「『アダプト』リリース直前緊急企画!ビクタースタッフも時代にアダプトしてるのか?(後編)」

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聴取期限 2022年4月1日(金)PM 10:00まで




音を学ぶ"音学"の授業、サカナLOCKS!。
いよいよコンセプト・アルバム『アダプト』が3月30日リリースということで、サカナクションの所属レコード会社:ビクターのスタッフを緊急招集!このアルバムをどうプロモーションしていけばよいのか、今までのプロモーションの形のままでいいのか……そんな公開プロモーション会議を行っていきます。前回からの続き、後編です。

⇒前回のようすは[→コチラ]

ビクターのスタッフの皆さん、この4名と会議をしていきます。

・清水勇至さん(デジタルビジネス部)
・川村浩平さん(大阪エリアプロモーター)
・矢野樹里さん(フジテレビ担当プロモーター)
・櫻木みなみさん(go!go!vanillas、The Songbards アーティスト担当)



山口「さあ、サカナクションのコンセプトアルバム『アダプト』のリリースまであと5日しかありません!このアルバムをどういう風にプロモーションしていけばいいのか、どうすればより多くの人に『アダプト』が広がるのか、時代に適応したプロモーションをするべきではないのか……その辺を先週に引き続きビクターのスタッフと公開協議をしていきたいと思います。皆さん、改めて自己紹介をお願いします。」

清水「はい、清水勇至と申します。現在デジタルビジネス部というところに所属しておりまして、各配信サービスのセールス部門を担当しております。」

川村「川村浩平です。ビクターの関西エリアのプロモーションを担当しています。」

矢野「矢野樹里です。ビクター入社2年目で、現在フジテレビの担当をさせていただいています。」

櫻木「櫻木みなみです。go!go!vanillasなど、アーティスト担当をしております。」

山口「今日はこの4人に『アダプト』についてどうプロモーションしていったらいいのかという意見を聞いていきたいんですけど、サカナクションの『アダプト』というのは、今までのシステムをぶち壊した形でのリリースになっていて、シングル→アルバム→ツアー……そういう流れではなくて、オンラインライブで新曲を初披露し、リアルライブ、そしてアルバムリリースという形で、システムを変えるということ、時代に適応するということが『アダプト』なんだと。それを説明していくとすごく難しいから、どういう風にプロモーションしていったらいいんだろうっていう話をしていく中で、僕は"セールスプロモーションはやめてほしい。CDを売るためのプロモーションではなくて、アーティストプロモーションというところに移行していってほしいんだよね"という話をしました。そうすることで、新しい曲も古い曲もサブスクリプションでいつでも聴ける時代で、この人の音楽が好きだ、このバンドをすごく好きになったから音楽を聴きます……というところに移行していったほうがいいんじゃないかという話をしたところまでが先週の話ですよね。」

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山口「つまりね、どうすればサカナクションを好きになってもらえるのか……それぞれの担当で、ひとつくらい戦略を考えてもらおうと思うから。まずは、デジタル担当の清水さん!デジタル担当という部分でどうしたらいいのか聞かせてもらいたいと思います。」

清水「自分が今持ち場にしているところでいうと、今アルバムっていうのはダウンロードで購入いただくこともできるんですけど、ストリーミング、サブスクリプションのサービスは、いろんな題名がついたプレイリストがあるので、サカナクションの今回の『アダプト』の楽曲は、「月の椀」とか今後出ていくわけですけど、その曲だけじゃないんですよ。他にも収録されている曲があって、「フレンドリー」とか「キャラバン」とか。そういった曲を、リリースしてから攻めていくタイミングがサブスクリプションには長期間においてチャンスがあるんです。」

山口「「新宝島」だって、発売当初はオリコン8位だったんですよ。それが5年後6年後にもまだタイアップがついているというね。そういうことが起こり得るわけですもんね。」

清水「起こり得ますので、バンドメンバーの皆さんと協力しながら、タイミング、タイミングに曲に込めた気持ちとかを表現してプロモーションしていくっていうことであれば、今の新しいサカナクションはこういうものですっていうのを伝えていけるんじゃないかと思っています。」

山口「僕ね、やってほしいなって思うアイディアがあって。1個聞いてもらえますか?」

清水「はい。」

山口「『アダプト』って、ハーフアルバムだから少ないじゃないですか。この少ないことを利点にしてプロモーションする方法はないかなと思っているんですよ。つまり、『アダプト』にサカナクションの旧譜を足して、あなたなりの"ニューアダプト"を作るっていうプレイリスト戦略。みんながプレイリストを作って、これいいね、この間にこの曲を入れるのはうまいねとか。アルバムを完成させる……みたいな。」

清水「それは面白いですね。」

山口「面白いでしょ?……なんでミュージシャンに提案されてるんですか。そういうところだよ!ビクター!」

(♪『仁義なき戦い』のテーマが流れて……)

山口「あんたたちね!いつまでたっても……まだまだなんだよ!!!

