強制収容所から解放されて1年後に行われたフランクルの講演をまとめた1冊。戦争やホロコーストの後、社会の価値観や人々の心が粉々に壊れてしまっていた時代に、フランクルの言葉は「これから正しく生きていく」ための大きな手引きとなったことでしょう。収容所という地獄から生還した彼の言葉にはとにかく説得力があり、「チェッ」という小さな不満から「死んでしまいたい」程の深い絶望まで、現代に生きる私たちにも明確なアドバイスを与えてくれます。小川さんの「いつも机の上に置いておいて、折に触れて開きたい1冊」という表現がぴったりの偉大な文学遺産です。
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