今夜も引き続き、生徒の君達の話を聞かせてほしい。

SCHOOL OF LOCK!

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聴取期限 2023年11月1日(水)PM 10:00 まで

今夜も引き続き、生徒の君達の話を聞かせてほしい。


こもり校長「今週、月曜日火曜日と2日間、今辛い思いをしている生徒に電話を繋いで話を聞かせてもらいました。
昨日も2人の生徒と一緒に話したね。小中高といじめに遭い続けてたRN むつー、いじめられて環境を変えたのに、過去を思い出して今も辛いRN yano。勇気を出して、電話に出てくれて、そして今自分が思っている心の内をさらけ出してくれて、本当にありがとう」

こもり校長「この2日間、生徒と直接話したりとか、掲示板だったりとか、我が校の廊下=Xだったりとか、常日頃授業に参加してくれて、いろいろ授業の感想を書き込んでくれる生徒もいるんだけど、この2日間の中で初めて書き込みましたって子もいたり、普段から聴いてるんだけど、今日久しぶりに書き込みましたとか、あとは、先輩生徒たちが、普段は声にしないんだろうけども、言葉にして声を届けてくれて。
いつもSCHOOL OF LOCK!は、“1人じゃないよ、みんながいるよ”って言ってきたんだけど、それが本当に言葉だけじゃなくて形になったような2日間だったなって改めて思うし、まだ言えていないだけで、心の中にいろいろなことを思っている生徒がSCHOOL OF LOCK!にもすごくいるんだなというのを感じる2日間だった」

COCO教頭「私が就任してから、連続でこの授業をするって初めてだったから、すごく怖さもあったのね。だって、すごく辛いことを話させなきゃいけないこともあるし、それに対して自分の言葉がさらに傷つけたらどうしようとか、授業が終わるのは12時だけど、この2日間やってみて、家に帰ってからも自分の中で授業が続いていて。ずっと考えてるし、あの時はああできたんじゃないかなとか、掛けてあげた言葉があれで良かったのかなってすごく反省もあったんだけど、でもやっぱり一番自分の中で頭に浮かんできたのは、こんな私を信じてくれて、話してくれてありがとうって気持ちがすごく大きかったから、続けていくことにすごく意味があるんだなって思った」

こもり校長「そうだし、俺は人に何かを話したりとか、誰かが近くにいる強さみたいなのを改めてすごく感じるとともに、昨日は本当に授業の最後の最後に自分の不甲斐なさで」

COCO教頭「いやいや、そんなことないよ(笑)」

こもり校長「あのままだと、教頭先生が。俺が打ちひしがれてる中、明日も話していきますよって言ってくれなかったら、きっと俺は全国の電波の中に取り残されるぐらい」

COCO教頭「そうだよね(笑)」

こもり校長「俺が1人だったら、あのままシュゥって全国の彼方に消えてたところを、教頭が“いや校長”って、声を掛けてくれたことによって、俺もハッとできたし、電波に飲み込まれずに、生徒と挨拶できたっていうのは、1人だと何もできないけど、誰かが近くにいると、もしかしたら何かが起こるかもしれない、みたいなことをすごく感じて。
で、常日頃から見ているんだけれども、掲示板にも書き込みが、今日もたくさん届いていて」

こんばんは。昨日ぶりです。
こんばんは。むつーです。昨夜は本当にありがとうございました。
今日も学校に行って、部活もやりました。今、学校帰りの電車で書いています。
どうやら親は昨日の放送を聞いていたらしく、今朝起きた時にほんとに少しですが話をすることができました。
そして、電話の後にラジオで流していただいた、曖昧ミーマインを聴きながら登校しました。心に刺さる歌詞で私の中での宝物の曲のうちの一つになりました。
昨夜の放送で自分自身の話を吐き出せたこと、そしてこもり校長、COCO教頭、職員の方など、自分の味方になってくれる人がいるということにとても助けられて、今日は少し気分が楽に1日過ごせました。「俺、絶対10時にここに来るから」という、こもり校長の言葉、揺るがない自分の居場所があるという安心感がすごかったです。今日も絶対22時から聴きます。私にとってSchool Of Lockが心の休まる、大切な場所です。
こもり校長、COCO教頭、対応してくださった職員の方、本当にありがとうございました。
むつー
女性/16歳/静岡県
2023-10-25 20:53


