佐藤春夫は谷崎潤一郎の支えがあって、この『田園の憂鬱』を世に送り出すことができた、という話になりましたが、実は小川さんにもそんな存在の方がいらっしゃるのだとか。それはあの吉行淳之介さん。小川さんがまだ新人作家で、芥川賞の選考から漏れてしまった時に、「私にはあなたの作品がよくわかりました。でも他の人が理解しないからといって『それでもいいや』と開き直らないでください」という趣旨の手紙をくださったのだそうです。なんて素敵な関係! 吉行さんの人間的魅力が垣間見えるエピソードを、特別に教えて頂いちゃいました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |