても素敵で、犀星もあの世から「ふみちゃん金魚萌ぇ〜!」とか言ってそう…などと不謹慎なことを考えてしまいました。 (アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!)
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