COCO教頭「いやぁ、こちらこそありがとう。まさか親御さんが聴いてくださってたのもびっくりだけど、昨日ああいう風に勇気を出して話してくれたことによって、1つ何かが変わったわけじゃない。その糸口がSCHOOL OF LOCK!が作れたのがすごく嬉しいし、良かったなって本当に思う」

こもり校長「あと、こういう風に、俺も君のおかげで今日ここにいるという約束を果たせたし、掲示板を見ているけど、俺的には、それこそ昨日話したRN yanoもすごく気になっている。たぶん、自分ができないことをすごく責めてしまう子だから、今日掲示板を見ていて、“あ、yano、掲示板にいないな”と思うと、もしかしたら今日学校に行けなかったんじゃないかなとか、もしかしたらそれで自分を責めちゃって掲示板に書き込めないんじゃないかなとかまで考えちゃう。おせっかいかもしれないけど、おせっかいさせてほしい。こういう風に出会えたのは、きっと俺たちにしか出会うことのできなかった縁だと思ってるし、もし今日聴いてくれているんだったら、無理しなくていいよって…書けってことじゃないからね(笑)」

COCO教頭「そうだよ。違うよ(笑)」

こもり校長「だから、今日もみんなの話を聞かせてほしい


♪ だれも知らない / 大橋ちっぽけ


こもり校長「今夜も、今辛いと感じている君の話を聞いていく。
この2日間、学校掲示板に、本当に多くの生徒が、自分の今の気持ちだったり考えを書き込みしてくれたんだけど、その中には、いじめではないけど、それぞれの境遇で辛いと感じている生徒もたくさんいて。そういう生徒がいる限り、僕たちは向き合っていきたいと思うし、君たちも僕らでよかったら話を聞かせてほしいと思う」


親に伝えられなかったり、先生に相談できなかったり、理由があって抱え込んでしまう人が多いと思います。
綺麗事を言いたいわけじゃないけど、このラジオでは校長教頭生徒みんなが味方だと感じています。
だからこそ、誰にも相談できない人はここに想いを吐き出してほしいし、自分も一緒になって考えたいそう思いました。
オレンジシップ
-/15歳/愛知県


こもり校長「そうね。俺たちもすごく君たちに興味がある。何かを話そうとする時に詰まることってあると思うの。“あ、この言葉じゃないか”とか、“この気持ちって言葉にするとどうなんだろう?”って思った時に詰まる、ウッてなるのって、どうしても人と人って直接話していると伝わるものだから、そうなった時の君の“ウッ”て思う気持ちは何なのかとか、もしそれが伝わり方が違う時に、“ごめんなさい。違いますね。あなたが話してるニュアンス”って言ってくれれば、それは違いますってことだと思うし。
でも、もしかしたら俺たちに話すことによって、自分の気持ちのディテールが分かったりとか、“あ、その気持ちってこういうのなんだ”って思ってくれればすごく嬉しいと思うし。何かちょっとでも受け止められる場所になれたら、人になれたらいいなと思いながらも、やっぱり君のことが知りたい」

今の話
自分は今、いじめの少ないクラスで、楽しく学校生活を送っています。しかし、転校生の男の子がいじめられて、不登校になってしまい、かれこれ半年以上来ていません。誹謗中傷などが酷かったと担任から聞いています。自分は現場は見ていなかったので、どうだったのかはわかりませんが、何となく、彼に対する風当たりの強さとかは感じていました。止められなかったこと、未だに後悔しています。
猫町やたろう
女性/14歳/東京都
2023-10-25 07:11


