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物語の入り口は第二次世界大戦中、言葉では言い尽くせない恐怖を味わったユダヤ人心理学者の強制収容所体験談。しかし途中から、『生きるとは何か』『希望のない状況に追い込まれた時どう生きるか』『運命にもてあそばれた中での決断の意味』など、2008年の平和な世の中に生きる私たちにも響く、哲学書と変身します。この本を手に取る年齢や状況、こころのありようで、毎回ちがった何かを与えてくれそうな「夜と霧」。読み終わった後、いつかまたページを開いた時に、私は何を感じるんだろう・・・そんな楽しみも残してくれる1冊です。
(アシスタント:藤丸由華)

2008年1月20日
ヘルマンヘッセ
『車輪の下』


2008年1月13日
中上健次
『十九歳の地図』


2008年1月6日
有吉佐和子
『和宮様御留』


2007年12月30日
『万葉集』

アーカイブ

マーラー;交響楽「大地の歌」 / ショルティ指揮・シカゴ交響楽団
あとがきで、旧版訳者霜山徳爾(しもやまとくじ)さんがフランクリン氏と会ったとき、彼が好きな曲としてこの曲をあげ、2人で第一楽章を歌ったとあります。

マリー・ザンダース / ウテ・レンパー
ドイツ出身のシンガー、ウテ・レンパーは、ナチスに反対したドイツの音楽家ハンス・アイスラーの作品をレパートリーにしています。これは、ナチが制定した人種差別法に対するリアクションとして1938年に書かれた作品。「マリーザンダース、あんたのボーイフレンドは真っ黒な髪?もしそうならその男との関係はこれで終わりにしたほうがいいよ。」「神よ、人々が自分の耳さえ使っていれば、本当に闘うべき相手は誰だかわかったのに」と歌っています。

What a Wonderful World / ルイ・アームストロング
小川さんがもっとも繰り返し読んだ場面が、被収容者が自然の美しさに触れて、どんなに疲れていても、それを仲間に伝えようとするところだそうです。夕暮れ時、「この世のものとも思えない色合いでたえずさまざまに幻想的な形を変えていく雲をながめた。私たちは数分間言葉もなく、心を奪われていたが、だれかが言った。「世界はどうしてこんなに美しいんだ!」。

 
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