イタリアへの愛情に満ちた須賀敦子さんの綴る世界。しかしそれは真面目一辺倒ではなくユーモアにもまた溢れています。小川さんのお気に入りは、スカラ座に桟敷席を持つリッチでケチなある女性の話。自分の嫌いな味のキャンディをより分けておいて、桟敷席にやってくるお客にはそれしか出さない・・・。そんなちょっとしたエピソードもまた文章に血を通わせ、イタリアをより魅力的に感じさせてくれるのかもしれません。ああ、今すぐミラノで霧の中に身をおいてみたいっ! (アシスタント:藤丸由華)
イタリア民謡「帰れソレントへ!」 /パヴァロッティ 「ナポリを見て死ね」の中に登場。須賀敦子さんとご主人が夏休みをすごした場所。
電線の鳥/レナード・コーエン 大切な友人のガッティがすすめてくれるシンガーソングライター。
さくらんぼの実るころ /ミシェル・ルグラン&ステファン・グラッペリ 「さくらんぼと運河とブリアンツァ」より。文豪マンゾーニの息子のエピソードの中に登場します。1868年に書かれたさくらんぼの季節をうたった楽しくそして切ない恋の歌。1871年には、作詞家がパリコミューンの犠牲者にささげ、反抗の讃歌にもなっています。