全員「(笑)」

山口「ふふふ(笑)。マスクしてるから(大きな声を出すと)苦しくなってくるね(笑)。」


山口「こういうのを考えて実践していくことってできるんですか?」

清水「できると思います。」

山口「デジタルでそういう企画をいっぱいやってほしいんですよ、僕は。」

清水「考えますよ。」

山口「遠慮しないでいってほしいと思う。」

清水「はい。」

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山口「次は川村くん。エリアプロモーターだから、普段僕らがいない地域でどうプロモーションするのかを教えてよ。」

川村「やっぱり音楽っていう意味ではラジオが僕はメインになってくるんですけど、そういうところで一郎さんが普段発信していることとか、サカナクションがやったことを日々話題にしていって、普段の会話をDJさんがそのまま紹介してくれたりすることもあるわけだから、常にいろいろ会話してサカナクションを紹介してもらうっていう。」

山口「そのためにはだぞ、僕もバンドを15年やっているから、ラジオプロモーションってちょっと知ってるの。他の人が知らない情報とかをプロモーターが持っていると、局の人がそれを知るとちょっとしゃべりたくなったりするじゃん。普段SNSとかでは出さない情報とかを、俺は川村くんに話せるわけじゃん。仲がいいんだから。それを手に入れて局の人に話したりすることで、アーティストプロモーションになったりもするって俺は勝手に思っているわけ。だから、せっかく仲がいいんだから、付き合いも長いんだから、『こういうコーナーがあるから一郎さん情報ないですか?』ってメールしてくれたらいいじゃん。」

川村「じゃあ、ちょっと早速1個もらってもいいっすか?」

山口「あ、早速?……最近ね、左肩の下のこの辺りにイボができた(笑)。」

川村「ははは(笑)。……どうだろ……」

山口「これ使える?」

川村「ちょっと……もしかしたら、明日(曲が)かかるかもしれない。」

全員「(笑)」

山口「イボができたじゃちょっと足りないか。そうだな……あれだよ、最近海沿いに制作部屋を借りようかなって思っているんだよね。それは東京に限らず、いいエリアがあったら、制作でこもる場所を作ろうかなって思ってるよ。」

川村「じゃあ、それを募集しましょうか。ラジオで、そんなことを考えているみたいですよって言って、リスナーからも反応があるかもしれないし。」

山口「こういうところがいいですよってね。だから、具体的にこの番組でこういうのを求めてるから情報くださいっていうのがあれば、言ってきてくださいよ。」

川村「はい、ありがとうございます。」

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山口「じゃあ、フジテレビ担当の矢野さん。僕、テレビのことはよく分かっていないんだけど、基本出ていくのは音楽番組がメインじゃん。でも、音楽番組で自分の音楽の話をするのって全然意味がないと思ってるのよ。だって、音楽番組を見る人は音楽に興味があるから見るわけじゃん。」

矢野「たしかに。」

山口「でも、音楽に興味がある人に対して我々がプロモーションすることって限られている気がするのよ。だったら、全然音楽に興味がない人が見ているところに出て、『この人誰だろう、サカナクションなんだ』とか『サカナクションってこんな変な人なんだ、聴いてみよう』っていう流れを作る、入口を広げるっていうプロモーションをしてほしいなって思ったりするわけ。で、僕が1個思うのは、深夜の変な番組とかあるじゃん。ああいうのをどんどん差し込んでほしい。」

矢野「いいんですか?!」

山口「全然いいよ!やれるならやるよ。バラエティだろうが何だろうが。」

矢野「いいんですか……バラエティの企画はどこまでやっていただけるという認識で……」

山口「パンイチ(パンツ一丁)になるよ!全然パンイチになる!」

矢野「(笑)」

山口「本当に。肩の下にあるこのイボを見せるよ(笑)。とにかく、イメージを壊していこうっていうくらい投げてくれると、こっちが、じゃあこういう形なら出られるよとか、これは美味しいよとか、工夫できるじゃん。でも投げてくれないことにはこっちは返し用がないのよ。そっちがいろいろ持ってきてくれたらこっちでコントロールできるから。とにかくチャンスが欲しいのよ。」

矢野「そうですね、バラエティの制作の方はやっぱり山口さんはあまり出られるイメージがないので、こちらに企画をいただいたり、こちらもプロモーションをかけたりすることが出来ていないと思うので、ちょっとやらせていただきたいと思います。」

山口「うん。『山口さんってこういう側面があるんですよ』とか、『サカナクションってこういう一面があるんですよ』っていうことを言ってほしいなと思うけどね。ちょっとやってみてよ。」

矢野「はい!ありがとうございます!」

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山口「で、櫻木さん。いろんなミュージシャンを担当してるっていうじゃない?もっとスパイとして……もっとサカナクションのスパイになれよ。」