COCO教頭「傍観者って言い方をすると、すごく言葉が強くなっちゃうと思うんだけど、やっぱり学校に毎日行ってると、些細な変化って絶対に気付くじゃん。気付くけど、でもそれを1人で解決できるかって言ったらそうじゃないし、だからと言って何もしないのも辛いってなった時に、こういう風に後悔してるよって気持ちだけは自分の中に絶対持っててほしいなと思うし。勇気を出して、やたろうがこうやって書き込みをくれたことに、すごくありがとうって思った」

こもり校長「自分の今の気持ちを吐き出してみるだけでも、もしかしたら少し気持ちが楽になるかもしれないし、学校掲示板なら君の書き込みを見て他の生徒から何かメッセージも届くかもしれない。生徒のみんな、今夜も2時間一緒に授業していこう」

むつーさん、yanoさんへ
昨夜は勇気をだしてスクールオブロックのみんなに気持ちを伝えてくれて本当にありがとうございました。
私は加害者側だったのですが、2人の話を聞いて、私がいじめていた子もこんなに辛い思いをしていたのかと思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだし、なんでこんなことをしてしまったんだろうと思いました。今思っても取り返しは付きませんが。むつさんの話を聞いて、誰かがいじめを始めたら「いじめって楽しいな」と感じた人が今度はいじめて…と負の連鎖が起こってしまい、いじめの被害者数とかはどんどん増えていっているんだと気づくことが出来ました。そして、私はその負の連鎖を起こす原因になってしまったのかと思うと、本当に後悔でしかないです。
スクールオブロックの放送が終わった時、私は泣いていました。被害者な訳でもないのに。
全国のいじめの被害にあっている生徒さんの加害者に4人の気持ちが届きますように。自分が壊れない程度で負けないで、これからも立ち向かってください。逃げるが勝ちっていうでしょ?逃げてもいいから。カッコ悪くなんてないから。逆にこんな辛い状況の中生きていけること自体がかっこいいから。加害者側でしたが、心から応援しています。心から尊敬してます。
選ばれし者よ。ネギを抜けぇ!
女性/15歳/岡山県
2023-10-25 15:51


COCO教頭「まず、ちゃんと言葉にしてくれて、本当にありがとう。したことって変えられないし、いろんなことがあって加害者側に加担してしまったんだろうけど、過去は変えられないから、これからどうするかだと思うし、こうやってこの加害者側の言葉をしっかりと嘘なく、SCHOOL OF LOCK!の生徒に届けてくれてるのって、だいぶ決心がいったと思うから、こういう風に、反面教師じゃないけど、成長して人の痛みが分かるってステージに来てくれてるのはすごくいいことだと思うし、勇気を出してくれて、ありがとう」

こもり校長「今紹介したように、辛い思いを過去にさせてしまった、もしくは周りでただ見ていただけだったって経験のある生徒もいて。当時を振り返って、なんであんなことをしてしまったのかとか、なんで一歩踏み出して手を差し伸べられなかったのかって悩んでいる生徒もいる中で、やったことは絶対に認められることではないし、加害者になってしまった、加害者になっていた。その意識があって、加害者でいたってことはもう変えることもできない事実で。
ただ、それは絶対にやってはいけないことだったってことはあるんだけど、選ばれし者よ。ネギを抜けぇ!もそうだし、他に書き込んでくれた子たちも、加害者側で、“なんであの時…”って(後悔している子もいる)。でも、それを踏まえて生徒の話を聞いて、申し訳ないと思った気持ちと、だからこそこの気持ちが届いてほしいってその言葉が、紛れもない今の素直な言葉であると、やっぱり俺は信じたいし。その想いがきっと届いて、本人たち自身も何か違う道を選んでいけるように、絶対に思い続けなきゃいけないことだと思う」

こもり校長「傷ついた人は必ずいて。だからこそ絶対なくさなきゃいけないし、なくなっていくべきものと思うから、俺たちが逆にここに位置づけられる限り、みんなの話を聞いていけたらなと思います」

