「自宅からの配信LIVE『NF OFFLINE FROM LIVINGROOM』を終えて。」

SCHOOL OF LOCK!


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聴取期限 2021年6月11日(金)PM 10:00まで




山口「先週のサカナLOCKS!は、オンラインライブ『NF OFFLINE FROM LIVINGROOM』終わりで、僕がそのまま歌詞作業でリビングに閉じこもっていまして、副担任の江島啓一先生が授業を担当してくれました。ライブが終わりました、片付けて荷物を出しました、……で、そのまま僕はリビングルームですから、ずっと(笑)。なので今、爽快な気持ちでここに来ています。もしかしたら何かで見た生徒もいるかもしれませんが、参天製薬の点眼薬"サンテFX"シリーズのCMに私が出演しております。ワイヤーアクションをしているから。ここも違和感でしょ?CMソングを我々サカナクションが担当することになりまして、実は、ちょっと前からTwitter上で一郎先生の目のアップ画像が公開されていたんですけど、一郎先生だと気づいていた生徒もたくさんいたようですね。僕は、郷ひろみさんかと思ってたんだけど(笑)。一郎先生だと気づいてくれた人もいたみたいです。」

「そのCM本編と、CMソングである「プラトー」という新曲を今週火曜日に記者会見で披露したんです。そのために、私はリビングルームにこもっていたんですね。これは非常にギリギリだった。本当はCMのところだけ演奏しようかっていうくらいできていなかったわけ。記者会見前日のリハーサルの午前10時50分に完成して、そこから作業して、リハーサルが夕方5時から。そこで初めて合わせたわけよ。バンド5人揃って演奏したのは、『SAKANAQUARIUM 光 ON LINE』ぶりだから、半年以上合わせていなかったの。まず、5人で会うのが久々だから。その状態で、せーので新曲を合わせようってしている、そういう状態で初演奏だったんですよ。緊張したわ、それはそれで。そんな状態で発表した記者会見でした。」

「見た?(記者会見が配信されていた)映像。ライブはともかく、トークの時にステージの上で調子に乗っている山口一郎。しかも厄介なことに、MCの人が藤田琢己さんっていって、(サカナクションの音楽実験番組)『NFパンチ』のDJ実況中継とかでも一緒にやっているし、デビューした頃からずっとお世話になっている方だったから、そこでも阿吽の呼吸が生まれちゃうわけですよ。そうやってどんどん僕をホームに引っ張り込むわけ。だからすごい躁状態で続けられた記者会見だったんですけど。もともとはサンテFXのCMって、「キター!」っていうのが有名なところ、私は「キタ。」っていうわけです。内なる想いみたいなところがCMのテーマなのに、記者会見でどんどん想いを吐き出しちゃってたから、僕(笑)。でも、たくさんの人に見ていただいたり、Twitterのトレンドにも入って。協力してくださった皆さん、ありがとうございました。そして、新曲「プラトー」も、曲はできているので、あとは歌を入れたり細かい調整に入っていくので、TOYOTAのCMソングと同じタイミングでリリースというか……配信で先に出そうと思っているんですが。それも楽しみにしていていただけたらと思います。」

「サンテFX × サカナクション」特設サイト

「今夜は、先日一郎先生の自宅から行われた『NF OFFLINE FROM LIVINGROOM』のお話をしていきたいと思います。5月22日、5月23日に、一郎先生の自宅から行われたオンラインライブですが、これがどういうものだったかというと、『NF OFFLINE』っていうファンクラブツアーが延期になっちゃったために、その状況をポジティブに変化させようという趣旨で行われたライブだったんですね。会場となったのは、僕の部屋。普段Instagram Liveをやっているあの家です。『NF OFFLINE』っていうイベント自体は、Instagram Liveでコロナ禍を乗り越えたことを、ファンの皆さんに恩返しをしに全国を回ろうっていう内容です。自分の部屋から始まった企画なので、本当に自分の部屋を題材にしてドラマチックにオンライン配信をしようかなっていうのがひとつのテーマだったんですね。僕の家が会場になったので、僕は数日間ずっとホテル住まいで、自宅に帰れず……だって、僕の寝室が待機部屋か、作業部屋、編集部屋みたいになっていて、どうにもならなくなっちゃったんですね。だけど、意外とホテルも良いですね。びっくりしちゃって……ホテルが快適すぎて。久々に泊まったから。結構集中できて、今後も使おうかなって思ったくらいです。」

「そんな状況で行ったオンラインライブ、なんと累計で2万8千人近く視聴してくださったそうで……当初見込んでいたのは、1万人だったので、倍以上の方が観てくださって非常に良かったなと思います。内容もクオリティが高いものになったんじゃないかと思います。リスナーの反応もさまざまで、Instagram Liveも同時配信していたんですよ。Instagram Liveだけを観て、そういうものだって思っている人もいたし、Instagram Liveは演出の一部で、それを客観的に観られるっていう有料配信を見ている人もいるっていう二重構造……知っている人と知らない人っていう二重構造が美しくて、ちょっと複雑なんだけど、その複雑な面白さみたいなものが、実験的な要素になっていたかなと思います。僕一人で、メンバーが作ったアレンジを歌うっていう構図ってあんまり他のバンドは出来ないんじゃないかと思っていて、それも非常に良かったなと思っています。この映像は、どこかで、良い形で使おうと思っています。」

SCHOOL OF LOCK!