櫻木「(笑)」

山口「櫻木くん、君は分かっているのかな?その情報をサカナクションに横流しできるという素晴らしい立場にいることを自覚した方がいいのではないかね?」

櫻木「はい……?」

山口「『go!go!vanillas、こういうことやってます。このくらいの予算力で、こういうことをやっています!』って。」

櫻木「いやいやいや(笑)。教えられませんよ、そんなの!(笑)」

山口「ははは(笑)。でも僕は、実は思っていることがいろいろあるのよ。オンラインライブをやったり、オンラインライブ→リアルライブ→CDリリース……とかって、ちょっと変わったことをやっているじゃん。これを他のミュージシャンにも追従してほしいっていうのはあるのよ。特にオンラインライブは、テクノロジーが進化して、インターネットが我々の手元にきて30年だよ。これが20年後、30年後になるともっと進化しているし、オンラインで楽しむっていうことがもっと当たり前になるはずなのよ。音楽がエンターテイメントとして生き残っていくためには、インターネット上でのコンテンツを増やしていかないといけないと思うんだよね。僕はその活動をレーベルが率先してやっていかなきゃいけないと思っているわけ。つまり、レーベルが率先してやっていくためには、アーティスト担当が頑張らなきゃだめじゃん。マネージメントとのやりとりはいろいろあると思うんだけど、頑張ってほしいなと思うんだよね。サカナクションを例に出してね。」

櫻木「はい。……じゃあ、丸パクリしてもOKですか?」

山口「全然いいよ、そんなの。丸パクリされることって嬉しいよ。どんどんやってほしいと思う。」

櫻木「いいんですか?」

山口「どんどんやってほしい。やっている人が少ないと、一過性のもので終わっちゃうんだけど、みんなが追いかけてくれるっていう状況になると……いいか?道なき藪を誰か一人が歩いたら、歩いた後は獣道。その獣道を次から次へと人が歩いていくと、獣道も普通の道になるでしょう?そういう理論をアー担(アーティスト担当)として持ってほしい。」

櫻木「はい。」

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山口「でも、サカナクションのやり方に対して賛成する部分も反対する部分もあると思う。だけど、ミュージシャンが舵を切った時に、その舵を切った方向でどれくらいのことができるのかっていうのを全力でやってほしいなとは思う。好きじゃないとしても。やるメリットが僕はあると思っていて、それは、誰もやったことがないことをやっているから、ひょっとしたら新しいコンテンツになりうる可能性があるわけじゃない。同じことを繰り返していても摩耗するだけだから、この時代。研磨していかないと!発明をそれぞれがやっていかなきゃいけないんだし、せっかく仲いいじゃない?」

川村「はい。」

山口「言ってきてよ!何でも言ってきて!電話してくれてもいいのよ、深夜に。奥さんと喧嘩した後とかに、車の中から『一郎さん、ちょっと話聞いてもらってもいいですか』とか。」

清水「……ちょっとリアルな感じがしますね(笑)。」

山口「ははは(笑)。全然聞くよ?アーノルド(川村さん)も、子どものこととかさ。相談乗るよ?」

川村「ありがとうございます。」

山口「だから、ファンとの距離も近いけど、スタッフとの距離も縮めたいの!僕、ビクターの中で仲がいいのは、山上さんと反田さん……あと、新井さんだよ。」

全員「(笑)」

山口「新井さんって言ってもみんな分かんないと思うけど(笑)。だから、もうちょっとみんな仲良くしようよ!一緒に音楽シーンに爪痕残していこうよ!そういう熱い思いを伝えたかったわけ。それぞれ、今まで通りとは違う新しい方法論を気軽に提案してほしい。ダメ元でいいんだから。提案してもらえたら嬉しいなと思います。」


山口「そして今日は、この4人がいる中で、アルバムの中から「月の椀」を初披露しようと思う。」

全員「おー!(拍手)」

(♪『仁義なき戦い』のテーマが流れて……)

山口「ええか、お前ら!サカナクションの『アダプト』から、「月の椀」を……初披露―!!……するんだぞ。分かってるな、川村くん。歌えるな?」

川村「ばっちり……いや、ちょっと分かんないな……」

全員「(笑)」

山口「では、このサカナLOCKS!で、『アダプト』のリード曲である「月の椀」を初披露させていただきたいと思います。」


♪ 月の椀 / サカナクション


山口「聴いていただきましたのは、サカナクション『アダプト』から、「月の椀」でした。皆さん、初オンエアどうでしたか?楽しめましたか?ラジオ初オンエアって結構ドキドキするんですよ。そういう気持ちもみんな知らないでしょ?「夜の踊り子」がラジオ初オンエアになった時、僕パソコンの前で、気づいたら親指を中に入れて両手ぐって握ってましたからね(笑)。それくらい、ミュージシャンにとってリリースをするって特別なんですよ。でも、今回に関しては、誰もやったことがない方法だったから、ドキドキしちゃったわけ。だから、同じ方向を見てちょっとでも一緒に進んでいってもらえたらなと思ってこういう機会を設けさせていただきました。」

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最後にサカナLOCKS!からお知らせです。

3月25日(金)24時から、GYAO!で『アダプト』リリース記念、動画版の『見える!サカナLOCKS!』が配信されます。
一郎先生の弾き語りや、スペシャルゲストを招いてのトークもありますので、お楽しみに!

そして、3月31日(木)のSCHOOL OF LOCK! 生放送教室には、山口一郎先生がゲストで登場します。
コンセプト・アルバム『アダプト』リリース直後ということで、曲の感想や、一郎先生へのメッセージ待ってます!

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