しののめ 愛知県 17歳

こもり校長「学年は?」

しののめ「高校2年生です」

COCO教頭「中2高2は…Do What You Want!」

しののめ「おっけー」

COCO教頭「声が可愛い」

しののめ「(笑)」

こもり校長「今から、しののめといろいろ話していきたいなと思ってるんだけど、いろいろと俺たちも聞いちゃうから、話したくないこととかあったら全然無理せず話さなくてもいいから、いろいろ俺たちから質問してていい?」

しののめ「はい」

こもり校長「まず今、しののめの君の今の辛い気持ちっていうのを聞かせてもらっていい?」

しののめ「高校1年生の10月にいじめに遭って。友達がいない中、高校に入学して、ずっと1人だった中に、友達3人グループの子が自分に声をかけてくれたんですけど、でも、2学期の文化祭の時に前日まですごく仲良く文化祭の作成とかやってたけど、ハブられるようになっちゃって。出し物もできなくて、一緒にプリクラ撮ったり、遊びに行く約束とかしてたけど、私抜きで遊びに行かれちゃったりして。そこから学校にいるのも、悪口とか始まっちゃってて、ひどくて

こもり校長「その子たちから?」

しののめ「はい。で、不登校気味になって

こもり校長「行けなくなっちゃったのか」

しののめ「はい…」

こもり校長「全然ゆっくりでいいからね。言いたくないことは言わなくていいから」

しののめ「で、本当に進学できるのかも分からなくて。で、病院に通うくらいしんどくなっちゃったりとか。夜怖くて寝てなかったりとかいっぱいあって、起きたらまた学校行かなきゃいけないし、その子たちと顔を合わせなくちゃいけないし。他にも友達いないし、相談できる人もいないから、しんどいなって思いながら、状況はそこまで変わってないけど、今、高校2年生にまでなった感じです

こもり校長「しんどかったな。よく頑張ったな。よく頑張って高校2年生になったな」

しののめ「はい…」

こもり校長「しんどかったな。毎日怖かったな」

しののめ「はい…」

こもり校長「本当によく頑張った。まずは本当によく頑張った。今日の今日までよく頑張った。めちゃくちゃ頑張ってるぞ。この気持ちはずっと言えなかったのか」

しののめ「はい」

こもり校長「その3人から向けられる目が怖くて?」

しののめ「はい」

こもり校長「友達とか他の子に行っちゃったらってのもあるしな。もっと距離が空いちゃうのも怖いしな。そういう風に文化祭の日とか一緒にいろいろ約束してたのに、1人だけ外されて遊びに行ってたのとかっていうのは、どこかで誰かから聞いたとかなの?」

しののめ「その文化祭2日目の帰りは、ずっと前々からプリクラ撮りに行こうね、遊びに行こうねって話をしてたんですけど、3人の中の1人が“今日予定が入っちゃったんだよね”“あ、じゃ仕方ないね”って帰り道その場で解散したんですよ。で、自分もそのまま帰ろうって思ったけど、何気なく交換してる位置情報のアプリを見たら、同じ場所でみんなフリーズしてて。あ、もしかしたら私抜きで行ったんじゃないかなって思って。いないでほしいけど、確かめたくて」

こもり校長「そうだな。分かるものがあるならな」

しののめ「はい。で、いたら悲しいし、怒っちゃうかもしれないけど、複雑だけど、いるであろう場所に行ったら、いて…。鉢合わせになっちゃったんですけど」

こもり校長「そうか。で、鉢合わせしちゃったみたいなのもあって、たぶん向こうも相当それが気まずくて、ちょっと悪口みたいな感じに、よりハブるようになってきたってことか」

しののめ「はい」

COCO教頭「その時、しののめはどういう風に感じたの?」

しののめ「鉢合わせした時は、自分の平然を装うことに必死で。で、どうしてこうなっちゃったんだろうなって思って。本当に自分の何がいけなかったのかも分からないし、今までそんなんなかったから、急だったし。私の何がいけなかったんだろうって」

COCO教頭「自分を責めちゃう感じだったんだ」

しののめ「はい」

こもり校長「そこから、しののめは学校に行けなくなる時期がちょっと続いてたって聞いたけど、その時は毎日どういう気持ちだったの?」

しののめ「自分以外の人は普通に学校に通ってるわけじゃないですか。で、毎日どこかに遊びに行ったり、楽しんでて。本当に何でなのかなって気持ちが多くて。自分は家にずっとボーッとしてるだけで。なんでなのかなって」

こもり校長「疑問ばっかなの毎日だったってことか。でも、そこから今、高校2年生に上がれたわけじゃない」

しののめ「はい」

こもり校長「その学校にもう一度っていうのはどうしてなんだろう?

