聴取期限 2021年1月29日(金)PM 10:00 まで
山口「まずは先週、生徒が今どんな財布を使っているか知りたいという話をしました。電子マネーが普及したから、財布は持っていないんじゃないかっていう話をしましたけど、早速書き込みが届いているので紹介していきます。」
★財布事情
男子高校生です。
一応、長財布を使っています。
電子マネーも利用してますが、
利用出来ない所もたまにあるので
財布はまだ手放せません。
(長財布後ろのポッケに挿すの、
なんかスられそうで怖いです…)
男性/16歳/沖縄県
「ははは!(笑) 擦られそうって思うっていうのはあるね。でも、長財布を持っている高校生もいるんだね。
★財布事情
自分は、ほとんど使っていないのですが四角い正方形の財布を持っています。
その財布は雑誌の付録で、自分で買った財布は今のところ無いです。
女性/13歳/大阪府
「13歳ってことは中学生かな?中学生で自分の財布を買うっていうのはまだなのか。僕らの時はどうだったかな?」
★財布
小6の時の修学旅行の時から二つ折りのピューマの財布を使っています。
チェーンが付いているので、お尻のポケットに入れて、チェーンを繋いで使っています。
でもチェーンをファッションの一部として使うことはしていません(笑)
逆に自分は電子マネーはひとつも使っていません。生まれてこのかたずっと現金人間です!
男性/17歳/熊本県
「へー。なるほど。17歳で現金人間っていうのは、レアなケースなのかな?パーセンテージが分かんないね。」
「でも、電子マネーだけで財布は持っていないっていう生徒は少なそうだね。先生たちの時代の、財布にチェーンをつけるっていう行為は、現代ではファッションとしてではなくて、治安維持のため(笑)。すられないためなんだね。先生たちの時代は何かとぶら下げるのが流行っていたから。知っているかな?ラスタカラーのベルトを長めに出してベロンってやったりとか……流行ったんだよ。チェーンも流行ったしね。今、そういう感じじゃないんだね。」
「けど、先生は、電子マネーが主流になって現金を使わないっていう時代がきても、長在府は持ち続けると思うな。お金を大事にするっていうことが、自分の中ですごく大事なことなんですよね。お金を大事にするっていうのは、貯金するとかそういうことじゃなくて、先生はミュージシャンだから、先生の元に入ってくるお金っていうのは、自分が作った音楽をたくさんの人に聴いてもらえているっていう……聴いてくれている人たちから自分に入ってきているものだから、使うときにも、何かしら遠回りでもいいんだけど、音楽のためになるような……音楽を作るためとか、音楽のためになるような、自分のインプットになるかならないかっていうところでお金を使うようにしているから。長財布でお金を折らずに持っておこうっていう気持ちで長財布はずっと持ち続ける気がする。生徒諸君も就職したり社会人になって仕事を始めたりして、初めてのお給料とかでお金をもらったときに、口座にただ入るだけじゃなくて、現金で見たらまた実感が変わるんじゃないかなって気がしますね。まあ、古い人間かもしれないんだけど。書き込みしてくれた生徒、ありがとう。」
「はい、授業を始めますから席についてください。Twitterを開いている生徒はTwitterを一度閉じなさい。Instagramを開いている生徒は サカナLOCKS!のインスタアカウント(@sakanalocks_official)をフォローしなさい。授業が始まりますよ。サカナLOCKS!は今夜もリモートでお届けしています。先生はこたつに入ってぬくぬくしていますよ。非常にぬくぬくした状態でお送りしています。」
「先週の週末に大学入試共通テストが行われましたね。ニュースでも取り上げられていました。なんか、共通テストの出題内容に「新宝島」っぽいのがあるってSNSでバズってたってマネージャーが言ってたぞ。さて、今回は、受験生の生徒とリモートで話をしていきたいと思います。今回話を聞くのは、鳥取県 18歳 ラジオネーム:秋の夕暮れです。」
山口「秋の夕暮れ、共通テストおつかれさまでした。どうだった?テスト。」
秋の夕暮れ(以下、秋)「うーん……いつもと同じくらいの点数が取れたんですけど、もうちょっと欲しかったなって感じです。」
山口「もっと欲しかった?でも頑張ったんだよな?」
秋「はい。」
山口「頑張ったってことが一番大事だと思う。どういう進路に進もうと思っているの?」
秋「私が一番やりたいと思っているのは、デザインとか絵を描いたりすることをやってみたいです。」
山口「デザインとか絵を描きたいんだ。実際に行こうとしている大学はそういう学校なの?」
