「『サカナLOCKS!〜修行編〜 スタート!』(前編)」
2021.11.12
サカナクション
音を学ぶ「音学(おんがく)」の授業、サカナLOCKS!。
11月から、サカナLOCKS!は [AuDee]で2ヶ月間修行を行います!
AuDeeの使い方は [→ コチラ] でチェックしてください。
山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている生徒は、サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。授業が始まりますよ。今日からサカナLOCKS!は2ヶ月間、AuDeeに場所を変えて『サカナLOCKS!〜修行編〜』をお届けしたいと思います。このAuDeeという場で、私がどのような力を発揮するのか……!ここはドラゴンボールで言うと"精神と時の部屋"だから。言葉の重力3倍くらいだから(笑)。」
山口「AuDeeは (番組の尺が決まってないから)比較的、長くできるんですよね。だから、今回は諏訪さん(カヲル先生)もレギュラーですからね。」
カヲル先生(以下、職員)「もう僕もレギュラーですよ。さっきOFFだった(職員用の)マイクが急にONになってますから。」
山口「ははは(笑)。」
職員「この修行は何の修行かっていうのを説明しましょうか。」
山口「はい。僕は、SCHOOL OF LOCK!でサカナLOCKS!を9年務めさせていただいて、サカナLOCKS!のおかげで10代の生徒とコミュニケーションを取ることができていたわけですよ。だけど、サカナLOCKS!の範囲では、直接コミュニケーションをとる時間が少ないじゃないですか。もちろん意識はしているけど。実は、コロナ禍になる前に、サカナLOCKS!をアップデートしようって、10代の生徒とちゃんと向き合うようにしたいっていう目標を掲げていたじゃないですか。それをAuDeeで、ガチでやろうと思うんですよ。直接悩みを聞いたり……学校の悩みとか、仕事の悩みとか、恋愛もそうだし、音楽を目指している若者だったり、音楽の仕事に就きたいって言っている人たちもサカナLOCKS!で逆電した生徒にもいたじゃないですか。そういうのをどっぷり……1人と3時間くらい話してもいいくらいの気持ちで、ちゃんと向き合える修行にしたい。」
職員「うん。」
山口「……プラス、フリートークを磨きたい(笑)。」
職員「(笑)」
山口「もう少しフリートークの技術を上げて、音楽で立ち行かなくなってからも生きていけるように頑張りたい(笑)。」
職員「すごいな(笑)。その2つの修行なのね、今回は。」
山口「そうなんですよ。……だけど、ラジオをやりすぎちゃって、普通に人と話せなくなってきちゃってるのよ。ラジオの俺が日常の俺を侵食してきてるわけ。」
職員「ちょっとテンション高めだもんね、ラジオの時。」
山口「そうそう。それが日常にも出てきちゃってるんですよ。本当の俺、どこにいっちゃったんだろう……みたいな。」
職員「やばいね。でも、この修行の結果もっとそうなるかもしれない。」
山口「いい、それでも。音楽とラジオに命をかけるから(笑)。」
職員「(笑)」
山口「ラジオ大好きだから!だから、AuDeeで修行したいんです。」
山口「で、どんな授業をするかっていうのを、諏訪さん説明してくださいよ。」
職員「今回は、SCHOOL OF LOCK!の公式アカウントっていうものを使います。そこに、今から一郎先生が今日の授業テーマを投げます。生徒は今収録してるとか分からないので、突然登録している生徒のところに、"こんなテーマでメッセージ募集中!もしかしたら一郎先生から直接電話がかかってくるかも!?"という内容のメッセージを送ります。で、LINE上にメッセージがきますので、それを紹介しながら、気になった生徒に"通話リクエスト"を送ります。生徒がOKだった場合、生徒から電話がかかってきます。」
山口「なるほどね。……ひとつ恐怖がある。かかってこないって可能性があるよね。僕そんなに人気ないよ?」
