今夜の授業は…
『SEKAI NO HAJIMARI』!!!!!!!
わが校の“世界始の講師”セカオワ先生が担当するこのクラスでは、生徒のみんなの“世界”が始まった瞬間を教えてもらっています。
今夜、教えてもらう世界はこの生徒!
私の新しい世界が始まった瞬間は、耳の不自由な弟が生まれてきたことです。
弟とは、手話を使って会話しています。
弟が生まれて1年後、当時2歳だった私は母から「お耳が聞こえないんだよ」と言われ、両親の手話を見て一生懸命覚えました。
3歳には弟とちゃんと会話できるまで上達しました。
当時から私にとって手話は、弟と聴覚障がいをもっている人と話せる“特別な言葉”です。
口で話す言葉と違って表現が面白かったり可愛かったり、会話するのが楽しいです。
ちなみに喧嘩するときはお互い動きが超ハイスピードです(笑)
そんな手話と弟をこれからも大切にしていきたいです!
女/17/大分県
DJ LOVE「素敵なメッセージだね」
Saori「素敵だね」
Nakajin「電話がつながってるそうなので...もしもし!」
りず「もしもし!」
Nakajin「メッセージを読ませてもらったけど、すごいですよね」
Fukase「喧嘩するとき超ハイスピードってすごいね」
りず「めちゃくちゃ速いです(笑)」
Nakajin「でも口喧嘩と違って同時にできるのかな?口だとお互いの言葉を耳で聴いてからじゃないと、なんていうの?同時に喋ってたらお互い聴き取れないっていうかさ。でも手話の場合は同時にメッセージを送り合っても理解できるものなの?」
Saori「自分が手話をしながら弟がやってる手話を見れるのか、ってことだよね」
りず「はい、見れます」
DJ LOVE「へぇ〜、すげぇ」
Saori「じゃあひたすらぶつけ合えるってこと?」
りず「はい」
Nakajin「全然知らない世界だわ、これは」
Saori「すごいね。じゃあさ、小さい時にどうやって手話を覚えたの?」
りず「お父さんとお母さんが弟に手話で『これはリンゴだよ』って教え始めてた時に、自分は耳で聴いてこの手話はリンゴなんだなって分かるのでそこから徐々に覚え始めました」
Saori「なるほどね」
Nakajin「りずちゃんは言葉も口にできるし手話もできるじゃない?そんなりずちゃんにとって手話の良いところってどんなところがある?」
りず「えっと...感情が上手く伝わるっていうか、口だけでサラッと言うより伝えたい気持ちも強いので、手で表現して伝えるときは感情がさらに入ります」
Fukase「へぇ〜、そうなんだね」
Saori「悲しいとかって涙が目尻をつたうような表現じゃなかったっけ?」
りず「あ、そうですそうです!」
Nakajin「目尻を指でなぞるようなやつだよね」
りず「はい」
Fukase「そっか、体を動かすんだよね。ボディーランゲージだね」
Nakajin「じゃあ逆に手話だと...なんていうのかな、もどかしく思う時とかはあるのかな?」
りず「もどかしいっていうか...お店とか人がいっぱいいる所で弟と話す時、家族も手話を使うんですけど、周りから『なんでこんな喋り方してるんだろう』っていう目で見られたりして一時期、あ〜手話やだなとか思ったこともあったんですけど、でも逆になんか...私の家族しかできない特別な会話だから、気にしないで『みんなに見せつけてやろう!』って感じでやってます」
Saori「いや、めちゃくちゃカッコイイよ!」
Nakajin「いいと思うよね」
Saori「一番好きな手話ってあるの?」
Nakajin「あ、それは教えて欲しいな」
りず「え〜やっぱり『ありがとう』って手話が一番好きです」
Saori「どんな動きをするの?」
りず「えっと、左手のひらに右ででチョップするっていうか...」
Nakajin「あぁ、左手のひらをまな板にして右手で優しくチョンって感じにやるやつだ」
Fukase「見たことあるよね。海外のテレビで見たのかな...海外の手話も日本と一緒なの?」
りず「違うって弟が言ってました。これはアメリカの手話だよって言ってたり」
