ボカロNight開催!ゲストに "SCHOOL OF LOCK!賞" 受賞ボカロP 雪乃イト先生来校!!!

SOL!

今夜の授業を職員のジェーンが振り返り!


今夜はゲスト講師に、ボカコレ2022秋で"SCHOOL OF LOCK!賞" を受賞した雪乃イト先生を迎えてこの授業をお届け!

SCHOOL OF LOCK!ボカロNight!!

今夜は「ボカロPを目指す生徒」からの疑問や悩みを大募集!ボカロPである、雪乃イト先生に直接相談をしていきました( ˘ω˘ )


1人目に電話をした生徒 RN:蓬時々雨が雪乃先生に相談したいことは、曲を作るにあたってどこからモチーフを考えているのか、そしてそこから歌詞をどう紐づけているのか?というもの。軽音楽部に所属しているというRN:蓬時々雨は、後輩たちとボカロのコピーバンドをして演奏をしてみたり、自分自身も実際に曲を作ったりもしているという。その中で、今は楽曲を作る事のむずかしさや作詞のむずかしさの壁にぶつかっているので、雪乃先生にそのヒントが欲しい!と話をしていきました。それを受けて雪乃先生からは、まずは何でも形にすることが大事!どこかで聞いたことがあるなとか誰かの曲に似てるなって思ってもまずは一曲作りあげてみてください!とアドバイスを送っていきました(^ω^)


2人目に電話をした生徒 RN:Alis(高2)は、小学生の頃からボカロが大好き。そんな彼女が雪乃先生に相談したいことは曲作りについて。今、友達と一緒に曲を作ろうとしているというRN:Alis。友達とは作詞担当と作曲担当で振り分けていて、自分は歌詞を担当中。そこで歌詞を書いていく中で友達の曲と自分の歌詞が上手くハマらないことが多々あり、歌詞をどうやって書いていけば良いのか悩んでいると相談をしてきました。


3人目に電話をした生徒 RN:はなよりほ_は、が雪乃先生に相談したいことは、ボカロ曲を作りたいと思い1年前にボーカロイドを購入したものの、自分の頭の中で想像して作り上げたメロディがどんどん溢れてきてしまって結局まとめられず、曲として完成させることが出来ないということについて。考えれば考えるほど、これを入れたいあれを入れたいと思うものが溢れてきてしまって、結局何をどうまとめれば良いのか分からないのでどうやってそれを具現化していけば良いですか?と相談をしていきました。雪乃先生からは、自分が好きで聴いている楽曲だったりインプットした曲を分析してみると、自分がどんなものが好みで、どんなものを作りたいのかが分かって来ると思うので、そのインプットしたものを元にアウトプットしていくと良いと思います。とアドバイスを送っていきました。

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聴取期限 2023年1月24日(火)PM 10:00 まで

ボカロNight開催!ゲストに "SCHOOL OF LOCK!賞" 受賞ボカロP 雪乃イト先生来校!!!


逆電

こもり校長、逆電ありがとうございました。

目の前の結果にどうしても囚われて、本来の夢、

目標を見失いかけてました。
残された40日、最大限の努力をして
『合格できました!』って報告しにきます。

校長の言葉で、明日から前を向けそうです。
ありがとうございました!
合格勝ち取ってきます。

トロンボーンは天使の聲
男性/18歳/長崎県
2023-01-17 00:02


こもり校長「最後まで、まだまだ頑張ろうな。受験生全員、桜が咲く、その時まで、振り絞って頑張ろう!RNトロンボーンは天使の聲、今の気持ちを教えてくれてありがとう。
SCHOOL OF LOCK! 今夜も開校です」


♪ ぼくらの / Eve


こもり校長「こうやって受験生の君と出会わせてくれたSCHOOL OF LOCK!に、俺は改めて感謝だし、みんなで一緒に1個の目標に向かって夢を叶えていけるなら、そんな美しいことないなって本気で思うから、まだもうちょっと。今まで頑張ってきたけど、もうちょっと、一緒に頑張っていこう」

SCHOOL OF LOCK!



こもり校長「さぁ、今夜は久々にこの授業!!」

『ボカロNight』!!!

こもり校長「今夜は、大人気授業『ボカロNight』!!
改めての説明になっちゃうけど、パソコンを使って、自分の歌わせたいメロディーを歌わせることができる音声合成技術・ボーカロイドをつかった楽曲。これが通称“ボカロ曲”!
そのボカロを使った楽曲を自分で作成してYouTubeやニコニコ動画などにアップしているのが“ボカロP”!
おすすめのボカロ曲やボカロPを紹介しあうのが、SCHOOL OF LOCK!の『ボカロNight』!!
そしてそんなボーカロイドの祭典、『ボカコレ』が昨年の秋にも開催されたんだけど、そこでSCHOOL OF LOCK!賞を受賞した、この方が今日は来てくれました!

雪乃先生「雪乃イトです! よろしくお願いします!

SCHOOL OF LOCK!


雪乃イト先生が来校ーーーーーー!!!!!

こもり校長「初めまして! やっと会えました!」

雪乃先生「や〜、本当にこちらこそですよ。初めまして! お呼びいただきありがとうございます」

こもり校長「こんな風に電波を通して生で話すって、ご経験は?」

雪乃先生「初めてなんですよ。ちょっとあの、すっごく緊張しています(笑)」

こもり校長「僕のイメージの中で、雪乃イト先生ってすごく柔らかくて、僕は安心してます。怖かったらどうしようかなって」

雪乃先生「あ、ほんとですか。嬉しい。いやいや、こっちが逆に怖かったですよ」

一同「(笑)」

こもり校長「ボカコレでの『SCHOOL OF LOCK!賞』の受賞と、『ルーキー部門第9位』おめでとうございます!」

雪乃先生「ありがとうございます!」

こもり校長「今回のこの2作品が、雪乃イト先生のボカロPとしてのデビュー作なんですね?」
(「SCHOOL OF LOCK!賞」受賞『最果ての譜 / 雪乃イト feat. 可不』
「ルーキー部門第9位」『空回りライブラリ / 雪乃イト feat. 夏色花梨』)

