「何かの時だけむやみと飾り立て、平常はぞんざい」「死んだ食器を使っていては料理が台無し」「味に自信ないと料理に無駄な手数をかける」などなど、主婦には耳が痛い手厳しい言葉が満載の一冊。「三度三度自己満足できない食事では、すますことができない」という魯山人を見ていると、毎食こんなに料理と真剣に向き合って、ストレスは無かったのだろうかと心配になりました。ところで沢山の美味しそうなレシピが出てくる『魯山人の食卓』で私が一番心惹かれたのは納豆雑炊(西国出身の小川さんにとっては「絶対に食べられない」一品だそうですが)。“美食”と言ってもやみくもに高価なものを食べることではない、というのを教えてくれる逸品です。
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