Nakajin「それぞれあるんだね」
DJ LOVE「ちなみに弟くんは俺たちのことは知ってるの?」
りず「はい。私が最初に好きになってからみんなに伝染していって。The Dinnerの福岡公演にお母さんと行ったんですけど、ライブが始まる直前に弟から『僕も行きたかったけど、声も音も聴こえないから行ってもしょうがないよね』みたいなLINEがきて心が痛くて...でもなんか、ライブを見てたらセットとか演出とか雰囲気とか、今回は匂いもあって、あとスクリーンに字幕がついてた曲もあって、なんか...聴こえなくても全身で感じられるライブだったので、今度、ドームツアーは行けないけど次にライブがある時は連れて行ってあげたいなって思いました」
Nakajin「うん、ぜひ!なんかね、耳が不自由でも楽しめる部分が僕らのライブにはきっとあるはずだと自分達でも思ってるけど、弟くんはあまりライブとか見に行ったことはないのかな?」
りず「ないです」
Nakajin「大きな音ってね、体で体感する部分があるんですよ。それはりずちゃんもライブを見てて分かるよね?」
りず「はい」
Nakajin「だから耳で聴こえなかったとしても、音って空気の振動だからその振動が体に伝わって全身で感じる事ができると思うんだよね。だからそういった意味でもライブに1回来てもらえたら、それは弟くんにとっても新しい体験になると思うんだよね」
Saori「弟くんの感想も聞いてみたいよね」
Nakajin「ね。楽しんでもらえるように僕らも頑張りたいと思うから、ぜひぜひ次はどこかのライブ会場で会えたらいいね」
りず「はい!」
Nakajin「じゃあこれからも手話を使って仲良くして下さい。本当に素敵な言語だね」
りず「ありがとうございます」
Fukase「色々教えてくれてありがとう。弟くんにもよろしくね」
りず「はい!ありがとうございました!」
M MAGIC / SEKAI NO OWARI
Fukase「手話かぁ...」
Saori「いいよね、友達にそういう人がいたらすごい自慢じゃない?『弟と手話で喋ってるんだ、耳が聞こえないから』って言われてそれを見てたらすごい!ってなるよね」
Nakajin「そうだよね」
Fukase「学校で教えてるところもあるのかな?」
DJ LOVE「あぁ、どうなんだろう」
Fukase「なんか手話ってもう少しさ、教えてもいいんじゃないかなって思う。ちょっとでも知ってればできることってたくさんあると思うし」
Nakajin「挨拶だけでも知ってたら違うこともあるよね」
Fukase「なんか学校とかでもさ...これいらなくね?みたいな授業あるじゃん。この漢字は大人になっても絶対使わないだろ、みたいなのとかさ」
Saori「でもそれを使う分野に行く人もいるからね」
Nakajin「うーん、でも小学校でも英語を教え始めたりとか、時代によってどんどん変わっていく部分もあるから、これからまた変わっていくこともあるかもしれないよ」
Saori「ね、今日話を聞いて、手話っていう新しい世界が開けた気がするよね」
今日の授業を聴いていて、りずちゃんの弟くんはこのSCHOOL OF LOCK! のことを知ってくれてるのかな?と思いました。
ラジオは目には見えない、耳でしか聴くことのできないメディアなので、耳が聴こえない人にとっては遠いものかもしれないけど、このラジオの中の学校は目で楽しめる部分も沢山あると(職員は)思ってます。
この放送後記も毎回の授業の内容が文字で分かるようになっているし、いろんな【 掲示板 】では全国の生徒達が文字を使って声を届けてくれているし。
リアルタイムで楽しむことはなかなかできないかもしれないけど、今日の授業が、りずちゃんの弟くんにとって新しい世界を開くきっかけになってくれたらいいなと思います。
そして次のセカオワ先生のライブにぜひりずちゃんと一緒に行って、さらなる世界の広がりを体験して欲しい!!
ホントにセカオワ先生のライブは全身で楽しめるから絶対に絶対に来て欲しいです。
それでは、今夜の授業はここまで!
また来週!!!!!