雪乃先生「そうですね」

こもり校長「いや〜、すごい。デビュー作で結果を残すってのはものすごいことですけど。今回、『最果ての譜 / 雪乃イト feat. 可不』を、“SCHOOL OF LOCK!賞”に選ばせていただきましたけれども、ボカコレに参加して、周りの反応はどうですか?」

雪乃先生「結構変わりましたね。ありがたいことにお仕事も増えたし……今までは“弾いてみた”がメインだったので、“曲を作る人なんだ”という認識に周りが変わってきたなと」

こもり校長「どういった感想だとか、声が届いていますか?」

雪乃先生「例えば『最果ての譜』については、“純粋に綺麗な気持ちになれた”って声が上がって、僕は嬉しいって気持ちです」

こもり校長「先入観ですけど、ボカロ曲って、打ち込みだったりとか、ボカロのデジタル音みたいな印象なんですけど、この“SCHOOL OF LOCK!賞”の『最果ての譜』は、すごいバンド感がありますよね。リズム感というか、ノリとかグルーヴ感がすごくあるじゃないですか?」

雪乃先生「あ〜、ありがとうございます」

こもり校長「ここのミックスみたいなのって、どうやって生まれるんですか?」

雪乃先生「これは、僕がバンド出身だからというのもあると思います。基本的には、バンド楽器で構成、編曲を組んでいるので。その中でグルーヴが生まれている感じですね」

こもり校長「バンドとしても活動しながら、曲も作るっていう時に、(バンドとボカロでは)制作する上で変えるものですか?」

雪乃先生「それは、結構、意図して変えています」

こもり校長「その引き出しとかってどうしているんですか?」

雪乃先生「そうですね。好き嫌いとかを一旦抜きにして、いろんなジャンルのいろんな楽曲を聴くんです。たくさんの引き出し、インプットを増やしていって、今度は実践でアウトプットして作業をしていくっていうことで、どんどん培っていくものかなって」

こもり校長「分け隔てなく、いろんなものを聴くんですか?」

雪乃先生「ある程度、そうですね。例えば、“今期のアニソン、何かいいのあったかな〜”とか、“最近流行りのポップスとかにいいのあるかな〜”とか」

こもり校長「ポップスにまで広げて? やっぱすごいな〜。しかもね、前回SCHOOL OF LOCK!賞を受賞したヒグマ先生は、番組用にジングル作ってくれたりしたんですけど。
雪乃イト先生は〜…そういう〜…ジングルとか作ってくれるとかは〜…お願いしても……いいんですかね?」

雪乃先生「…ぜひ! やりましょう!!」

こもり校長「怖い間だった! ダメな間だった!」

雪乃先生「(笑)ちょっと作ったことないんですけど、ぜひやらせていただきたいです」

こもり校長「わ〜! やったー! 嬉しい! こうして関わってくださった方に作っていただけると、僕たちもまた、1個新しいストーリーが生まれて嬉しいです。これは徐々に詰めていくって形でいいですか?」

雪乃先生「はい! よろしくお願いします!」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「さぁ、そんな雪乃イト先生と一緒に行う『ボカロNight』なので、今夜は、ボカロPを目指す生徒からの疑問や悩みを大募集! 雪乃イト先生に直接、相談してみよう!!
例えば…“ボカロ曲作ってみたいけど何から始めればいいかわからない!”っていう生徒」

雪乃先生「あ〜はいはい」

こもり校長「ぶっちゃけ、難しそうですよね?」

雪乃先生「まあ、そうですね」

こもり校長「どうするんだろう。集めなきゃいけないものがあるのかなとか。
あとは…“コードや音楽理論ってやっぱり大事ですか?”」

雪乃先生「あ〜、大事っすね〜(笑)」

こもり校長「(笑)やっぱり大事ですか。
たぶん、こういうので悩んでいる生徒もいると思うんで、どうやってこういうのを学んでいったのかとか。直接聞けたりもするし、“曲を作ってみたけど、なんかしっくりこないな”とか、あともう一歩っていう生徒もいると思うんですよ。
そういうことってあります?」

雪乃先生「まあ、そんなことは往々にしてあると思いますよ」

こもり校長「などなど、具体的な疑問や相談を書き込んでほしい!
雪乃先生は、最初にボカロを制作した時ってどうやって覚えていったんですか?」

雪乃先生「ボカロ曲にフォーカスすると…僕が新しく覚えないといけないのは、音声合成ソフトのボーカロイドのいじり方だったので。それはもう行き当たりばったりでとりあえず入れてみて、“ここちょっと違うな”と思ったら調整したりして」

こもり校長「それって独学ですか?」

雪乃先生「独学といえば独学ですね。別に習うとかもないですし。でも、ネットに参考になるものがあるので」

こもり校長「探せばいろいろやっている動画もあるから」

雪乃先生「そうですね。いい時代ですよ」

こもり校長「間違いないですよね、自分でいろいろ探せるっていうのは。音楽理論やコード進行などを知った、最初に音楽に触れたのは、何歳くらいの頃なんですか?」

雪乃先生「中学2年生ぐらいなので、14歳とかですね」

こもり校長「きっかけは?」

雪乃先生「最初のきっかけでいうと、軽音部に誘われて、とりあえず入って。そしたら、みんな軽いノリで言ったんすよね。“軽音部のオリジナル曲が欲しいね”って言われて。“じゃあ作るか”って、そこから勉強を始めましたね(笑)」

こもり校長「最初、担当は何だったんですか?」

雪乃先生「ギターです」

こもり校長「そっか! ギターなら、確かに曲作りって入口としては…」

雪乃先生「そうですよね」

こもり校長「最初はじゃあ、手探りで自分で探し出して作り出したのが始まり?」

雪乃先生「はい、そうです」

こもり校長「でもそこから、こうやってジャンルレスに広がっていくんだから、何がきっかけになるかわからないですね」

雪乃先生「そうですね。物事ってきっかけだらけです……人生って(笑)」

こもり校長「だからね、今夜はボカロ好き&ボカロPを目指す生徒は全員出席!! もちろん、いつものようにオススメボカロソングも書き込んで! 俺もう最近、みんなから教えてもらったのを吸収しているからね」

雪乃先生「(笑)」

SCHOOL OF LOCK!



