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音を学ぶ "音学" の授業、サカナLOCKS!。 先週に続いて、サカナクションのギター、岩寺基晴先生を迎えて『春のエフェクター講座』を行います。今回も、岩寺先生が音学室に持ち込んでくれたギターとエフェクターで、実際に音を聴き比べながら、いろいろなエフェクターを紹介していきます!
山口「先週に引き続き、サカナクションから、今週もこの人に来てもらいました。」
岩寺「はい、えー、サカナクション、ギター、そして副担任の岩寺基晴です。」
山口「"はい、えー、サカナクション、ギター、そして副担任の岩寺基晴です。" (大げさにモノマネ)……って、カタいわぁ〜。」
岩寺「はは (笑) 2週連続きたね〜 (笑)。」
山口「カタい!」
岩寺「ははは (笑)」
山口「ということで、モッチ先生を迎えて、春のエフェクター講座をお届けしたいと思います。」
(おさらい)
"エフェクター"とは、音を加工して、聞こえる音質を変えてしまう機械の事!
先週の授業では、
・オーバードライブ(歪み系)
・リバーブ
・ディレイ
この3つのエフェクターを中心に紹介しました。
先週の授業のようすは [ コチラ ]
山口「それでは今週も、実際にギターを弾いて、エフェクターの聴き比べをして行きたいと思います。」
岩寺「いろいろ、弾いていきたいと思います。」
山口「よろしくお願いします。」
(3) モジュレーション系 (フェイザー、コーラス)
山口「特殊なエフェクターを……、まあ、そこまで特殊じゃないんですけど、紹介していきたいと思います。フェイザーっていうエフェクターを紹介してもらいたいんですけど、これはどんなエフェクターですか?」
岩寺「これは、"モジュレーション系" という分類に入るエフェクターですね。音を揺らすもの。音にうねりをつけたりとか。そういう種類のものをモジュレーション系と言います。」
山口「なんか、アンプを振り回したらフェイザーになるとか。」
岩寺「あ、そうそう。それを再現しようとしたのがフェイザーっていうやつなんですけど、もともと昔は、グワングワン回るスピーカーが、オルガンとかを弾く人のためにあったりして……」
山口「"ロータリースピーカー" ね。」
岩寺「そうそう。それを再現するためにフェイザーっていうのが作られたんですが、再現できなくて、ただ、再現できなかったものの、それはそれで面白いっていってできたのがフェイザー。」
山口「出来損ないだけど、まあ、いっか!ってなったやつなんだ(笑)。」
岩寺「最初の起源はね(笑)」
山口「じゃあ、その音を聴いてみましょう!」
<♪ギターを鳴らす>
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山口「なるほど。イメージ的には、音が遠くにいったり、近くにいったりするというか……」
岩寺「そうですね。回っているようなイメージに聴こえる音ですね。」
山口「フェイザーってサカナクションの曲でも使いますよね。」
岩寺「いろいろ使いますね。「三日月サンセット」のサビの部分だったり、「ワード」のサビの部分だったりとか……。」
山口「じゃあ、「ワード」弾いてみてもらえますか?」
岩寺「「ワード」は結構地味ですが……再現するためにディレイもかけてみますね。」
<♪「ワード」のサビ>
山口「ちょっと……地味すぎはしないですか(笑)。」
岩寺「地味だね(笑)。」
山口「でも、今は"フェイザー"に対して、"ディレイ"をかけたんですよね。」
岩寺「そうですね。」
山口「(エフェクターを) 2つがけするとこういう音になるんですね。」
岩寺「「三日月サンセット」とかも、こんな風にフェイザーとディレイを合わせてやったりしてますね。」
山口「じゃあ、次。コーラスっていうエフェクターがあると思うんですけど、これはどういったエフェクターですか?」
岩寺「これも、モジュレーション系エフェクターになるんですけど、2つの音を混ぜてるんですよ。」
山口「だから "コーラス" なんですか?」
岩寺「そうですね。1本の音でも、2人が一緒に歌っているように聞こえる効果から "コーラス" って呼ばれているエフェクターで、1個の音は、まっすぐな音。もう1個重ねる方の音が、ちょっと揺れているんですよ。音程が上下している……ビブラートですね。それを重ねる事で、音に広がりや奥行きを持たせるのが、コーラス。」
山口「結構昔のミュージシャンとか、コーラスを多用してましたよね。」
岩寺「そうですね。80年代〜90年代頭とかね。」
山口「BOØWYさんとかね。布袋寅泰さんとか……」
岩寺 (ガチャ……とギターを持ち直して)
山口「……あ、今、何か弾いてくれるのかと思った(笑)。」
岩寺「いやいやいや(笑)」
山口「(笑) ……BOØWYの布袋さんとかは、結構コーラスを使っている印象があるよね。」
岩寺「そうだね。」
山口「じゃあ、実際にその音を聴いてもらいましょう!」
<♪ギターを鳴らす>
岩寺「こんな感じですね。ちょっと、80〜90年代が見えるような印象の音ですね。」
山口「うん。コーラスも結構サカナクションの曲の中で使っている印象がありますけど……。」