職員「あと、急にLINE上で『山口一郎です』は、ほぼ詐欺だからね(笑)。詐欺メールと同じ手口だからね。」
山口「ははは!(笑) ちょっとやってみようよ。やってみないと分からないですもんね。かかってこなかったらフリートークで終わるから、今日は。」
職員「じゃあ、今日の授業テーマを……どんな悩みについての話を生徒から聞きたいかっていうのを書いて写真を撮って、SCHOOL OF LOCK!の公式アカウントに投げます。」
山口「……ちょっと見て、今の俺……サングラスかけちゃってるでしょ。AuDee使用だから。」
職員「ふふふ(笑)。ラジオを形から入るのやめてもらっていいですか?」
山口「AuDeeはサングラスだから(笑)。よし、テーマね。1発目だからやさしくね。じゃあ、黒板描くよ。……ちょっと待って。黒板書くのも久々な気がする。」
職員「これを写真に撮って。」
山口「今撮るのね。めんちょう(吹き出物)写っちゃうけどね。」
職員「これを今からLINEアカウントに上げますので。」
山口「あー……もうなんかすごい楽しいよ!AuDee!」
職員「これね、生放送だったらいつリスナーから電話がかかってくるか分かんないから。」
山口「そうですよ。普通は、『もしもし!』って言ったら始まるんだもん。これ、いつかかってくるかも分からないわけでしょ?」
職員「……あ、SCHOOL OF LOCK!の公式アカウントからメッセージがきましたよ!ほら、サングラスの男が"友達について悩んでる事"って。」
山口「ははは(笑)。めんちょう写ってない?大丈夫?」
職員「拡大します……写ってます。」
山口「ははは!(笑) 写ってるかー。しょうがないなー(笑)。」
※届いたメッセージは、一郎先生が手元でぜんぶチェックしていきます!
山口「……あ、メッセージきた。"友達が信頼しにくくなった"だって。」
職員「わー、いきなり気になるね。」
山口「何があったんだろうね。他にも、"友達がいない"。……"電話は無理です"って(笑)。」
職員「(笑)」
山口「おいおい(笑)。」
職員「いやいや、時間見てよ。」(※収録は、23時過ぎでした。)
山口「夜遅くにごめんねー。じゃあ次は、"上京したら友達がひとりもいなくなって寂しい"。」
職員「あー、それコロナ禍だから特にそうじゃない?」
山口「そっか……わー、すごいいっぱいメッセージくるよ。」
職員「本当に?」
山口「"仲の良い女友達がほしいんですけど、どうすればいいですか?"って。……仲の良い女友達がほしい……?」
職員「男の子?」
山口「男の子だと思う。」
職員「リクエストとか、そろそろしてみます?」
山口「よし、これいこうか。通話リクエスト送っちゃおう。ドン!……かかってくるかな?」
"仲の良い女友達がほしいんですけど、どうすればいいですか?"
(岩手県 18歳まっちゃ)
山口「仲の良い女友達って……いろいろあるじゃん。恋人候補なのか、男友達のような友達なのかね。」
(♪着信音)
山口「あ、かかってきた!かかってきた!!」
山口「もしもし。サカナクションの山口一郎です。」
まっちゃ「まっちゃです。」
山口「今、メッセージがきたから電話リクエストをしちゃったんですけど。仲の良い女友達がほしい……これはどういうこと?もうちょっと詳しく知りたいんだけど。」
まっちゃ「男友達はいるんですけど、女友達があんまりいなくて。そういうの羨ましいなーというか……」
山口「それは、恋人がほしいってこと?女の子の友達が欲しいの?」
まっちゃ「はい。共通の趣味とかがある友達がほしいです。」
山口「ちなみに、まっちゃは彼女いるの?」
まっちゃ「いえ、いないです。」
山口「彼女ほしいとは思うわけ?」
まっちゃ「まぁ……思いますね。」
山口「彼女じゃなくて、女友達がほしいってどういうことなの?」
まっちゃ「あんまり女子と話すのが得意じゃない方なので、うまく女子と話せている男子が羨ましいというか……」