こもり校長「さあ、雪乃先生がSCHOOL OF LOCK!賞を受賞した、『ボカコレ』について改めて説明したいと思います。
『ボカコレ』は、ボカロにまつわる全ての人々にとって、新たな出会いがある日。色々な形のボカロ愛が集まる日。みんなが待ち望んでいる“音楽”、“エンターテインメント”を生放送、リミックス企画、クリエイター支援などの、様々なコンテンツを通して盛り上げていく、ボカロの祭典です。
そんなボカコレは、2023年・春にも開催が決定している!
3月18日(土)〜21日(火・祝)の計4日間、行われることが決まっています。
そして“歌ってみた”最大級の動画投稿祭、『歌コレ』の開催も同時に決定! こちらは4月21日(金)〜24日(月)の、計4日間」

こもり校長「しかも今回発表されたのは、春の話だけじゃなく、さらにその先と、先も!
『ボカコレ』は、毎年8月・2月に開催、『歌コレ』は、毎年9月・3月に開催を予定していることも発表されました!
それぞれ年に2回のお祭りがあるってことだね! しかも今回、『ボカコレ』と『歌コレ』の間に1カ月の間隔が空いたので、『ボカコレ』で見つけて“いいな!”って思った楽曲を使って、そのまま『歌コレ』に参加できる…っていう。もう、これは一体型ですよね?」

SCHOOL OF LOCK!


雪乃先生「もう、ちゃんと連動した企画としてね! すごいですね!」

こもり校長「大きな祭典だなと思いますが、開催時期が固定化されると、クリエイターのみんなは楽曲制作のスケジュールが立てやすくなると。嬉しいことではあるんですよね?」

雪乃先生「そうですね。やっぱり公開日が決まっているっていうのは、スケジュールを帳尻合わせるように組んでいけるので、すごくたすかりますよね。ちゃんと固定化されるっていうのは」

こもり校長「でも、締め切りがあるってうのも、なかなかプレッシャーじゃ?」

雪乃先生「いや〜、締め切りがあった方が、人間やれるじゃないですか」

こもり校長「雪乃先生はどっちですか?」

雪乃先生「僕は、締め切りがあった方が、“あ、やろ”“あ、やらないと死ぬ”って(笑)」

こもり校長「追い込まれて発揮できるタイプ?」

雪乃先生「締め切りないと、例えば友達とかで、“いついつなんだけど、空いたタイミングでやってくれない?”ってなると、“OK!OK!”ってそのまま…」

こもり校長「じゃあ、ある程度、緊張感とプレッシャーがある方が、アドレナリンも出て?」

雪乃先生「そうですね」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「そんな雪乃イト先生に、校長、色々聞きたいことがあるんです。
ということで、まずは、雪乃イト先生の曲を聴こう! 『直線プロローグ』!


♪  直線プロローグ / 雪乃イト




こもり校長「最近発表された『直線プロローグ / 雪乃イト feat. 小春六花×夏色花梨×花隈千冬』……ボカコレのルーキー部門で9位をとった『空回りライブラリ / 雪乃イト feat. 夏色花梨』もそうですが、いままでのボカロ曲とは違いますよね?」

雪乃先生「そうですね。いわゆるボーカロイドではないですからね」

こもり校長「ボカロも知らない生徒も、僕もまだ疑っていますけど……これは、人が歌ってるんですもんね?」

雪乃先生「(笑)いやいやいや、人じゃないですよ!」

こもり校長「これもう、人に歌わせているんですよね」

雪乃先生「人じゃないですって!(笑)」

こもり校長「いやもう、信じられなくて! 初めて聴いた時!(曲を聴きながら)これぞ! 生徒! 歌ってるよ、これは」

雪乃先生「ありがとうございます(笑)」

こもり校長「聴いたところによると、これは『SynthesizerV AI』という歌唱音声合成ソフトというボーカロイドってことですが、これはどういうことなんですか? ぼく…どうやっ…どういうことなんですか? これ(笑)」

雪乃先生「そうですね。そもそも今までのボーカロイドと圧倒的に違う点は、“歌唱AI”なんですよね。今までのボーカロイドだったら、ノート(音符)を打ち込んで、それを歌っているように見せかけるように、ピッチ(音の高さ)のカーブやビブラートを細かく調整していたんですけど」

こもり校長「うんうん」

雪乃先生「AIの場合、“こういうノートでこういう発音”というのがあったら、“こういう歌い方をするんじゃないか”と予測した上で、ある程度パターンを提示してくれるんですよね」

こもり校長「えぇっ!?」

雪乃先生「で、そのパターンの中から選んだり、さらにこうしたいよねって微調整したりするんです。初心者の方でも使いやすいと思います」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「さっき言ったピッチのカーブっていうのはどういうのなんですか?」

雪乃先生「例えば、しゃくりあげたりとか、発音したあと語尾を放るとか、あるじゃないですか。そういったものを細かく調整するっていう」

こもり校長「ちょっと落としたり上げたりすることで、単語と単語をつなげやすくする、みたいなことですよね?」

雪乃先生「そうです、そうです。それを、ある程度自動でやってくれるので」

こもり校長「へぇ〜! ボーカロイドも雪乃先生もすごいと思うんですけど、こういう調整って、 むっちゃむずいんですか? これだけ人が歌っているように聞こえる調整って」

雪乃先生「この曲に関しては、調整は外注しているので僕ではないんです。
結構監修はするんですけど。もちろん、どっちも頑張っているって感じです(笑) 僕自身も、エンジン自体『SynthesizerV AI』も頑張っています」

こもり校長「なるほど。お互いの頑張りが重なって、最新の最前線に来るとこんなことになるっていう」

雪乃先生「はい」

こもり校長「いや〜、びっくりしたんだよな、初めて聴いた時。ほんとに、ちょっとたまらないね」

雪乃先生「ありがとうございます」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「さあでは、今夜の授業にいきます!」

『ボカロNight』!!!