しののめ「単位がもう本当にギリギリで。あと1日休んだら留年ってずっと言われてて。でも、推薦で行った学校だから卒業しなくちゃいけないし、進学もしなくちゃいけないから、とにかく卒業だけを考えて行かなくちゃいけないって気持ちだけで行ってました」

こもり校長「すごいよ」

COCO教頭「強いよ。でも、高2に上がって、さっき言ってたグループの女の子たちはどういう感じで接してきてるの?」

しののめ「1回、担任の先生たちに呼ばれて、いじめてきてた子と私で話し合う機会が設けられて」

こもり校長「それは誰が動いてくれたの?」

しののめ「担任の先生が休みがちになってから話を聞いてくれてて。で、話をしなさいってなって、みんなで話したみたいな」

こもり校長「その話し合った後の結果はどうなったの? 高校2年生になっても同級生は同級生なわけじゃない?」

しののめ「クラスは別にしてくださいって頼んだので」

こもり校長「自分から?」

しののめ「はい」

こもり校長「よく言ったな」

しののめ「(笑)」

こもり校長「自分で行動を起こせるのはすごいぞ」

COCO教頭「本当によく立ち向かったよ」

こもり校長「立ち向かうって相当怖いからな」

しののめ「はい」

こもり校長「今、高校2年生になって、クラスも別になったわけじゃん。今はどう?」

しののめ「今もやっぱり次の日学校に行ったら、前みたいな空気感になってるかもしれないとか、急に自分のいないどこかでこの環境が一気に変わっちゃってるかもしれないって思うと、すごく怖いから、寝るのも嫌だし、学校あるなって思うとすごく憂鬱で。朝起きるのもしんどくて。休みがちになるのはまだ続いてて」

こもり校長「いや、今のしんどい気持ちをよく俺達に吐き出してくれたなっていうところを、まずは本当にありがとう。しんどかったし、辛かったろ」

しののめ「はい」

こもり校長「それが今も続いているわけでしょ。夜も寝られなくて、考えると、もしかしたらちょっと頭の中もグルグルしちゃったりとか、息もしづらくなる日もたぶんあったと思うけど。
今、本当にしんどい状況だと思うんだよ。でも、俺が今すごくしののめの話を聞いて1つ思ったのが、しののめは大切な人を失ったわけじゃないからな。こんな状況になっても、3人のことをいまだに思い出しながら、あの時入学した時に1人でいた自分に声をかけてくれたのが今でも嬉しくてって言ってくれるすごく大切な人を、相手3人が失ったってことだから」

しののめ「…(泣)」

こもり校長「こんなにもかけがえのない君を、相手は失ったんだよ。しののめが失ったわけじゃない。こんなにも素晴らしい気持ちをしののめは持ってるじゃん。まだ怖いかもしれない。明日起きたらどうしようって、またクラスの中で雰囲気が悪くなるかもしれないってまだ思うかもしれない。もしかしたら、今日も明日も明後日も来週も来月も思うかもしれないけど。そんな素敵な君が、いつか学校に行ったら、また大切な人に出会えるかもしれないって俺はそう思った」

こもり校長「まだ出会ってない誰かに出会う可能性が君には全然ある。怖い気持ちは絶対に怖い。ただ、もしどこかの日にいつかの夜に、明日は出会う1日かもしれないって。“あ〜、こもり校長こんなこと言ってたな”って思い出す日がどこかに来てくれたら、俺はすごく嬉しい。君は素敵な心を持ってるから。今日俺らに出会えたじゃん」

