2010年02月21日
川端康成『雪国』 (岩波文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という有名な言葉ではじまる川端康成の代表作「雪国」。この国境という言葉を、あなたは今までどう読んでいましたか?川端康成自身も、文芸評論家の武田勝彦さんとの対談でこのことに触れています。「日本国内の境であるから‘くにざかい’が正しいと思われるが、詩的な語感から言えば‘こっきょう’の方が強く澄んだ響きがあり、読者はそれぞれの語感に従って読めばよかろう。」最初の1行だけをとっても、様々なことを感じさせてくれる「雪国」という小説。川端康成が紡ぎだした言葉をひとつひとつ心に響かせながら、自分なりに味わってみたい作品です。

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