秋田県 18歳 蓬時々雨

こもり校長「蓬時々雨は、ボカロが好きなの?」

蓬時々雨「好きです!」

こもり校長「いつごろから好きなの?」

蓬時々雨「スマホを持ち始めたのが中学1年生の頃で、その頃からYouTubeでいろんな曲をあさっていました」

こもり校長「どんなの聴いているの?」

蓬時々雨「今だったら、Ayaseさんとか。あと、私は、高校で1個下の子たちと、ボカロのコピーバンド組んでいて」

こもり校長「すげ〜!」

雪乃先生「え〜〜〜!」

蓬時々雨「その時に、じんさんとか、DECO*27さんとか、ナユタン星人さんとかをコピーしてました」

雪乃先生「はいはいはい!」

こもり校長「うわー!」

こもり校長「僕も最近、今のお三方、覚えたんですよ。ついていけてるぞ、俺!」

雪乃先生「いけてますね!」

こもり校長「じゃあ、自分で演奏もするし、普段から曲も聴くし…っていう?」

蓬時々雨「はい、そうです」

こもり校長「今日は、雪乃イト先生に聞いてみてたいことがあるの?」

蓬時々雨「はい。バンドをやってるんですけど、1月にライブがあって、その時にオリジナルで曲を作ったことがあったんですけど」

雪乃先生「おぉ〜!」

こもり校長「すご」

蓬時々雨「その時に、曲を作る時に難しいと感じることがあって。それで雪乃イト先生には、ボカロ曲を作る時に、どこからモチーフを持ってきてるのかってこととか聞いてみたいです」

雪乃先生「なるほど」

こもり校長「制作についての、具体的なね。どうですか?」

雪乃先生「曲のモチーフでいうと、毎回毎回それは、明確に設定してまして。僕はそもそも、発注を受けて曲を作っていたんですけど、だいたい発注を受ける時って、“ディファレンス”っていうのが設定されるんですよ。
ディファレンスっていうのは、噛み砕いて言うと、いわゆるモチーフ。参考元って言うんですけど、発注元で既存曲が2〜3曲上がっていて、“これみたいな雰囲気の曲を作って下さい”って言われるんです。モチーフっていうのは、そのディファレンスのことを言いたいのかなって、僕は察しているっですけど…」

蓬時々雨「あ、そんな感じです!」

雪乃先生「ですよね。それはもう明確に設定した上で、じゃあ、何がこの曲の要素になるんだろうか。可愛さの要素ってなんだろうか? カッコいい要素ってなんだろうか?ってところを明確にアナライズした上で作っていくっていう感じです」

こもり校長「なるほど。じゃあ、“今回はこのディファレンスにしよう”っていう思いつきは、どうやってアイディアを出すんですか?」

雪乃先生「そうですね。自分でボカロ曲を出す時は、みんながどういう曲を出しているんだろうかってことを参考にしたり。あえて逆張りしていったり。僕の場合は、逆張りぎみなんですけど」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「蓬時々雨は、自分で、言うなればディファレンスみたいのは…」

蓬時々雨「(笑)」

こもり校長「ごめんね、今、カッコつけちゃった」

蓬時々雨「(笑)大丈夫です」

こもり校長「ディファレンスなんて、自分の中であるの? ストックみたいな?」

蓬時々雨「私は、ぼーっとしている時に、勝手に頭の中にいい感じのフレーズとかが思い浮かんだりするんですけど。手元に紙がないことが多いので」

こもり校長・雪乃先生「あ〜〜(笑)」

蓬時々雨「うまく表現できなかったりとか、いざiPadのガレージバンドで1回頑張って作ろうと思っても、本当に結局何が作りたいのか、数分後に忘れちゃう、みたいな感じなんですよ」

こもり校長「それは致命的なミスだから、どうにかするしかないよね」

雪乃先生「そしたら、メロディを思いついた段階で、“どれみたいな曲を作りたい!”って決めちゃう! 自分の中で!」

蓬時々雨「あ〜、なるほど」

雪乃先生「パクリとか言われるのを恐れずに、どんどんいろんなものを真似していいと思うんですよ、僕は」

こもり校長「思いついたものを、自分がこういうものだって思うのであれば、まずは形にしちゃったらいいってことですね?」

雪乃先生「そうですね。“それに近いもの、なんだっけ?”って、自分の頭の中を探ったりして。で、“コレみたいのを作りたい!”ってなれば、もうそこからゴールが見えてくると思います」

こもり校長「どう? 蓬時々雨」

蓬時々雨「実際、プロのボカロPさんの話を、生で直接聞いたことなかったので、すごい新鮮だし、学べることが多かったです」

雪乃先生「そう言ってもらってありがたいです〜(笑)照れちゃうなあ!」

蓬時々雨「ありがとうございます!」

こもり校長「先ほど、インプットするのも大事って言ってたじゃないですか。そういうのって、自分のディファレンスにつなげる意味でも、大事ってことですか?」

雪乃先生「もちろん大事です。世の中のありとあらゆる曲がディファレンスだと思ってください。自分のいいなって思ったリフや、いいなって思ったサビとかあったら、“どんなものだった?”“どういう動きをしてる?”って、どんどん追及していくといいと思うし」

こもり校長「なるほどね。しかも、蓬時々雨は、自分でも演奏するんでしょう?」

蓬時々雨「はい。前に出たライブは、初めてライブハウスで自分たちでイチから作ったもので、曲もバンドメンバーが1人1曲みたいな感じで、作詞作曲込みで…」

雪乃先生「ほ〜〜」

こもり校長「ストイックなバンドを組んでいるんだね(笑)それって結構大変だったんじゃない?」

蓬時々雨「そうですね。私が作ったやつが、目の前で実際に買って飲んでいた飲み物を、そこから思い浮かぶ単語を紙にめっちゃ書いて、そこから歌詞に使えそうなワードを何個かあげて組み合わせて歌詞作る…みたいな感じで。結構急ピッチだったので、大変なことの方が多かったです」

