題名の美しさから一気に引き込まれる「錦繍」は、元夫婦であった亜紀と靖明の間で交わされる、往復書簡形式の作品。2人は手紙を交わす中で過去の出来事を振り返り、死の意味を模索し、やがて未来に向け進んでいくですが、2人の人生には個性的な人物達が次々登場するのです。小川さんのお気に入りは『この人の生まれもっての母性は凄い!』と評する、靖明が現在暮らしている令子。私が気になるのは亜紀の父。苦しむ娘をちょっとずれた方法ながらも懸命にサポートしていく様子は、悲しくもあり、時にはお茶目にも映ります。さて、どの人物に興味をもたれましたか?(アシスタント:藤丸由華) |