秋「一番行きたいと思っているのは、地元の短大なんですけど。そこではデザインが学べて、鳥取県ではデザインはそこでしか学べなくて。親からは、県外には出てほしくないって言われているから、そこがいいかなって思っているんですけど……でも、親の希望としては、お金の面とかいろいろ考えて、国公立の大学の方がいいって言われていて。でも、国公立を受けるんだったらやってみたいデザインとかが学べる国公立を受けたいっていう気持ちもあります。」
山口「秋の夕暮れ的には、地元の短大でデザインを勉強するか、国公立の大学に行くならデザインを学べる県外の大学に行きたいってこと?」
秋「はい。」
山口「そういうことか。親には自分がデザインとか絵をやりたいって伝えたの?」
秋「一応なんとなくは言っているんですけど……一回、美大とか芸大とか言ってみたいって言ったらものすごい反対されて。『そんなんじゃ食べていけない』って言われて。学ぶんだったら趣味でもできるから、ちゃんとした大学に行きなさいって言われました。」
山口「親が言っていることとか一回置いておいて、今の自分の中ではどっちの進路に行きたいって思いが強いの?」
秋「親の意見も大事にしたいから、鳥取県っていうのもあるし、自分のやりたいことができるのは短大かなって思っています。」
山口「自分の中では親の意見も大事っていう考えなんだ。」
秋「はい。今までちゃんと育ててきてもらったんで、親の意見に背いてやるのは嫌だなって思います。」
山口「最終的な決断をしなきゃいけないのはいつ?」
秋「来週の月曜日に三者面談があるんです。親と先生と私で。そこで決定です。」
山口「それでモヤモヤしているんだ、どうしようか。」
秋「はい。」
山口「デザインとか絵を学びたいっていうのは、そういう仕事に就きたいってこと?」
秋「いや、趣味のためだけです。仕事は、公務員とかになれたらいいかなって思っているんですけど。親とか家族とかも、それ(デザインや絵)では食べていけないって言っているんで(笑)。親としても、公務員で安定した仕事に就いてほしいっていっていて。別に公務員が嫌なわけではないし、もし趣味でも絵を描いたり好きなことができるんだったらそれでいいかなって思っています。」
山口「本音は?本当はどうなの?公務員やるのと絵とかデザインとかを仕事にするっていうのだったら、自分はどっちがいいなと思う?どっちにもなれるとしたら。」
秋「どっちにもなれるとしたら、デザインをやります。」
山口「あー……デザインだと厳しいかもなっていうのは自分の中にもあるってこと?」
秋「あります。」
山口「親の言うことはなんとなく分かるっていうことか。そっかー……そうだよね。」
山口「秋の夕暮れは、今絵を描いたりデザインしたり、趣味でやっているの?」
秋「物をみて描くくらいしかやったことがなくて、想像して描くとかは全然できないんですけど……ただ、私がとても飽きっぽい性格で、でも、絵だけは何時間でも描いていられるし、今までいろんなことをやってきて、ピアノをやったりもしたけど、一番自分がやっていて楽しいなと思うのは絵を描くことだから、絵を描きたいなって思います。」
山口「勉強してみたいんだ、絵のことを。」
秋「はい。」
山口「あー。僕の周りにいるミュージシャンの中で、一回社会人を経験してミュージシャンになった人もいるし、大学に入ってから楽器を初めてミュージシャンになった人もいるんだよね。だから、何かを始めるのっていつでもできるし、それがいいところでもあると思う。公務員とか教員とか、何か資格が必要なことって年齢が限られているじゃない。その時までに準備しておかないとなるのにより大変だったり、現実的に道を閉ざされてしまったりすることがあるけど、クリエイティブな仕事って、何歳からでもいつからでも、本当に自分が好きならやれると思うの。先生たちの時代って、インターネットがなかったから、YouTubeとかもなかったしさ。何かを学ぶってなるとそれをやっている人と一緒に話をして学んだりとか、独学というか……そういうのだったんだけど。今ってYouTubeもあるし、オンラインスクールみたいなものもあるし、TwitterとかSNSでそういった仲間たちと集まることもできるじゃん。それはそれで結構苦しいけどさ。でも、自分一人で学ぼうと思ったら学べる時代だと思うんだよね。で、良いものができたら自分で発信することもできる時代じゃん。僕は、本当に自分が好きかどうか、それで生きていこうと思うまで描き続けることが必要かなって思う。でも、その間も生きていかなきゃいけなかったり、自分の物語っていうのは止まらないじゃない。