こもり校長「でもすごいですね。自分の感覚と制作が紐づいているっていう」

雪乃先生「そうですね。ちゃんとやって形にするって、すごいことなので」

蓬時々雨「ありがとうございます」

こもり校長「蓬時々雨は、今後も作り続けて。なんかまとまったぞってなったら、ゆくゆくは『ボカコレ』にぜひ参加して!」

雪乃先生「(笑)そうですね」


♪  シネマ / Ayase


こもり校長「いや〜、いきなり技術的な話でした。これは、RN 蓬時々雨が好きな、Ayase先生の『シネマ』っていう曲なんですけど。これは歌ってますよね?」

雪乃先生「これは…歌ってますよね」

こもり校長「これは歌ってるとか、これはボカロとか、境目がもう、ちょっと…」

雪乃先生「そうですよね。わかんなくなってきましたよね、どんどん」

こもり校長「それはすごい技術だなって思うんですか?」

雪乃先生「思いますよ。その技術の発展がなかったら、僕たぶんボカロPになってないですからね」

こもり校長「そういう魅力に惹かれたってことですか?」

雪乃先生「はい、もちろんです」

こもり校長「まだ進化します?」

雪乃先生「まだ進化するんじゃないですかね。もっと」

こもり校長「ここから進化するって、どうなるんですか? ここまででも、これだけ歌ってくるじゃないですか」

雪乃先生「そうですね。たとえば、まだ出来ないことでいうと、声のダイナミクスの差がまだちょっとないんですよ。“ここはもっと張る!”とかが出来るようになってくるのかもしれないですね」

こもり校長「抑揚みたいなことも?」

雪乃先生「出てくると思いますね、もしかしたら」

こもり校長「そしたらオペラとかもあり得るんですかね?」

雪乃先生「どうかな〜。オペラか〜。う〜ん、出来たらいいですね」

こもり校長「蓬時々雨も、これからどんどんやっていけば、まだ10代。20代になる頃には、もっと技術がすごいことになっていって、楽しい世界が広がっていくから!」

雪乃先生「そうですね。やれる幅がどんどん!」

こもり校長「楽しんでってもらいたいですね」

SCHOOL OF LOCK!


さて、ここからは『ボカロLOCKS!』です。
今回は、雪乃イト先生にもお付き合いいただきました!

こもり校長「今日もボカロ掲示板の書き込みを紹介したいと思います!」


n-buna先生の『メリュー』という曲を辛くなった時によく聴きます。
本当にそうだったらなぁと思いながら聴くこともしばしば、だけど聴き終わる頃にはまた頑張ろうと思える素晴らしい曲です。
笑ノ原タコ助
男性/15歳/山口県


こもり校長「では雪乃先生、一緒に聴いていきましょう!」

雪乃先生「聴いていきましょう」


♪  メリュー / n-buna


こもり校長「ヨルシカのコンポーザーを務めるn-buna先生の楽曲ということで。初音ミクで感情表現を見せるのってすごく難しいことだと思うんですけど、そこはn-buna先生。さすがだな〜って感じですよね」

雪乃先生「そうですね」

こもり校長「すごいポップスに聴こえるのは僕だけですか?」

雪乃先生「あ〜、ポップっぽい要素もたぶんありますね。ちょっと言ってしまうと、この曲のサビが、いわゆる“小室進行”って言われる、6・4・5・1っていう進行をしているんですけど」

こもり校長「“小室進行”!」

雪乃先生「結構、ポップスとか、ボカロ曲で多いんですけど、キャッチーなメロがノリやすい進行なので、すごいポップに感じるってのは、合っていると思います」

こもり校長「俺の感覚は間違ってなかった! で、しかも、これ、7〜8年前の曲で、現在700万回再生ですって」

雪乃先生「うっわ、スゴイ。700万…」

こもり校長「やっぱりすごいっすよね」

雪乃先生「すごいっすね、マジで」

こもり校長「雪乃イト先生が聴いても、“やっぱり”って思います?」

雪乃先生「本当にいい曲だなって思います」

こもり校長「初めて聴いた生徒も、いい意味でとっつきやすいというか」

雪乃先生「そうですね。キャッチーって覚えやすいし、乗れたり、好きになりやすいってところがありますから」

こもり校長「そこのバランス感っていうのも、ボカロPによって、個性が出るところですもんね」

雪乃先生「そうですね」

こもり校長「RN 笑ノ原タコ助、教えてくれてありがとうね!」

雪乃先生「ありがとうございます!」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「引き続き、ボカロ掲示板への書き込み待ってます!」

今週の『ボカロLOCKS!』はここまで!
それでは生放送授業に戻ります!


こもり校長「雪乃イト先生は、生放送が初めてとは思えないぐらい落ち着きを感じるというか」

雪乃先生「え〜ホントですか? いやあ〜どちゃくそ! 緊張していますよ。めちゃめちゃ…」

こもり校長「(笑)あ〜確かに! 今、ほやほやした。
もともと、話したりとか、さっきみたいな、曲の作ること、哲学みたいな話をするのって、よくする方ですか?」

雪乃先生「友達とはよく(話している)。“これってこうだよね”とか、お互いの研究成果を共有しあったり」

こもり校長「自分の中で具現化したい言葉とか、こういうイメージっていうのは、明確な方?」

雪乃先生「そうですね、わりかし」

こもり校長「あ〜いい!」

雪乃先生「思想が強いですね(笑)」

こもり校長「(笑)大事なことですよ、何をするにも」

SCHOOL OF LOCK!