しののめ「はい」

こもり校長「もしかしたら、今日もしんどいかもしれないけど、こうやって話してくれた今日があった、この日を忘れずに一緒に明日も戦おうよ」

しののめ「はい」

こもり校長「前に話してくれてありがとな」

しののめ「ありがとうございます」

こもり校長「今日だけはちょっとでもゆっくり寝られるように願ってるから」

しののめ「はい」

こもり校長「一緒に寝る時は俺らも寝てるから」

COCO教頭「(笑)」

こもり校長「また明日な」

しののめ「はい」

こもり校長「ありがとな」

しののめ「ありがとうございます」


♪ 眼差し / ロクデナシ


COCO教頭「私、しののめの最強の武器に気づいたの。立ち向かう強さ。鉢合わせした時も立ち向かったし、学校で単位落としそうとなった時も絶対に行ってやるっていう立ち向かう強さが彼女にはあるから。絶対大丈夫だよ、しののめ」

のん 鹿児島県 18歳

こもり校長「学年は?」

のん「高校3年生です」

こもり校長「今から、のんと話していきたいんだけど、いろいろのんに質問しちゃうから、もし言いたくないこととか、それはちょっとっていうのがあったら喋らなくてもいいし、無理せず。ちょっと話していってもいい?」

のん「はい。分かりました」

こもり校長「のんが今辛いことって何?」

のん「もう前の話になるんですけど、高校2年生の2月ぐらいに、学校でテーマについて調べたことをまとめて発表する授業があったんですけど、作りかけだったスライドに誰かが不正アクセスをして、犯人はもう男子3人と分かったんですけど、私の体型の悪口が書き込まれていたっていうのがあって。前から、高校1年生から目を付けられているような感覚があったんですけど。そのことがあってから不登校になってしまって。今はもう通信制の高校に転校しました

こもり校長「そうか。その高校2年生の時に男子たちから体型のことについてからかわれたりとか、それこそ発表で使うスライドに勝手にログインされて、みたいなことだよね?」

のん「はい」

こもり校長「で、そこからしんどくなって学校には行けなくなった期間ってどれぐらいあったんだろう?」

のん「高校3年生になってから7月に転校するまではほとんど行けてなかったですね」

こもり校長「それは学年が変わっても、そういうのは続いていたってことかな?」

のん「続いてはいなかったんですけど、また裏で言われてるのかもしれないって気持ちだったりとか、そういうズタズタな心の中で、高校3年先の受験生の授業についていけるような気もしなくて、それでですね」

こもり校長「そこから通信制に行こうって決めたきっかけは何だったの?」

のん「それもだったんですけど、結構家族関係でも悩んでいて。で、そういうのをスクールカウンセラーの先生とか、通ってた精神科のカウンセラーの先生とか、担任の先生とか、お父さんとかとか、いろんな大人にアドバイスをもらって助けてもらって、それでやっと決心が付いた感じですね」

こもり校長「なるほどね。家族とはあまりうまくいかなかったというのは、どういうことがあったと聞いてもいい?」

のん「お母さんが今でも精神科に入院してるぐらいうつ病を患っていて、もう小っちゃい頃から、“あなたはこの高校に行かないといけないの”っていう教育的なネグレクトというか、すごく厳しいお母さんで。ノートを破らせたりとか、何位以内じゃないとダメとか、そういうのが辛くて。ちょうど2年前に母親の所を離れて、今、父と2人暮らしを始めて、もうすぐ2年が経とうとしてるんですけど、実は7歳上の兄もいて。兄は母親の方にいて、完全に家族が真っ二つな状態で。その4人でたくさん揉めて、警察とか児童相談所とかにお世話になるような状況でした」

こもり校長「じゃ、のんは今、お父さんと一緒に住んでるのか?」

のん「そうです」

COCO教頭「今、お父さんとの一緒に住んでて、気持ちの部分ではちょっと落ち着いたりはできてるの?」

のん「そうですね。高校生が、中学校の時思い描いていたような高校生活を送れなかったから、それを十分理解した上で、今の私の生き方をすごく尊重してくれるし、話を聞いてくれる大事な存在です」

