英国の由緒正しき名家に長年仕えた執事が、人生初めての休暇に国内を旅しながら、それまでの自分の人生を振り返るという物語。執事という仕事について、父と子の関係、実らなかった恋、そして2つの世界大戦…と、実に様々な要素が物語の中で語られるのですが、どれも理路整然とわかりやすく、その爽快さが魅力の作品です。主人公は英国南部を西へ向かってフォードに乗り旅をますが、そのルートを地図を傍らに置きながら辿っていくのもまた一興。それにしても原題の『The Remains of the Day』を『日の名残り』という粋な邦題に訳すとは、素晴らしすぎます! (アシスタント:藤丸由華) |