Alis 鹿児島県 17歳

こもり校長「ボカロ好き?」

Alis「大好きです!」

こもり校長「いつごろから?」

Alis「小4ぐらいから」

こもり校長・雪乃先生「え〜〜!!!」

一同「(笑)」

雪乃先生「ハモリましたね(笑)」

こもり校長「ハモリました」

こもり校長「早いよね!? どうやって出会ったの?」

Alis「お姉ちゃんがいるんですけど、お姉ちゃんが、パソコンとかをいじってて。
YouTubeとか見てて、“コレ、面白いよ!”って」

こもり校長「めちゃくちゃテンション上がってるじゃん(笑)(お姉ちゃんが)めっちゃ推してくるんだ」

Alis「それで、“んも〜、聴くから”って聴いたら、ハマりました」

こもり校長「まんまとな」

雪乃先生「みごとに沼にね」

Alis「沼りました(笑)」

こもり校長「一番好きな曲、推し曲とかあるの?」

Alis「推し曲は、卯花ロクさんの『雁首、揃えてご機嫌よう』です」

こもり校長「卯花ロクさん…知ってます?」

雪乃先生「知ってます、知ってます。それこそ、いつだったかな、ボカコレで結果を残されてた方です」

こもり校長「卯花ロクさんには、どうやって出会ったの?」

Alis「中学の時に。YouTubeに、ボカロをまとめてくれている人とかいるんですよ。それで流れてきて、“え、この曲、良い!”ってなって」

こもり校長「タイトルもすごいですね。『雁首、揃えてご機嫌よう』」

雪乃先生「トゲトゲしい」

こもり校長「その感じもいいってことでしょう?」

Alis「はい」

こもり校長「さっそくだけど、雪乃イト先生に聞きたいことは?」

Alis「私は、友達と一緒に、ボカロP活動というか、“やろう!”ってことになったんですよ。まだその音声合成ソフトが届いてないので、できないんですけど。歌詞を私が考える担当で、向こうが作曲してくれるって担当になっているんです」

こもり校長「友達と共作で作ろう、みたいな?」

Alis「はい」

こもり校長「その悩み?」

Alis「その中で、私は、フィーリングで曲を作るタイプの人間なんですよ。で、歌詞で“これいいな”って思うのをメモしておいて、あとでまとめるみたいな感じで作るんですけど、なんかうまく歌詞がハマらなかったりとか、あと、こっち作っているのに、“こっちの方が合うんじゃないか”って、2個目が完成しちゃうとか。
なので、どうやったら、1個綺麗に完成させたりできる語彙力とか、ワードセンスとか…」

雪乃先生「はいはいはい」

こもり校長「歌詞を作る時って、どうやって考えられるんですか?」

雪乃先生「歌詞って、実は、ワードセンス大事なんですけど、それ以前に、まず、ちゃんとしたロジックがありまして」

こもり校長「うわ、そうなの! それ、日は聞けるんですか!?」

雪乃先生「聞かせますよ〜。当たり前じゃないですか〜」

こもり校長「Alis、聞きたいよな、ロジックな!」

Alis「はい!」

雪乃先生「歌詞を作る時、まず、母音を確定させます。
これはなんでかって言うと、歌っていく中で張り上げるような高い音とかってあるじゃないですか。そういう時に、“い行”とか“う行”が来ると、キツくないですか」

こもり校長「母音が“い”とか“う”とか…」

雪乃先生「が、高い時に、結構しんどくないですか?」

こもり校長「あ、はい…しんどいです…(笑)」

雪乃先生「(笑)ですよね。そもそも人間が歌唱するのにそういうことがあったりするので、まずは、“まみむめも”で歌って、母音をある程度確定させてしまう。その上で、歌詞を作る。シナリオだったりプロットっていうんですけど。そこに合ったワードは何があるか…っていうのを、1サビと2サビで、母音が同じだったら、韻が踏んでいったりとか、そういう風に考えていきます」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「じゃあ、自分がこういう言葉を使いたいっていうよりは、“こういう流れでハマりのいい言葉を探しにいく”っていう方が近いですか?」

雪乃先生「まあ、そうですね。ハマりのいい言葉を」

こもり校長「それは、今のAlisと違った方法で、興味深いよね?」

雪乃先生「たどり着く方法は、それぞれで。それを知らなくてもできる人もいるし。知らないとできない人もいるし。でも行き詰ったら、とりあえず試してみるっていうのは手かなって思います」

こもり校長「Alis、母音が“い”とか“う”だと張りづらいなんて知ってた?」

Alis「知らなかったです」

こもり校長「そうだよね、俺も正直知らなかったもん。知らずに歌ってきたもん」

Alis「(笑)」

こもり校長「雪乃イト先生、歌詞のストックみたいのあるんですか?」

雪乃先生「まあ、あるにはありますよ」

こもり校長「お、その感じだとあんまり使わないですか?」

雪乃先生「そうですね。それはまあ、作り手次第だと思いますけどね」

こもり校長「Alis、今の話を聞いてみてどう?」

Alis「全然違うやり方だったので、参考になりました」

こもり校長「今も歌詞を作っている最中ってことだもんね?」

Alis「最中です」

こもり校長「さっき、Alisが言ったみたいに、“A案作ってるのにB案の方がいい”っていうことはあるんですか?」

雪乃先生「おおいにあると思います。結果的に、曲と歌詞のマッチングが一番いいものを選べばいいと思うんで」

こもり校長「自分が納得がいく、選択基準って何なんですか?」

雪乃先生「そもそも音のハマりであったり、ワードがプロットに沿っているか、整合性が取れているかっていうところだったりとか。そういったところで、減点方式で考えるって感じですね」

こもり校長「うっわー。もう、めちゃくちゃ構築しているんですね?」

雪乃先生「(笑)そうですね、僕は」

こもり校長「なるほどね。曲を全部完成させることって、大切ですか?」

雪乃先生「大事です。絶対に大事です。完成させないと、その後に前に進めないじゃないですか。なんていうか、ずっとずるずるやっていっても、曲に対する熱量って下がっていってしまうし。それはどんな人でもそうだと思うんですよ。だから1回完成させてみて、次の作品で反省を生かしていくっていう方がいいと思います」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「確かに、作らずじまいだったりすると、結局、何がダメだったのかっていうのも見えてこないですもんね」

雪乃先生「そうですね」

こもり校長「Alis、どうだった?」

Alis「いや〜、すごい勉強になりました」

こもり校長「友達とも、いろいろコミュニケーション取り合いながら、プロットみたいな、ストーリーだったりを話しながら、最高の1曲を作り上げて」

Alis「はい!」

こもり校長「頑張ってね!」

雪乃先生「頑張ってください!」

Alis「ありがとうございます!」


♪  雁首、揃えてご機嫌よう / 卯花ロク ft.初音ミク


こもり校長「さっき、Alisに教えてもらった曲だけど、これって、後ろの音ってあるじゃないですか、バンドの音。どこまで打ち込むんですか?」

雪乃先生「そうですね。バンドであれば、ドラムは、予算的に打ち込みなんですけど、ベースまでは打ち込んでいいと思います。ただ、ギターは、打ち込みで、現状戦えるなって音源は正直存在しないので」