岩寺「そうですね、ちょいちょい使ってますね。」
山口「この、ピッチをちょっと落とした音を混ぜるっていうのは、ギターだけじゃなくて、シンセとかキーボードでもよくやりますよね。古さを出すために。」
岩寺「そうそう。いろんな音で使われている音ですね。」
山口「勉強になりました。」
山口「さて、ここまで勉強してきた音は、オーバードライブ、リバーブ、ディレイ、フェイザー、コーラスと、ギターをやっている人だったら、結構誰でも知ってるかなっていうものですね。」
岩寺「そうですね。みんながエフェクターを買い揃える順番くらいの感じで紹介していったんじゃないですかね。」
山口「ちなみにさ、生まれて初めて買ったエフェクターって何?」
岩寺「俺は、オーバードライブだね。」
山口「あぁ〜、俺もそうだね。オーバードライブだ。……BOSSの。」
岩寺「おぉ〜!俺も、BOSSの。黄色いやつね(笑)。」
<BOSSオーバードライブのイメージ図>
(山口先生たちが話しているオーバードライブは、この機種よりも古いOD-1かもしれませんが、イメージはこんな感じです)
山口「そうそう (笑)。結構、最初にオーバードライブ買う人多いですよね。」
岩寺「うん。最初にエレキギターとアンプとオーバードライブを買って、ロックに目覚めるっていうのが初期衝動ですね。」
山口「最初に買ったエフェクターがフェイザーってやつがいたら、結構ヤバいよね(笑)。」
岩寺「ちょっと、恐ろしいね (笑)。"お前、何がしたいんだよ" って。」
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山口「で、今日は、アンプとエフェクターを直に繋いで音を出しているわけではありません。ラジオなので、パソコンの中で、エフェクターをシミュレーションするソフトがあって、それを、ラインという経路を通って、みなさんに聴いてもらっている状態で、実は、デジタルな音なんですね。」
岩寺「うん。」
山口「僕らはレコーディングでも、パソコンのソフトでギターの音を加工するっていう事はよくやっているんですけど、今日はデジタルならではの、パソコンでしか出せないエフェクターを紹介します。ビットクラッシャーっていうエフェクターを紹介しましょう。」
(4) ビットクラッシャー
岩寺「ビットクラッシャーは、実際のコンパクトエフェクターっていう、ちっちゃい足で踏むやつには存在していないやつなんです。"ビットレート" って言って、音を数字、デジタルにするんです。その数字の細かさが細かい程、実際の音に近づいていくっていう仕組みです。」
山口「細かいほど、生の音に近づくんだよね。」
岩寺「うん。その細かさを、どんどん荒くしていくというか……。」
山口「画質の悪い写真みたいなね。」
岩寺「そうそう。画素数の低い写真みたいにね。」
山口「このビットクラッシャーっていうのは、画素数を減らすというか、音の密度を減らすエフェクターという事ですね。このエフェクターを使うとどうなるのか、実際にみなさんに聴いてもらいたいと思います。」
<♪ギターを鳴らす>
山口「(笑)。なるほどね〜。」
岩寺「こんな感じですね〜。」
山口「まるで、ゲームみたいな音ですね。」
岩寺「うん。これは、8bit(ビット)って言って、ファミコンと同じ細かさまで、音を落としています。」
山口「じゃあ、「三日月サンセット」をそれで弾いてみてよ。」
<♪「三日月サンセット」のイントロ>
山口「ははは!(笑) 急に「ファミコン・三日月サンセット」になってますけど。」
岩寺「結構、ありそうだね(笑)。」
春のエフェクター講座も、そろそろ終わりの時間です。
山口「2週続けてエフェクターの授業をやったわけですけど、どうでした?」
岩寺「今回紹介したのは、結構、基本的なものばっかりで、説明もそんなに深くまでは掘り下げていないんですけど、この音を聴いてみて、この音を出したいなって、皆さんが楽器を触るきっかけになってくれたら嬉しいですね。」
山口「これで、エフェクターの音を覚えたら、自分の好きなミュージシャンのギターの音が、一体どんなエフェクターがかかっているのかっていうのを予測して、コピーできるようになるかもしれないしね。」
岩寺「うん。そうだね。」
山口「みんな、いろいろ考えて音を作っているから、いろいろ聴き比べてやってみたらどうかなと思います。これをきっかけにギターを始める生徒とかいたらね。」
岩寺「嬉しいね〜。」
山口「はい。エフェクターっていうのを、この機会に使ってみてはどうでしょうか。」
さてここで次回の授業について発表したいと思います。
来週は、3週連続!岩寺先生を迎えて……
『ゲームミュージック』の授業をお届けしたいと思います!!
山口「これは、モッチ先生、得意分野ですよね?」
岩寺「ゲーム、大好きなんでね!」
山口「ゲーム音楽も、奥が深いんですか?」
岩寺「そうですね。歴史は実際の音楽よりは深くないんですけど、結構発展して、歴史が急成長してるので、順を追ってみると面白いかもしれないですね。」
山口「カタいわっ!!」
岩寺「(笑)」
山口「じゃあ、ゲームミュージックの面白さをいろいろと紹介してもらえたらと思います。来週もよろしくお願い致します。」