聴取期限 2020年2月14日(金)PM 11:00 まで
『2月に入るということで、プロ野球はキャンプインですね。ドラゴンズは石川選手など豊作のドラフトとなりましたが、ここからシーズンインに向けて先生が注目している選手はどなたですか?』
山口「石川選手っていうと、投手の石川選手のことも含まれるから、ちゃんとフルネームで言ってあげないとね(2019年ドラフト会議1位指名の石川昂弥選手のこと)。先生が注目しているのは、郡司(裕也)選手ですね!ドラフト4位で入った、大学三冠王。キャッチャーですよ。キャッチャーで三冠王って言ったらすごいんですから。大学三冠王ってなかなか獲れないんだけど、その前に獲ったのは、巨人の監督もやった高橋由伸選手ですよ。それくらいの選手が中日にバシンと、キャッチャーで入ってきたっていうのが。キャッチャーは、リード……守備の要。それ以外に打つっていうのも入ってきたってことは……初回盤ですから。CDで言ったら初回盤!(笑) 通常盤じゃないから、三冠王って付いてきている初回限定版ですからね。これは期待ですよ。もちろん、そういう選手が入ってくるっていうことで、今までいた選手も、やべえな、うかうかしてらんねーなってなるわけだから。刺激し合いでチクチクチクチク争っていただくことで、中日が盛り上がっていくということで。」
「……これ、誰が楽しいんだ?この話聞いて(笑)。中日ファンじゃない人が聞いてもわけ分かんないだろ(笑)。」
「では、黒板を書きます。」
今回は、生徒から届いた質問に山口先生が一問一答で答えていく『一問一郎』をお送りします。この授業は、一郎先生の目の前に、生徒から届いた質問が裏返しになって置いてあります。一郎先生はカードをめくるまで、どんな質問が出てくるのか分かりません。一切タブーなしでどんどん答えていきます。
「……どれいこうかな……これいこう!」
『一郎先生にとって魅力的な人とは?』
「あー……もう、とにかく "変態" な人です!変態って言っても、いやらしい意味での変態ではなくて、ひとつのことに本気を通り越して狂気で向き合っているっていう人に魅力を感じるね。それは、男性も女性も関係なく。そんなとこまで行っちゃった!?……みたいな。そこまでやる?みたいなところに、グッとくるよね。子どもとかもそうじゃない。ひとつのことに執着してやり続けているじゃない。大人になるとどこかそれが散漫になっていったりするんだと思う。だから、もっと分かりやすく言うと、少年少女の心を持ったまま大人になっちゃった人って感じかな。そういう人に魅力を感じます。」
「はい、次。」
『サブスク派?CD派?どっち派ですか?』
「あー、サブスク派ですね、完全に。入り口サブスク派。いいなー、ちゃんと聴きたいなーって思ったらCD派……っていうかアナログ派になっちゃってるかな。パッと調べてすぐ聴くのはサブスクだけど、みんなそうなんじゃないの、今。ただ、CDを買おう、CD派ですっていう人は素敵だなって思う。自分たちのCDを買ってくれるのはすごく嬉しいし、自分たちはCDっていうものの価値をちゃんと担保しよう、音を物質化しようっていう気持ちが他のミュージシャンよりも強いと思う。」
『サカナクションの最初の1枚、買うならどのアルバムがおすすめ?』
「たはーーっ!!……これはねー……いろんな見解がある。……つーーー!……誰におすすめするかにもよるよね……メンズ?ウィメンズ?これは結構難しいところなんだけど……ズルを言うなら『魚図鑑』(ベストアルバム)だよね。ずる賢いことを言うならね。でも、なんちゃんが聞きたいのはそういうことじゃないんだよね?「ベストアルバムじゃねーよ!」って言われる気がする(笑)。っつーことはだよ……そうだな……これはね、年齢だったり、趣向だったり性別だったりによっていろいろ変わるんだが……」
「私的には…………」
「………くーーー!!!(笑)」
「わはは(笑)。ありきたりなことを言うと、ファーストアルバムから聴いてほしいなっていうところはあるよね。『GO TO THE FUTURE』からいきーの、ちょっと良いかなって思ってくれたら『NIGHT FISHING』いきーの、『シンシロ』いきーの、『kikUUiki』いきーの……っていう、通説を言うとそうなんだけど。サカナクションの『sakanaction』を聴いて良いなって思ったら、大抵のアルバムは良いって思ってくれると思う。『sakanaction』を聴いてから『シンシロ』を聴くと、ひょっとしたらピンとこないかもしれないけど。先生的には『シンシロ』良いって言っている生徒は『DocumentaLy』以降のアルバムは良いって思うんじゃないかと思う。『kikUUiki』はあんまり良いって思わないかもしれないけど……先生的には『kikUUiki』は、本当に葛藤の末に生まれた名作なんだけど。……だから、何とも言えないんです(笑)。もうちょっと情報をくれ。」