こもり校長「え〜! じゃあ、どうしてるんですか?」

雪乃先生「もちろん、弾きます」

こもり校長「自分で? え? 雪乃先生も?」

雪乃先生「僕の曲は、基本、僕がギターとベースを弾いてます」

こもり校長「そこはまだ、さすがに生で弾くに勝る曲がないんですか?」

雪乃先生「ないですね。生がやっぱり一番音がいいです」

こもり校長「やっぱりそうなんですね。
じゃあ、結構、ボカロPによっては、バンドをやっていた人は、自分で弾いてる人が多かったりとか?」

雪乃先生「そうですね。結構多いと思いますね」

こもり校長「そうなんだ。打ち込みだと勝手に思ってたな〜。あと、曲を聴きながら、あと1つ、歌詞について伝えたいことがあると?」

雪乃先生「そうなんです。ちょっとさっき伝え忘れたんですけど、歌詞で大事なのが、情景描写をちゃんと入れていくってことなんですよ。これって共感を持たせる上で大事なんですけど。歌詞ってなんで注目されるかっていうと、そこに共感したいからじゃないですか。…っていう意味でも、情景がちゃんと浮かぶって大事で。例えば名曲『天体観測』。“午前二時 フミキリに 望遠鏡を担いでった”っていう、もうそのシーンが思い浮かぶじゃないですか」

こもり校長「入口からね!」

雪乃先生「そう。ちゃんと入口から情景をしめしてあげるっていうのが、結構大事です。共感を持たせる歌詞っていうのは」

こもり校長「そっか。知らず知らずのうちに、そういうロジックがちゃんとあるんだな」


僕は雪乃イト先生に質問があります。それは、ボカロの曲って、中毒性が高いことです。なぜあんなにボカロの曲って、中毒性が高いのでしょうか?
このままだと、ボカロ沼にハマってしまいそうです。なぜなのか教えて欲しいです。
椎茸の裏側
14歳/和歌山県


雪乃先生「そうですね。それって、ボカロじゃないと持たないエッセンスって、なんなのかって話になっていくんですけど。いわゆるネット発祥のアングラな音楽っていうところで、使える言葉、表現だったりとかが、いわゆる“マジョリティな音楽”と違って、よりスパイシーなところに持っていけるんですよね」

こもり校長「あ〜、なるほどなるほど!」

雪乃先生「そういうのができるのって、アングラな文化だからこそのオリジナリティだっていう。だからボカロにしかない、その要素を求めて、ボカロを聴くって人が多いんじゃないかなと思います」

こもり校長「自分たちが触れる音楽で、“ダークな部分”というか“陰な部分”を、エンターテイメントに消化しているみたいなところが、ボカロって、結構あると思うんですよ」

雪乃先生「そうですね。さっきの卯花ロクさんの曲でも、敬語で罵倒する歌詞があったりするじゃないですか。そういったものって、メジャーシーンの音楽には、なかなかないんですよ」

こもり校長「確かに。あと自分で探しあてていくからこそっていう、中毒性もあるし」

雪乃先生「そうですね。そういうトゲトゲしいものを求めて聴くっていう場合もあると思います」

SCHOOL OF LOCK!


はなよりほ_ 東京都 15歳

こもり校長「はなよりほ_は、ボカロ好き?」

はなよりほ_「大好きです!」

こもり校長「何がきっかけ?」

はなよりほ_「1年か、2年前ぐらいから音ゲーを始めて、そこから好きになりました」

こもり校長「まさか、みんな大好き、プロセカ?」

はなよりほ_「あ、そうです」

雪乃先生「お〜。『プロジェクトセカイ』」

こもり校長「あ〜やっぱりプロセカなんだな、みんな。そこで、なんで出会ったの?」

はなよりほ_「クラスで友人が楽しいってやってて。私もやってみようかなって、そのゲームを始めたら、ボカロにハマったっていう感じです」

こもり校長「まんまと沼っちゃったのね?」

はなよりほ_「(笑)そうです」

こもり校長「一番好きな曲は?」

はなよりほ_「今、一番好きな曲は、いよわさんの『1000年生きてる』って曲です」

こもり校長「いよわさんは知ってるな。有名ですよね?」

雪乃先生「それこそボカコレ1位ですよね」

こもり校長「そうか(笑)それで聞いたことあるのか。それで、はなよりほ_が、雪乃イト先生に聞いてみたいことは?」

はなよりほ_「ちょうど1年前ぐらいに、ボカロ曲を作りたいなって思って、ボカロ、買ったんですよ」

こもり校長「すげ〜!」

雪乃先生「ほう!」

はなよりほ_「なんですけど、こういう曲を作りたいってイメージばっかり湧いてしまって、作っていく途中に、息詰まることが多かったので、イメージとかをどうやって、音とか歌詞とか、メロディに落としこんでいるのか、聞きたいです」

雪乃先生「はいはい、なるほど」

こもり校長「はなよりほ_は、曲は完成させたことはあるの?」

はなよりほ_「いっつも途中までで、中途半端な曲ばっかり残っています」

こもり校長「なるほどね。その1歩の、具現化するまでのプロセスがわからなくて、行き詰っている?」

はなよりほ_「そうです」

こもり校長「こういうのってどうしてますか?」

雪乃先生「具現化っていうと、さっきインプットの話したと思うんですけど、今度はアウトプットの話になってくるんですよ。
さっきとつながった話になるんですけど。まず、いろんな曲を聴いて、インプットするのは大事だと。次に、はなよりほ_さんが行き詰っているのは、やりたいことがごっちゃになってしまって、作品にするには支離滅裂だよっていう。
そういう時は、インプットしたものを、ちゃんと分析するのが大事です。じゃないと、消化してアウトプットできないんで。
たとえば、さっき話した(小室進行)6・4・5・1は、キャッチーな歌詞が乗せやすいよね、とか、進行にもいろんな種類があって、いろんな情緒があります。
例えば、最近の疾走感のある曲なら4・5・3・6とかが使われるよね、とか。あとは、感動させる曲なら、いわゆる“カノン進行”っていう、1・5・6・3・4・1・4・5が使われるよね、と。
“じゃあ、その進行の情緒ってどんなカテゴライズ?”“その進行に乗ったメロで、こういうテンションのノートを使ったらどういう情緒になる?”っていうのをカテゴライズした上で、取捨選択していくのが大事ですね」

こもり校長「なるほど。自分がインプットしたのが、一体何者なのかっていうのを噛み砕くところから始めた方がいいってことですか?」

雪乃先生「そう。そこに理論が関わってきます」

SCHOOL OF LOCK!


