異形の世界へ吸い寄せられる旅の僧。その前に立ちはだかるのは、カラダの一部分しか姿をみせない蛇や、蛭が果実のようにたわわになる森・・・。その描写のおぞましさに、小川さんとヒィヒィいいながら朗読してしまいました。しかし考えてみると、私たちが生きている現代でも、『高野聖』的幻想世界へ続いていそうな雰囲気をたたえた場所、日本には結構ありませんか?森の木々が整然と立ち並び、山が折り重なってそびえ立っているその奥には、今でも妖艶な恐ろしい美女が住んでいるのかも・・・。 (アシスタント:藤丸由華)
リスト:ローレライ〜歌の本(ピアノ版) /青柳いづみこ 「高野聖」のストーリーはセイレーン伝説と似ています。そこから派生した「ローレライ」ですが、これはライン川の岩山の上で美しい歌声で船乗りたちを惑わす乙女、ローレライを主人公にしたドイツの詩人ブレンターノが作った物語詩。これを伝説だと勘違いしたハイネが有名な詩を書いて、ジルヒャーやリストが歌曲に作曲したそうです。今回は、リストがピアノ独奏用に編曲したものです。
あの紫は〜「子供の国」より/テノール 中村健 「日本のうた、90年の系譜」という平成3年の芸術祭主催公演で選ばれた1曲。そのライブ録音CDから。泉鏡花は、童話雑誌「赤い鳥」の1918年の創刊号に、賛同する作家として名を連ねています。「あの紫はお池の杜若〜」泉鏡花らしい詩だと思います。
スザンヌ /ジュディ・コリンズ レナード・コーエンの代表曲のひとつで、このジュディ・コリンズのバージョンもヒットしました。 「スザンヌはあなたを連れて行く、川の近くの彼女の家へ、あなたは彼女と夜を過ごすことができる、 あなたは知っている彼女は少し変わっていると、でもだからこそあなたは彼女といたいのだ」という歌詞で始まります。