物語の入り口は第二次世界大戦中、言葉では言い尽くせない恐怖を味わったユダヤ人心理学者の強制収容所体験談。しかし途中から、『生きるとは何か』『希望のない状況に追い込まれた時どう生きるか』『運命にもてあそばれた中での決断の意味』など、2008年の平和な世の中に生きる私たちにも響く、哲学書と変身します。この本を手に取る年齢や状況、こころのありようで、毎回ちがった何かを与えてくれそうな「夜と霧」。読み終わった後、いつかまたページを開いた時に、私は何を感じるんだろう・・・そんな楽しみも残してくれる1冊です。
(アシスタント:藤丸由華) |