「(職員から情報が入って) あ!もうちょっと詳細があるらしいよ。"16歳の男の子で、お年玉で買うなら、サカナクションのアルバムの最初の1枚はどれがいいか"って……ったはーーーーーーーーーーーーー!!!!」
「……っていうのであれば……ったはーーー……サカナクションの『sakanaction』かな。それいっとけ!それいったらとりあえず他のやつをつまみつまみ聴いても良い感じになるんじゃないかと思う。でも、これは生徒の意見も聴きたいなー。正直ね。これは難しいところだからねー……良い質問ありがとう!」
『YouTuberが音楽業界に出てきていることをどう思いますか?』
「あのね……ひと昔前は、不愉快だって一言で言い放ってたけど、YouTubeはもう、テレビと同じツールです。むしろテレビより強いと思う。そこで生まれてくる音楽っていうものが、ひとつのジャンルになっているんだなっていうのを、前の授業の時に『2020年ブレイクしそうなミュージシャン』のサウンドを聴いて思った。だから僕は、アリ。YouTuberが音楽業界に出てきていることはアリだとおもう。でも、正直まだ成熟していないと思う。これがどう成熟していくかっていうのが非常に楽しみだし、そこを音楽メディアが考察するのを聞いてみたいと思うね。まず、YouTubeで音楽をやっている人は、YouTubeが本業で音楽が副業なのか、YouTuberミュージシャンなのかっていうところでも全然意味合いが変わってくるからね。だから、ちょっと前までは不愉快だったけど、今は全肯定です。僕の考えが浅はかだったね。」
『一郎先生がいつか音楽を作らなくなる日はくると思いますか?』
「……(少し考えて)……みんなが思う音楽は作らなくなる時が来ると思う。みんなにとっての音楽っていうものを僕は作らなくなるかもしれないけど、僕の中での音楽は作り続けるんじゃないかな……そう思います(笑)。ちょっとかっこいい言い方をするとね。」
「みんなが求める音楽、どどんこが言う音楽っていうのは、サカナクションとしての「夜の踊り子」だったり「忘れられないの」だと思うけど、先生にとっての音楽はそれだけじゃないから。CDを作ること、ライブをすること以外にも音楽ってあるじゃない。そこでもっと音楽っていうものを広げていきたいって思っているわけだから。違うものを作り始めるかもしれないし、歌がない音楽を作り始めるかもしれない。」
「もう……竹をね、目の前に縦においてね……鉈を竹の先にコンと当ててね、それを、鉈に竹がついた状態で一回振り上げてね、叩きつけてスカンって割れる音を録音して、東京ドームでその音だけをリバーブかけ続けて、広げ続けているのに対して泣く人が現れる公演とかね……やりたいよね!(笑) それも音楽じゃない。だから、分からない。作らなくなる日は来ない……ある意味では(笑)。別に何の含みもないんだけどね(笑)。」
茨城県 Mからの質問
『恋愛で後悔したことありますか?』
「むしろ、恋愛で後悔したことないやつ出てこい!絶対後悔するから。でも、後悔したほうが良い恋愛なんだよね、多分。……わはは!(笑) おめーが言うな!(笑) おめーに言われたくねーわってね。でも、後悔した恋愛のほうが覚えていたりするし、僕はそれを全部、音楽にしようと思うわけだから。そういう後悔をしている方が自分の身になっているかなって思うけどね。むしろ、後悔しないで結婚しておじいちゃんになりました……みたいな人、いるの?時代によるのかな。」
山口「でもさ、これは分かんないけど……結婚している人って『こいつと結婚しなきゃよかったな』って一瞬でも思わないの?」
職員「思いますよ。」
山口「思いますよね?だから、それも一時的な後悔ではあるわけじゃないですか。でも、愛しているからこそ、そう思ったり、一緒にいるからこそ分かるわけじゃないですか。」
職員「一緒にいるからこそ見えた景色で後悔するっていうことはあります。」
山口「うん。だから、後悔しない恋愛は恋愛じゃないよね。疑似恋愛だよ。だから、後悔するべきだし、後悔だらけだよ。……ふふふ(笑)」