山口「あー、なるほどね。じゃあ例えば、女友達ができたとして、その友達とは恋愛感情とかに発展しない友達でいいってこと?」
まっちゃ「うーん……いや、発展しても良いです(笑)。」
山口「発展してもいいんだ(笑)。まず、女の子と上手に話ができるようになりたいってことかな?」
まっちゃ「そうですね。」
山口「今は高校生?」
まっちゃ「高校生です。」
山口「クラスでこの子と仲良く話したいなって思ってる、ターゲットはいる?」
まっちゃ「はい、います。」
山口「どんな人?クラスの中で目立ってるのかとか、周りにこんな人がいるとか、部活何やってるとか……」
まっちゃ「人柄も良さそうだし……いや、多分、人柄も良いです。」
山口「ふふふ(笑)。良いのね。OKOK。」
まっちゃ「先生からも好かれているというか、良い印象をもたれている感じで。」
山口「なんでその子と話したいと思ったわけ?」
まっちゃ「なんか……雰囲気というか。」
山口「話しかけたことはあるの?」
まっちゃ「1回授業で話して以来話してないですね。」
山口「うまく話せないんだ?」
まっちゃ「はい、話しかけられないというか。」
山口「そうか……。じゃあ、練習するか!今。」
まっちゃ「練習?」
山口「今、デミちゃんっていうサカナLOCKS!の職員がいるから、ちょっと話してみる?」
まっちゃ「はい。」
山口「俺が会話を途中で止めるかもしれないけど。『ストップ!その話し方はあんまりよくないなー』とか。そういう感じで指摘していくけど、話す練習をしてみようか。」
まっちゃ「分かりました。」
山口「俺がいないつもりで話せよ、まっちゃ。」
まっちゃ「はい。」
山口「じゃあ、設定は……転校生がきました。デミちゃんは転校生です。隣の席に座ったよっていうシチュエーション。教室の設定にしようか。いい?」
まっちゃ「はい。」
山口「デミちゃんもいいですか?」
デミ「はい。」
山口「いくぞー、まっちゃ。……はい、スタート!」
(シミュレーション、スタート!)
山口『よーしお前ら、転校生を紹介する。デミちゃんだ。みんな仲良くしてやってくれよ。じゃあ、席はまっちゃの隣だ。』
デミ『はーい。……よろしくお願いします。隣の席になりました。名前聞いても良いですか?』
まっちゃ『よろしくお願いします。まっちゃです。』
デミ『まっちゃ君。デミといいます。』
まっちゃ『……あの、なんか趣味とかあるんですか?』
山口「……ちょっと、ストップ!!(笑) 」
山口「お前、いきなり趣味かよー、早くないか?」
まっちゃ「早いですか?」
山口「早くない?いきなり趣味の話いくか?もうちょっと、『どこから来たんですか?』とかあるだろ?」
まっちゃ「あー……!」
山口「いきなり趣味って、お見合いみたいじゃねーかよ。」
まっちゃ「すみません(笑)。」
山口「ふふふ(笑)。まあ、いいよ。行こう行こう。趣味を聞かれちゃったよ、デミちゃん。」
(シミュレーション、再開!)
デミ『趣味……結構スポーツが好きで、観るの好きです。』
まっちゃ『僕、卓球やってたんですけど、卓球とかは観ますか?』
デミ『卓球!オリンピック観てました。すごかったですね。』
まっちゃ『はい。男女混合で金メダルとって。』
デミ『ねー!観ましたか?』
まっちゃ『観ました、観ました。』
2人『……』
まっちゃ『すごかったですよね。』
山口「ふふふ(笑)。もう卓球の話はいいかな、そろそろ。引っ張りすぎだな。ちょっと長く感じたかもしれないぞ。」
まっちゃ「本当ですか?」
山口「うん、次の話題いってみよう。」
まっちゃ「次の話題……」
まっちゃ『……好きな食べ物とかはありますか?』
山口「わははは!(爆笑) だからお前、お見合いになってるぞ(笑)。よし、分かった。今のデミちゃんとの話で、お前の問題点が分かったぞ。今のを経て俺と話をしていこうか。」
まっちゃ「はい。」
山口「まず、まっちゃは女性慣れをしていないっていうのが一番大きいよな。」
まっちゃ「はい、それは自分でも思います。」