こもり校長「そうか。じゃあ、今、自分の家に帰れば、話を聞いてくれたり理解してくれるお父さんがいる中で、その時期、やっぱり家族で揉めた時期とか、学校に行けば周りの目が怖いっていう時期は相当しんどかったでしょ?」

のん「そうですね。家に帰れば家族の問題を考えて、学校に行けば、いじめてくる人たちからの目線が怖くて。家でも学校でも挟み撃ちに遭ったような気分で。授業中になぜか涙が出てきて止まらなくなったりとか。本当にひどい時はそんな感じでしたね」

こもり校長「そこから、それこそカウンセラーの先生とかとも話すことはできたの?」

のん「最初は本当に泣いて帰るのが続いてたんですけど、ちょっとずつポツポツ言葉が出せるようになってきて。今では本当に全部理解してくれてますね」

こもり校長「通信に行ってからはどう?」

のん「公立の高校を不登校になって、通信に行くまで6ヶ月ぐらい、自分で休む期間があって。その間に、ひきこもっちゃダメだなって思って、自分で自動車免許を取ったり、1人暮らしになった時の練習だと思って、入学するための住民票を自分で取りに行ったり」

こもり校長「あ、そうか。住民票とか18歳だから取れるのか!」

のん「そうですね」

COCO教頭「意外と面倒くさいのに。すごいよ」

のん「1人になってから困っちゃいけないなと思って。で、中学校の時の友達に再会した時に、自分の状況を思い切って話したりとか」

こもり校長「すごいな」

のん「そういう自分から動くようにするのと、好きなことをする6カ月間があったお陰で、何とか今、通信では頑張れてるかなっていう感じ」

こもり校長「こういう言葉が正しいかは分からないけど、今ののんの話を聞いた時に、俺はすごく嬉しい気持ちになった。前を向いて、自分から1人になる未来をちゃんと見て、本当だったらその場にうずくまってしまってもおかしくない状況の中、どうにか変えてやろう、まっすぐ進んでやろうって、その嘘のない気持ちで何をしたかを聞けたのが、俺はものすごく嬉しく感じた。これから先、できることはいっぱいあるな」

のん「そうですね」

こもり校長「まだまだ通信制の学校でもいろいろやることはあるでしょ」

のん「ですね。まずは卒業もだし。6ヶ月休んでしまった分、受験勉強は全然進んでないし(笑)
前途多難かもしれないけど、それでもいつか、死にたくなっていたあの日を見返したときに、諦めなくて良かったなって思えるように、前に進みたいなって思ってます

こもり校長「すごいぞ! めちゃくちゃ希望に溢れてる声だわ!」

のん「(笑)」

COCO教頭「自分の足でちゃんと立ってるもん」

こもり校長「これから先のことも聞かせてくれ。今後のことも。もし良かったら、何か起きたこととかも全部このSCHOOL OF LOCK!で聞かせてくれよ」

COCO教頭「教えて欲しい」

のん「一番は大学に合格して、転校する時に一緒に卒業したかったって声をかけてくれた友達もいたので、その子たちといつかまた笑って会えるように頑張ります」

こもり校長「最高だな。前途多難、上等だな」

のん「(笑)」

こもり校長「のんだったら、絶対いけるぞ」

のん「ありがとうございます」

こもり校長「どれだけ見返しても、あの頃の自分を捨てないように大切に大切にしながら、これから先、進んでいこうな」

のん「はい」

こもり校長「聞かせてくれて、ありがとう」

のん「はい」

こもり校長「また明日な」

のん「また明日」


♪ プレゼント / SEKAI NO OWARI


COCO教頭「のんが、“半年間休んじゃってたんで”って言ってたじゃん。あれは、休んでしかるべき時期だったと思うのね。辛かった日々にできなかったことが、のんはその半年間でめちゃめちゃできることが増えたわけじゃん。だって、住民票を取りに行くのとかも正直めちゃくちゃ面倒くさいし。私ですら5月に引っ越してきてまだ行ってないし(笑)」

