わかったフリのアーティスト用語


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山口「はい。授業を始めますから、席に着いて下さい。マンガを開いている生徒、机の中にしまいなさい。Twitterを開いている生徒、Twitterを一度閉じなさい。……最近はFacebookの生徒も居るのかな?(笑)……Facebookも一応、閉じておきましょうか。それでは書き込み読みます。」




ユリイカの歌詞カード
「行き急ぐ」のところ、段々傾斜が急になって結果壁になるのが面白いです。
Ame(C)
男/15/埼玉県






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「うははは!(笑) きたー! 15才の男の子、くらったか。歌詞カードにくらいましたか。……そうなんですよ。今回は、「グッドバイ」と「ユリイカ」の両A面シングルということで、歌詞カードはどちらから読んでもA面に見えるような作りになっています。ユリイカの歌詞を頭から段々追いかけて行くと、文字の角度が段々90度に曲がって、最終的に180度回って、グッドバイの歌詞に戻るというような作りになっています。グッドバイの歌詞を頭から追って行くと、ユリイカに辿り着いたところでぐるっと回るようになっています。この歌詞の途中で、その文字のデザインが壁になる所があるんですね。歌詞の中にもそういうところがあるので、そこに15才のAme(C)はくらってしまったわけですよね。でも、CDというのは、手にとって、物として音楽を手に入れるものなので、ある種、今の時代はグッズ化しているところがあるんですけど、先生はCD世代なので、CDというものを自分が販売する際は、こういう細かい所にも手を加えて力を入れてやっていきたいと思っています。今回、このブックレットやCDのパッケージをデザインしてくれたのは、hatosという所の上村さんっていう人で、毎回サカナクションのデザインをやってくれている人です。ただ、リリースの際に、こういったことを総括をしてくれたのはディレクターっていう職業なんですね。もちろん、音楽を作る上でのディレクションもしますけど、こういったジャケットなどのディレクションもしているんですね。なので、いつか授業で、音楽におけるディレクターという部分の仕事を紹介していけたらと思っています。ディレクターってどの職業にもいますよね。その職業によって仕事の内容は違ってきますけど、音楽でのディレクターとは一体何なのか、サカナLOCKS!で授業をやれたらなと思っています。Ame(C)、ありがとね。」



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「分かったフリは良くないぞ。みんな、音楽というカテゴリの中で解らない言葉がいっぱいあると思います。解らなかったらちゃんと調べて下さいね。これはすごく大事なことなので。今日は先生が生徒諸君の分からない言葉を説明したいと思います。」


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ということで今回は久しぶりに、サカナLOCKS!のレギュラー授業『 わかったフリのアーティスト用語 』をお届けしていきます。生徒の皆さんから届いた、音楽用語なんだけど思わず知ったかぶりをして、実は意味をよく解っていない。そんな専門用語を山口先生が解説していきます。




"サウンドチェック"って何ですか?
ゆりか
女/17/熊本県





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「はいはいはい……。ゆりかは、サウンドチェックっていう言葉をどこで聞いたのかな〜。サウンドチェックっていうのは、バンドのメンバーが演奏する音を、PAっていうオペレーターの人がひとつひとつの音をチェックしてくれる作業です。例えば、ドラムって太鼓がいくつあるか分かりますか?まず、キック。ドン、ドン、ドンと低い音がなるものですね。あと、スネア。パン、パン、パンと鳴る、ドラマーの目の前にある太鼓ですね。あと、タム。トコトコ、トコトンっていう、トゥントゥンいうやつです(笑)。あと、フロアドラムっていう、連打したときに低くアクセントになるものもありますね。太鼓だけでもこれだけあって、あとはハイハットのチッチッチって音とか、クラッシュのシャーン、シャーンって音などがあります。このひとつひとつをその場で叩いても、例えば、幕張メッセでライブをしていたら、一番後ろの人は聴こえるわけがないんですよ。つまり、ひとつひとつのドラムの音にマイクが設置してあって、それぞれの音を拾っているんです。そのマイクで拾った音が、PAの人のところにいって、PAの人がバランスをとるんですよ。どうすれば良く聴こえるかっていう風にね。そして、バランスをとってスピーカーから出した音が、みんながライブで聴いている音です。つまり、みんながライブで聴いている音っていうのは、PAの人がバランスをとって出してくれている音なんです。それは、メンバーがバランスをとってくれているのではなくて、PAの人がやってくれているんです。これは、ドラムだけではなく、ギターアンプやベースアンプもそうです。このように、ライブが始まる前に、どれくらいの音量で聴かせるかという調整をすることを、"サウンドチェック" と言うんですね。フェスとかになるとよくありますよね。次のバンドとの転換中に、ドンドン、ドンドン、って音が聴こえて、「はい、次、キックくださーい。」ってPAの人が言ったりしてね。この状況が、サウンドチェック中です。これは、前のバンドが終わった時に、次の楽器が新しく全部くるわけですから、マイクを立て直して、バランスをとり直さなければいけないんです。だから、フェスではよくサウンドチェックがあるんです。……これ、わかったかな〜。詳しいことはまた授業でやりたいですけどね。」