こもり校長「どう? 今、結構プロの話を聞けたと思うけど」

はなよりほ_「私は、YouTubeでそういうコードを調べたりしてたんですけど、それの情緒とかは全然詳しくなかったので、すごく参考になるなって思いました」

雪乃先生「よかったです」

こもり校長「さっき雪乃イト先生が言ってた、中途半端でも曲を完成させてみるっていう」

雪乃先生「それも大事ですね」

こもり校長「その自分の曲を分析するのも大事ってことですか?」

雪乃先生「そうですね。なので、曲を出して、それが評価されなかった、評価された。“なんで評価されなかったの?”“なんで評価されたの?”“この曲を聴いてる人は、他のどんな曲を聴いているんだろう?”“どういう傾向のものを好んでいるんだろう?”っていうのを分析した上で、再現性を持って、創作に臨んでいくっていうのが大事だと思います」

こもり校長「はなよりほ_の、行動力は素晴らしいと思うんですよ。まずボカロ買ってみる、みたいな」

雪乃先生「うんうん」

こもり校長「まずどんなのでもいいから、創ってみる!」

雪乃先生「どんどんステップ乗り越えていければ。っていうか、行動力あるんで、乗り越えていくバイタリティはあると思うんで」

こもり校長「どんどんチャレンジして、自分の理想の曲、作り上げてみて!」

はなよりほ_「はい、頑張ります!」

こもり校長「応援しているよ!」

はなよりほ_「ありがとうございます!」


♪  1000年生きてる / いよわ


こもり校長「いや〜、知らず知らず、創っている人の意図の中で、我々は楽しませてもらっているんだなっていうのを感じました。Twitterでも、“雪乃イト先生、めっちゃ理論的に順序だてて教えてくれるから、すっごいわかりやすい”って」

雪乃先生「ありがとうございます!」

こもり校長「知らないワードが出てくるのも楽しいね。ボカロ、もっとアップデートされていくだろうし」



今日の黒板


SCHOOL OF LOCK!


『言い訳しない勇気』

雪乃先生「完成させて、ちゃんと作品を出していくっていうところが大事だっていう話は今回の放送において拡散してきたと思うんですけど、出さないことの言い訳って、結構いつでもできちゃうんですよ。例えば学生さんだったら、ちょっと勉強が忙しいとか受験がありますとか、部活ありますとか。

あとは学生じゃなくなったら、今度は社会人になったら仕事忙しくてとか残業で、、とかあると思うんですけどそうやって言っちゃったら大正義じゃないですか。

受験は絶対大事だし仕事も大事だし。けど、そんな言い訳しようと思ったら正しい言い訳なんていくらでも出てきちゃうんですよ。だからとりあえず、まずその言い訳をしない勇気を持って1歩踏み出して、作品を公開して。っていうとこから自分の新しい世界って広がってくかもしれないよ!っていう思いです」


♪  最果ての譜 / 雪乃イト


こもり校長「SCHOOL OF LOCK! そろそろ下校の時間です。
話を聞いていたら、あっという間でしたけども」

雪乃先生「あっという間でしたね」

こもり校長「この、『最果ての譜』も、ボカロで曲作る初期?」

雪乃先生「はい。『空回りライブラリ』と同時進行で」

こもり校長「初めて自分の出すって、緊張しました?」

雪乃先生「もちろん緊張しますよ、当然」

こもり校長「でも、創りたいっていう欲のほうが大きかった?」

雪乃先生「そうですね。これで、自分の世界がまた1つ、変わればいいかなって思って」

こもり校長「このまま、言い訳しない。世の中に出すって評価されることなんで、やっぱり怖さも出ちゃうと思うんですよ」

雪乃先生「もちろん」

こもり校長「もしかしたら、ダメって言われちゃう可能性だってあるから。でもそこにアタックしていく勇気っていうのは、さっきの黒板を聞いて、改めて思いました」

雪乃先生「ありがとうございます」

こもり校長「雪乃イト先生、ジングルの話もありますから。今後もまだまだSCHOOL OF LOCK!と、どんどん」

雪乃先生「深く深く(笑)」

こもり校長「ジングル、何パターンもできたら。いろんなところで聴けたらいいなって思いますけど。今日、どうでした? 2時間」

雪乃先生「いや〜、なんか僕もすごく……うまいですね、話の振り方。こもりさん」

こもり校長「違うんですよ〜。全部、詳しく教えてくれるから」

雪乃先生「すごく話やすくって、助かります」

こもり校長「本当にいろいろ教えてくれてありがとうございます」

雪乃先生「こちらこそです。ありがとうございます」

こもり校長「またぜひ」

雪乃先生「よろしくお願いします」

こもり校長「SCHOOL OF LOCK!は、明日夜10時にふたたび開校! 起立! 礼!」

こもり校長・雪乃先生「また明日〜〜〜〜〜!!!!」

SOL!




こもり校長の放送後記

音楽って深い

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聴取期限 2023年1月24日(火)PM 10:00 まで

Music 2023.01.17PLAYLIST

    22:02
  • 22:25
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  • 22:48
  • 22:58
  • 23:02
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ボカロP・雪乃イト 楽曲が評価され「弾いてみたの人」から「曲を作る人」に

ラジオの中の学校、TOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」(月曜〜木曜 22:00〜23:55/金曜 22:00〜22:55)。1月17日(火)の放送は、ボカロPの雪乃イトさんがゲスト出演。パーソナリティのこもり校長(小森隼/GENERATIONS from EXILE TRIBE)が、楽曲制作をはじめたきっかけや、ボカロ曲の制作方法について聞きました。その前編。

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