教科書で馴れ親しんだ『走れメロス』。久しぶりに読み返 してみると、人生に暗さがつきまとった作家・太宰治にしては、実に清々しい文体、さわやかな展開、そしてハッピーエンドであることに気がつきます。小川さんも『太宰のことだから、と、悲しい結末と思い込んでいた』そうで、大人になってから読む『走れメロス』は意外な印象満載でした。この頃の太宰は、結婚もし、友人達の力をかりて必死に人生を建て直そうとしていた時期。友情厚い友たちへの感謝状的作品だったのかもしれません。 (アシスタント:藤丸由華)
ベートーヴェン交響曲第9番二短調「合唱付き」/ショルティ指揮シカゴ交響楽団合唱団 シラー作の「よろこびに寄す」から生まれたクラシック。「幸いにも友の中でまことの友を得たもの。いとしい妻を得た者はすべてよろこびの声を合わせよ!そう、世に一つでも人の心を自分のものとしたものはともに歌え!」という歌詞があります。
Chariots of Fire/Vangelis 映画『炎のランナー』のテーマ曲。2人のランナーが主人公の映画です。「走れメロスを読んでいる間、頭の中でずっとこの曲がなっていました」と小川さん。
YOU'VE GOT A FRIEND/ジェームス・テイラー 「冷たい人が大勢いる世の中で友達がいるっていいことでしょう。彼らは、あなたを傷つけ、置き去りにして、魂までも奪っていく。そんなことはさせないで」という一節もあります。キャロルキングが作った友情についての大ヒット曲です。