『ミュージシャンは自分の作った音楽が違法にアップロードされていることをどう思っているんですか?腸煮えくり返っているんでしょうか?』
「これは難しい問題ですね。あのね……正直、違法アップロードされているものを、不愉快だな、嫌だなとは思う。けど、それを聴いている人たちに対しての不愉快さはない。なんでかっていうと、時代の進化は音楽でビジネスをしようっていうことに対して逆行しているんですよ。音楽を物質化するところから離れていっているし、簡単に手に入れられるようにしようとしてる。でも、サブスクリプションが出てきて、音楽を聴くっていう時に、これは "水道"と一緒なのね。みんな水飲むよね、蛇口をひねれば水が出てくるじゃない。でも、水道代を払っているから蛇口から出ている水を使うわけじゃない。例えば、水道代を払わないで水を飲んでいたら、それは違法っていうか良くないことじゃない。でも、誰かがタダで出る水の蛇口を作ったとして、喉カラカラで水飲みてーって思っている人が、水道代を払えなくて水を飲みに行くってなったら、無料のところに行っちゃうじゃん。だから、違法の水飲み場を作った人に対しては、ちょっちょっちょ、ちょい待てよって思うけど、それを飲むしかないカラカラに喉が渇いている人に対してはしょうがないかなって思うよね。申し訳ないって気持ちで飲んでいたらそれでいいし、こんなの当たり前じゃんって飲まれるんだったらちょっと悲しいなとは思うけど。でも、時代的にはそういう風になっちゃってるから。時代に合わせて変わっていくんだっていう過渡期だから、こういう議論は必要だと思う。」
『ぐっとくる女性の服装は?』
「……くぁーーー!……あのね……なんか僕ね……チャイナドレス好きかも。なんでかっていうと、チャイナドレスってタイトじゃない。タイトで、半袖じゃない。半袖で首も隠れているじゃない。でも、長いじゃない。で、脚が見えるじゃない。だから、見えるのか見えないのか分かんない!みたいな。これ、見えてんの、見えてないの、何なんだろう……何なんだろうっていうのが、なんか良い違和感っていうか。だから、セーラー服のミニスカートとか、見えそうで見えないみたいなものに対してはピンとこないし、女性ですっていうことを武器にしすぎている人も苦手なの。だから、そんな胸はだけなくていいじゃない、みたいな。あと、ラーメン食べる時に、右手で左耳の髪をこう……やって(かきあげて)食べる人とか、そんな肩の運動しなくていいじゃない、とか(笑)。そういう、女性が女性を武器にしようとしすぎているものに対しては抵抗があるけど、チャイナ服って、どっちなの!?って思っちゃうわけよ、おじさんとしては。首はしっかりしてるじゃない……どちらかというと学ランのフックを止めているくらいの感じでさ、半袖でしょ。丈も長いじゃない。けど、動きのために開いているスリットなのか、見せるためのスリットなのか判断しかねる見せ方がありながらタイトであり、柄も赤とか青とか派手でしょう?それでなんかテカリがあるじゃない。……あれは、何なんだろう?(笑) ん?ってなるんだよね。しかも、髪型も重要じゃない。アップにするじゃない?だから、どうしたんだろうって。どうしたんだろう感がすごい。なんでなんでなんで?(笑) それがぐっとくるのかな?うん……ぐっときます。」
「なんかこういう話をするとね、『幻滅しました』とか、リアルなコメントがくるんだよね、俺んとこに。あれちょっと……やめてくれ(笑)。」
今回の授業も終了の時間になりました。
「こうやって一問一答をしていくと、瞬発力が大事になってくるから、率直に露骨なこと言っちゃうよね(笑)。かといってだぞ、お前ら。間違えてもチャイナ服でライブに来たりするなよ。それに対しては先生マジで冷たい目で見るからな。でも、メンズのチャイナ服ってあるじゃない。ブルース・リーが着ているやつ。あれは、コムデギャルソンとかもやっているからね。先生も持ってるし。だから、ファッションとしてのチャイナ服っていう話をしているからね。変な性癖みたいな感じで言われると、先生、困っちゃう。……こまっちんぐ先生です。こまっちんぐマチコ先生です。……ちょっとややこしくなっちゃったな。今回の授業はここまで!」
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「どんなことでもどんとこいだから。定期的に『一問一郎』やっていくから、質問考えとけよ!」
聴取期限 2020年2月14日(金)PM 11:00 まで