LIVEにおける"同期音"の定義がいまいち分かりません。例えば、シンセで出している音では足りない分は、どこか別のPCなどから音を出しているということなのでしょうか?それでどうやってテンポを合わせたり、アドリブをしたりするのかが疑問です。
十三月のボーイミーツガール
男/18/東京都





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「同期音ね〜。これはちょっと専門的だね。ライブでは、同期音である、ピコピコピコピコ、って音とか、リバース音って言われる、シュワっていう音とか、ドゥーンって音とか、そういったものをパソコンの中で同期させて出すんですね。キーボードの手弾きで足りない部分を補ったり、手で演奏したらリズムがずれてしまう部分をPCに打ち込んでおいて再生させるということです。これはね、副担任'sの、ベースの草刈先生とドラムの江島先生が詳しく説明する方が早いかな〜……。基本的にPC(同期音)は曲の始まりと終わりが決まっていないと同期で演奏はできないんですよ。そうしないと、PCのテンポとドラムのテンポがずれてくると、鳴って欲しいタイミングでPCから音が鳴らないわけですから。だから、ドラムはクリック(PCの音とテンポやタイミングを合わせるためのメトロノームのようなもの)に合わせて演奏をしていて、曲の時間もピッタリにしなければいけないんだけど、同期音は、ある部分からスタートさせたり、曲のサビからスタートさせることも可能なんですね。その辺りの詳しいことは、副担任'sに説明してもらおうかな。……先生がまた、ぶどう狩りに行ったりしている時にね(笑)。」




ヘッドホンなどの"エイジング"って何て意味でしょうか。少し聞いた話では、音を馴染ませるって意味らしいのですが、よくわかりません。先日、一郎先生が生放送で浸かっているヘッドホン、MDR-CD900STを購入しました。前にも一郎先生がTwitterでエイジングってつぶやいていたのですが、よくわかりません。教えて下さい!
代打専門キャッチャ0
男/16/大分県





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「なるほどね〜。これは何て言ったら良いかな〜。エイジングって……。分かりやすい例え……。あ、流しそうめん! 流しそうめんって……これは分かんないな(笑)。ちょっと待てよ……(笑)。……あ! グローブ! あと、バスケットシューズとか、靴だ。よく、「買ったその日に試合するなよ」っていう台詞が『 スラムダンク 』とかにあったりしますよね。あと、グローブとかも、買ってすぐは固くてなかなか手に馴染みにくいし、ボールを弾いてしまうってこともありますけど、それにグリスを塗って馴染ませたり、靴も、何回か履いて自分の足に合う形になったりしますよね。エイジングっていうのは、そういったこととほぼ同じことです。機械ですから、できたばかりのヘッドホンは、電気が通り慣れてないいんです、回線のね。だから音が硬いと言うか……まだ、全部の力を発揮できないんですよ。聴いているうちにヘッドホンの音質が変わってくるのが嫌なので、エイジングをすることで音を安定させるというか……。このヘッドホンの音はこれですよ、というところまで馴染ませるためにしばらく自分の好きな曲や、音域の広い曲を再生しっぱなしにするんです。この時に気をつけなければいけないのは、音量をそんなに上げない方がいいってことを聞いた事があります。この作業のことを"エイジング"と言います。ヘッドホンは毎日装着するし、いつも聴くものですから、自分用に馴染ませていくのはすごく重要なんですね。耳に当てる皮とか、そういう部分も浸かっているうちに馴染んでくるでしょう。そういう風に音も馴染むということですよ。代打専門キャッチャ0、分かりましたか?」

といった感じで時間になりました、今回の授業も終了です。


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「わかったフリのアーティスト用語はいろいろありますし、先生も分からないことはまだまだいっぱいありますからね。でも、知らない業界に行くと知らない言葉がいっぱい飛び交うね。特にテレビ業界とか行くと、知らない言葉が飛び交っていますよ。その都度、流さないで、興味がある世界だったらそれを知っていくというのが当たり前のことかもしれませんね。生徒諸君もいつか社会に出て行って、新しい職場、新しい学校、そういった場所で新しい言葉に出会ったら、調べて行くと良いのではないでしょうか。音楽については、このサカナLOCKS!が引き受けさせていただきます。」


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「そして、今出ている宿題がたくさんあります! 生徒諸君、サカナLOCKS! に提出される宿題の数が減ると、サカナLOCKS!が終わっちゃうから!(笑)……宿題の提出、よろしくお願いします。」

ということで、いま出ている宿題はコチラ↓

(1)『 ライブマナーについて考えよ! 』
(2)『 CD購入者への特典を考えよ! 』
(3)『 最初にコピーした曲を述べよ! 』
(4)『 デモ音源募集! 』


[ コチラ ]から提出よろしくお願いします!


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サカナLOCKS! 放送後記

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