「感想もたくさん届いていて、僕のInstagramのDMにたくさん届いていたのも見させていただいているんですけど、この書き込みは、有料のライブ配信ではなく、Instagram Liveで観てくれた生徒の意見ですね。」

NF OFFLINE FROM LIVING ROOM

NFLR、私はインスタライブで途中からではありますが、参加させていただきました!
コメントを見ていると、「Streaming+すごい!」というのがたくさん見られていいなぁとは思ったのですが、インスタライブでも音や演出を十分楽しむことができました。

とはいえ、Streaming+の音はきっとすごいのでしょう。ある意味これは、前に一郎先生が言っていた、『今のこの状況では、お金に余裕のある人がライブ行って音楽界を支えていこう』というのにあてはまるのではないかと思いました。
私も最初にこの話を聞いたときは、それは嫌だなと思っていました。でも、その後の一郎先生の話を聞いて納得ができたし、今回のような形であれば、それもいいのかな、お金に余裕のない人でも大好きな音楽を楽しめるんじゃないかなと思いました。

今回も素敵な夜をありがとうございました。
NFLR、また開催してほしいです!!

カツ丼クリームチーズ
女性/15歳/神奈川県


「この意見は、僕が言っていたこととはちょっとずれているんだけど、僕が言いたかったのは、ライブっていうものが貴重になった時代がきたなと思っていて。ライブを観にいく、その感動を求めるっていうカロリーが大変な時代がくるから、オンラインっていうもので違う感動を与えるっていうことに担保していくと、双方楽しめるんじゃないかと。ライブに行く余裕がない人も、オンラインで低価格で楽しめたりする……そのバランスが取れたりすると、もうちょっと理解してもらえるのかなって気がしています。」

「僕的には、リアルなライブが一番気持ちいいなって思うんですよ。この間のサンテFXの記者会見でステージに立って、爆音で、メンバー5人で揃って演奏したのってやっぱり気持ちいいし、僕らにとってはそれが日常というか、ライフワークじゃないですか。だから、帰ってきたなって感じはしたんですよね。でも、そのライブはオンラインでも配信されてもいたんですよ。だから、爆音が出ていて、メンバーと演奏しているんだけど、その先に配信で観ている人たちがいるっていう感覚も当たり前になってきているというか……どんどん時代の中で、自分たちの音楽をどう表現していくかっていうのが定まってきたような気がしましたね。リアルを超える感動は、多分リアルでしか出せないけど、オンラインで体験できるものの種類もどんどん増えていくだろうなって気がする。」

SCHOOL OF LOCK!


「今回、オリンピックのパブリックビューイングを代々木公園でやる、やらないっていうことがニュースになっていたじゃないですか。これは結局やらなくなったのかな。それも、もうちょっと今の時代の文化に対してみんながどう思っているかっていうのを敏感に感じる人が政府にいたり、政治家の近くにいると、もう少し距離が縮まるなって思うし、オンラインで文化をどう発信するかっていうことに対しても、今はいろんな障害があるんですよ。権利の問題であったり。そういった部分を議論することが必要な時代がきているのかなって気がする。あまりにも僕らが求めているもの、僕らが感じているものと政府が僕らに対して与えるものに対して距離があるなって気がする。もう少し、批判じゃなくて議論するっていうことをした方がいいかなって気がしますね。機会を与えてほしいし、現場にいる人たちと話し合えるような環境が来ると、もう少し良い形で文化を伝えられるようになるんじゃないかなって気がしているんですけどね。っていうことは、政治家になるような素養がある若者たちが、より音楽や文化に触れる機会を増やすことが大事だなって思ったんですよ。それで感動したことがない人は、そこの話には入れない。理解できないから。だから、僕らが地道にやっていかなきゃいけないのは、若い子たちに音楽を繋ぎ止めておくことだったり、文化を繋ぎ止めておくっていうことを各ジャンルがやっていかなきゃいけないんじゃないかなって気がしましたね。」

『NF OFFLINE FROM LIVINGROOM』サイト


そろそろ授業も終了の時間です。

「今、告知をしなきゃいけないことが溜まっているんだけど、もうひとつあるの。これはね、みんな非常に興味を持ってもらいたいと思っているんだけど、イサム・ノグチって知ってるかな?日系アメリカ人なんだけど、1950年代に活躍していた素晴らしいデザイナーがいるんですよ。見たことあるかな……提灯の明かりがあるの。先生のライブで使ったりもしているんだけど。デザイナーで、彫刻家でもある。その人の企画展をやっていて、これを企画している人たちが、僕がイサム・ノグチが好きだっていうことを知ってくれていて、オーディオコメンタリーをやってくださいっていう話がきたんです。でも、僕はデザイナーでもないし、ミュージシャンだから、僕がデザインに対していろんなことを話してもちょっと格好悪いじゃない。もっと詳しい人がやった方がいいから。そこで、イサム・ノグチはどんな音楽を聴いてこんなデザインをしたのかっていうことを知りたいと思ったから、それを朝日新聞の方やいろんな人の協力を経て、サカナLOCKS!のチームのヘルツ先生とデミちゃんに手伝ってもらいながら、イサム・ノグチがどんな音楽を聴いて、どんな時代に生きたかっていうのをまとめたオーディオコメンタリーを制作したんです。これは、学術的にも非常にレアで、貴重な資料になっているはず。イサム・ノグチがどんな音楽と触れていたのかが綺麗にまとまった資料も、このオーディオコメンタリーを聴いた人に渡されるようになっていて、この資料は平林奈緒美さんがデザインしてくれていて、非常におしゃれなものです。だから、どんな音楽に触れてどんなデザインをしていったのか……答えがないことなんだけど、それを是非知ってもらいたいなと思うので、東京都美術館でやっている『イサム・ノグチ 発見の道』を観に行ってもらいたいなと思います。僕もSNSとかでアップしていますので、そちらの方で追いかけてもらえたらと思います。」

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イサム・ノグチ 発見の道
■一郎先生による音声コンテンツ「サウンドツアー」


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