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頭がいい、というだけでなく、素晴らしくみずみずしい感性をもった少年・主人公のハンス。努力に努力を重ねて合格した神学校で、彼の人格が壊されていく様子が描かれていますが、最初のうち、彼の目を通して描かれていた美しい自然の風景が、時を追うごとにどんどん色彩を失っていく・・・その様子がいたたまれませんでした。10代でこの作品に接すると『大人はわかってくれない』と、ハンスに自分を重ねてみるのかもしれませんが、親になる年になって読んだ今、子供の個性を無視することの恐ろしさを感じずにはいられません。(アシスタント:藤丸由華)

2008年1月13日
中上健次
『十九歳の地図』


2008年1月6日
有吉佐和子
『和宮様御留』


2007年12月30日
『万葉集』

2007年12月23日
トルーマン・カポーティ
『あるクリスマス』


アーカイブ

シューマン;森の情景 より 予言の鳥 /
ピアノ:マリア・ジョアオ・ピリス

シューマンのこどものためのピアノ曲集より。「情景描写の美しい『車輪の下』。ハンス少年が、なにも考えずに釣り糸をたれ、冷たい水で遊ぶ様子を思い浮かべて聞きたいですね」と小川さん。

モーツアルト;ヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調K211 / ヴァイオリンと指揮:アンネ・ゾフィー・ムター
『車輪の下』では、神学校の同部屋の生徒が聞くに堪えないヴァイオリンを練習していたり、村のどこからかヴァイオリンの音が聞こえてくるシーンもあります。ヘッセ自身がヴァイオリンを習っていたからでしょう。これは、モーツアルトが10代で作った曲です。

ワンダフル・ワールド / アート・ガーファンクル
歴史、生物学、科学、フランス語、とたくさんの科目の名前が出てきます。こちらの主人公はハンス少年ほど優秀ではなさそうですが「君といれば世界はすばらしい」と歌うラブソング、サム・クックのヒット曲のカバーです。

 
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