山口「それは経験を積むしかないんだと思う、やっぱり。で、今お前から出てきたワードは、悪い教科書のワードが多いよね。『趣味は何ですか?』とか、『好きな食べ物は何ですか?』とか。もうちょっと自然に知っていくべきことをいきなり聞くと、ちょっと、私に興味持ちすぎてない?っていう警戒心に繋がっていきそうじゃん。」
まっちゃ「あー。」
山口「だから、慣れが必要だけど……あれだな。お前は野良猫を触りたがるタイプだな(笑)。触りにいくと、猫もちょっと……ってなるじゃん。ちょっとずつ距離を詰めていかなきゃいけないから。正解は多分、彼女は転校してきたばかりで不安なわけじゃん。だから、相手の気持ちを考えるところから始めるわけよ。自分がどうかじゃなくて、相手はどういう状況なのかなっていうことを意識すべきだな。」
まっちゃ「はい。」
山口「初めての学校に来て、隣に座ってるまっちゃに頑張って話しかけてきたわけじゃん。だから、相手の気持ちを読んで、『何か不安なことがあったら何でも聞いてね』とか、『教科書ある?』とか、『制服違うね!』とかさ。制服は違わないかもしれないけど。そういう、相手のことを探っていくことをやっていくと、会話が弾んでいくんじゃない?」
まっちゃ「あー。」
山口「男同士だと何でも話せるかもしれないけどさ。相手のことを考えてあげないと、なかなか距離が詰まらないんじゃないかな。」
まっちゃ「はい、分かりました。」
山口「……どうだ?クラスの子に話しかけてみるか?明日とか。」
まっちゃ「……まぁ……はい。勇気があれば(笑)。」
山口「ははは(笑)。え?好きなの?その子のこと。」
まっちゃ「いや、どうなんでしょう……恋愛感情まではまだない、みたいな。」
山口「そっか。友達だもんな。でも逆に、まっちゃは女の子から話しかけられたら嫌な気持ちになる?」
まっちゃ「いや、ならないです。」
山口「っていうことは、女の子も男の子から話しかけられて嫌な気分になるわけないじゃん。同じだよ。しかも、まっちゃに下心があるわけじゃないじゃん。女の子も話したら分かるって。」
まっちゃ「はい。」
山口「だから、素直に、『俺女の子と話の苦手なんだけど、友達になってくれない?』って言ったら、多分女の子も『何それ(笑)。いいよー。』ってなると思うけどね。本当の気持ちを伝えると、それはちゃんと伝わる。だけど、かっこつけたり、遠回しに言うと察知されるよ。……だと思う。」
まっちゃ「はい。」
山口「まず、まっちゃも……ラジオネームが悪いもん。まっちゃって、緑なのか白なのか分からない色を選択しているじゃないか。」
まっちゃ「はい(笑)。」
山口「ここは、緑茶にしなきゃだめだろ!(笑)……緑茶だな、お前は(笑)。」
まっちゃ「緑茶ですか(笑)。はい。」
山口「どう?ちょっとは気持ちが落ち着いたかな?大丈夫かな?」
まっちゃ「はい。」
山口「これね、今、サカナLOCKS!がAuDeeの方に移動になったのよ。で、これは毎週やるから!またこういうメッセージがきたらまたかけるぞ。覚えてるから。次は緑茶になっていることを期待しているからな(笑)。」
まっちゃ「分かりました(笑)。」
山口「ちなみに、1人目のゲストだぞ。」
まっちゃ「そうなんですか!ありがとうございます。」
山口「じゃあ、緑茶っぷりを学校で発揮できたかどうかまた教えてくれたら嬉しいなと思います。」
まっちゃ「はい。」
山口「じゃあ、切るぞ。ありがとな。さよなら。」
まっちゃ「はい、さよなら。」
(通話終了!)
山口「……はー……!繋がったわ!面白いぞ……!」
ということで、今回の配信はここでいったん終了です。次回は『サカナLOCKS!〜修行編〜 スタート!』(後編) に続きます!次回の更新は、11月19日の予定です。
AuDeeで修行中の「サカナLOCKS!」では、SCHOOL OF LOCK! の [ LINE公式アカウント ] を使いながら、一郎先生が君の話を直接聞いていきます!番組のアカウントをフォローして、次回の修行(収録)に備えてください。次回、修行する日は事前にお伝えします。