2009年09月06日
サマセット・モーム
『月と六ペンス』 
(光文社古典新訳文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

イギリスの作家サマセット・モームが1919年に発表した「月と六ペンス」。この小説が、フランスの画家ポール・ゴーギャンの生涯に影響を受けて書かれたことはよく知られています。しかし実際にはモームとゴーギャンは会ったことはなく、また「月と六ペンス」の主人公チャールズ・ストリックランドとゴーギャンには相違点も多いようです。たとえばゴーギャンはフランス人ですが、ストリックランドはイギリス人。その性格についても小説ではかなりデフォルメされているように感じます。つまり「月と六ペンス」は、作家モームが虚実ないまぜにして作りあげた新たな世界。そこがこの小説の魅力にもなっています。

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<ゴーギャン展>
http://www.gauguin2009.jp/