はからずも、今年もまたセレブ総選挙がやって来る。前年度ナンバーワンのサラから相談があると言われた茂木は、セレブが集うラウンジで、待ち合わせ。
茂木:で、サラ!相談って何だい?なになに相談って!何!?
茂木は、サラから久々に相談されることが、心から嬉しかった。
サラ:茂木、テンション高い!(笑)あの、もうすぐセレブ総選挙の時期なんだけど、また出たほうがいいかな?
茂木:その話か!ナンバーワンになれば、またとんでもないお金が入ってくるしね。
サラ:確か、私がこの1年間でもらったお金は、574兆円。
茂木:とんでもない額だよ。だって574兆円といえば…昔ローマ帝国の…
サラ:アウグストゥスね。
茂木:そう!
ローマ帝国の初代皇帝、アウグストゥス。
一大帝国を指揮していた彼が保有していた財産を現在のお金に換算すると、なんと!およそ574兆円!!
茂木:セレブ総選挙………出なくていいんじゃないかな?
サラ:…え?
茂木:サラはお金だけじゃない本当の幸せに気付けたんだろ?それを教えてくれたのはサラじゃないか!
サラ:そうね。
サラはセレブ総選挙には出ないつもりだった。ただ、茂木に聞いてみたかった。
サラ:じゃあ、出るのはやめるね。茂木、ありがとう。
茂木:いやいや格好良いなんて!あはは!そうかな?あはは!
サラ:…今の茂木、すごくカッコいい!
茂木:いやいや!あはは!
茂木はサラのことを尊敬し、感謝もしていた。
そして茂木は、サラのことが……好きになっていた。
【 アウグストゥス 】の回
2015.12.21
ゲンキンな歴史