川端が思う美しい風景、美しい人、美しい仕草が、美しい言葉で綴られていて、展開を追うよりも「この文章をずっと目で追っていたい」、そんな気分にさせられた一冊でした。「美しい人」といえば、川端の女性を見る目の鋭いことといったら!駒子の清潔さを表現するのに「足指の裏の窪みまできれい」と表現したり、久しぶりに会った駒子について「首のつけ根が去年より太って脂肪が乗っていた」と手厳しかったり。健在であった時、川端はあの大きな目で女性をどういうふうに見ていたんでしょうか。ちなみに晩年は女優の加賀まりこさんがお気に入りだったようですね。お二人のちょっと不思議な関係は加賀さんのエッセイなどで知ることができます。
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