秋の夕暮れが大切だって思う親の意見だったり、自分を育ててくれた親の気持ちとか、すごくそれって大切なことだと思うんだよね。それに答えながら自分の物語を進めていって、その中で本当に自分がやりたいと思うことを一緒にやる……それってすごく大変なことだけど、どっちもやるっていうことが大事なことかなって思う。大学を卒業するときってまだ先じゃない。その時、本当に就職するっていうタイミングで、自分は何の仕事をするのか、どうやって生きていきたいのかっていうのは自分で選んでいいのかなって思う。その時に親がこんな仕事をしなさいって言っても、もう大人だから。秋の夕暮れはその瞬間のためにどれだけ準備できるのか……自分が絵を描くことを仕事にするためにどれだけ準備ができたのか。それが準備ができていなかったら、自分の物語は止まらないから、次に進まなきゃいけない。でも、もし準備ができていたら、自分の好きなことを仕事にできるかもしれないし。それまでに自分がやりたいことが変わるかもしれないし。」
秋「はい。」
山口「だから、慌てる必要はないかなって思うけど、先生がいつも思うのは、好きなことを仕事にしても、そうじゃないことを仕事にしても、どっちにしてもすごく苦しいんだよね。だから、どうせ苦しむなら好きなことを仕事にしたほうがいいなとは思う。」
秋「はい。」
山口「秋の夕暮れは、兄弟はいる?」
秋「はい。弟と妹がいます。」
山口「っていうことは、秋の夕暮れが一番上ってことだよね?」
秋「はい。」
山口「ということは、お父さんお母さんもさ、初めての娘だったわけでしょ。で、初めての子どもの大学進学なわけじゃん。お父さんお母さんにしても初体験なわけよ、秋の夕暮れが大学に行くことって。だから、想像してごらん?できるかどうか分からないけど。いつか結婚して子どもが大学に行くってなった時に、やっぱりすごくどうしようって気持ちになるじゃない。安定してほしいとか、安心したいって気持ちが絶対出るじゃない、親として。だから、お父さんお母さんも初体験なんだってことをちょっと頭に入れておくと、意見が伝えやすいっていうか……同じ気持ちになりやすいんじゃないかなって思うけどね。」
秋「はい、ありがとうございます。」
山口「あとね、学校で学べることっていうのは、本当に全てのうちの1%にも満たないと思う。特にクリエイティブなものに関しては。だから結局は自分なんだよね。それが分かっていれば、学校に行こうが行くまいが大丈夫だと思うよ。先生はそう思うけど、どうかな?」
秋「あの……もう1回、親とちゃんと話して、地元の大学を受けることになっても、絵とか自分の好きなことはずっと続けてやりたいです。」
山口「そう。とにかくやることだと思うよ。でも、頑張ってね。応援してるわ。」
秋「はい。ありがとうございます。」
山口「また話せるチャンスがあったら話そうね。」
秋「はい。」
山口「それじゃ、ありがとう。さよなら。」
秋「さよなら。」
今回の授業も終了の時間になりました。
山口「先生は大学受験をしていないので、共通テストのこととか、進路をどうするかとかは未経験なんですけど、今日秋の夕暮れの話を聞いて、最初の岐路なんだなっていうことは感じましたね。もちろん、高校からそういう人もいるだろうけど、大学受験っていうのは本当に進路を決めるすごい重要なタイミングなんだね。でも、いろんな人がいていろんな環境があっていろんな考えがある中で、自分がどう生きるかって自分で考えるのってすごく不安になるだろうけど、実はすごくドキドキする人生の中での素敵なタイミングなんじゃないかなと思いました。さっき秋の夕暮れにも言ったけど、何かを始めるのって遅い早いはないと思うんだよね。もちろん小さい頃から環境によってずっと何かをやり続けていて、それが仕事になるっていう人もいるだろうけど。物を作るとか何かを表現するっていうこと、何かを楽しむっていうことに年齢なんて先生は関係ないと思います。なので、高校を卒業して何かのことを学びたいと思ったら自分で学ぶことができる手段がたくさんある時代だし、自分で作ったものを発信できる時代でもあるから。先生たちの時代と比べたら羨ましいなって思うこともあるけどね。秋の夕暮れには頑張ってもらいたいと思います。進路に悩んでいる生徒もたくさんいると思うけど、さっきも言ったけど、どうせ苦労するなら好きなことで苦労する方がいいなって先生は思います。」
引き続き、サカナLOCKS!では、山口先生に話したいことや、聞いてみたいこと、相談してみたいことがある生徒からの、[サカナLOCKS! 掲示板]への書き込みを待っています!
聴取期限 2021年1月29日(金)PM 22:00 まで