ゴーギャンはあくまでモデルであって、事実とは異なる部分が多いとわかっていても、ついつい「ゴーギャンってこんな滅茶苦茶な人だったの?!」という印象をもってしまう作品。作者のサマセット・モームの筆はまるで見てきたことを書いているかのようにリアルです。ところでモームは諜報活動を行う英国のスパイだったそうですが、ゴーギャンに関する『エピソード』=点を探し出して、それをつないで『物語』=線にしていくという作業、「これはまさに諜報活動ですね!」と小川さん。スパイの手によって綴られた物語だからこその輝きが、この物語にはあります。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!) |