こもり校長「なんでだよ。ダメだよ(笑)」

COCO教頭「行かなきゃなんだけど。あとは免許も取れたし。一緒に卒業したかったって言ってくれた子とか連れてドライブ行って、もっといろんな世界見ていってほしいって思った」

こもり校長「今日は、黒板を書く前に、ちょっと話させてもらいたくて。
月曜日から、月火水と生徒のみんなと話してきて、本当に今のみんなの気持ちをまず俺たちに届けてくれたことをすごく感謝してる。ありがとう。
話していく中で、直接君に触れて感じたのは、みんなものすごく優しい心を持っていて、自分なんかよりも誰かのために、自分が抗うことで誰かを傷つけてしまうんじゃないかって。すごく柔らかくて、それに抗いたくて自分から傷ついていたりとか。でも、それに立ち向かう強さを持っていて。すごくいろいろなものを持っているなって思った。
君のその優しい心とか、柔らかくてまっすぐに脈打ってる君の心は、誰かの勝手な想いや言動に傷つけられていいはずがない。だから、無責任なこの現実と君の大切なその心を天秤にかけないでほしい。
君は無力じゃないし、何かに戦おうって抗って、苦しめる強い心を持ってる。今、君がまっすぐ歩こうとしているその道は誰かに敷かれたレールじゃない。誰かのために、誰かの目を気にして、君は生きているんじゃない。君は君のために生きている。
もし下を今向いちゃってるんだったら、歩き出さなくてもいい。心を前に向けてほしい。今は笑えないかもしれない。でも、俺は本気で君と笑いたいと思ってる。もしかしたら、その何か一歩をこの毎日の中で君に与えられたらなと、昨日も言ったみたいに、やっぱり悔しいと思ってしまう。でも、本気で思ってるから。君は絶対に笑えるし、君は絶対に君が思い描いている望んでいる未来を掴む力を持ってる。
だから、黒板にこの言葉を書かせて欲しい。絶対に負けないでほしい。そんな強い想いを込めて…」



今日の黒板


SCHOOL OF LOCK!


『世界はキミの物だ』


♪ 生きる / 渋谷すばる


こもり校長「SCHOOL OF LOCK!、そろそろ下校の時間です。
あと数分で、10月25日、今日が終わる。でも、今日が終わるその瞬間、君は1人じゃないからね。俺たちがここにいるから。そしてまた明日、絶対にこの場所で会うんだと約束するために、そして君とまたいつかまた大きい声で叫べるその日が来ることを願って、俺たちは今日も、そして明日も、この学校で大きな声を出して笑い続けていきたいと思う。
SCHOOL OF LOCK!は、明日夜10時に再び開校!」

COCO教頭「起立! 礼!」

こもり校長・COCO教頭「また明日〜〜〜〜〜〜!!!!」


♪ まちがいさがし / 米津玄師


こもり校長の放送後記

また明日、絶対に!!
1人じゃない。そう皆で確認する為に。
皆でまた明日。


COCO教頭の放送後記

Keep your head held high.

あなたはカッコイイ。誇り高く行こう!

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聴取期限 2023年11月1日(水)PM 10:00 まで

Music 2023.10.25 PLAYLIST

    22:07
  • 22:27
  • 22:50
  • 23:02
  • 23:21
  • 23:38
  • 23:46
  • 23:52

「クラスの男子が不登校に」「加害者側でした」自分もいじめ当事者かもしれない10代の声

ラジオの中の学校、TOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」(月曜〜木曜 22:00〜23:55/金曜 22:00〜22:55)。10月25日(水)は、『今夜も、君の話を聞かせてほしい』と題して放送。パーソナリティのこもり校長(小森隼/GENERATIONS from EXILE TRIBE)とCOCO教頭(CRAZY COCO)が、いじめなどでつらい時間を過ごしているリスナーの話を聞きました。

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