聴取期限 2020年10月30日(金)PM 22:00 まで
今回は、山口一郎先生がセレクトする、10代に送る『秋の夜長を乗りこなすプレイリスト』の授業。夜に聴くと気持ちのいい音楽を一郎先生が選曲していきます。今回紹介する曲は、なるべく各サブスクリプションで聴ける曲を中心に選んでくれました。
「僕、まだ今回のプレイリストを作っていないんです。みんなと喋りながら曲をかけて、話していけたらなと思っています。どんなのがいいと思う?"夜を乗りこなす"だから……先生は最近体調が悪いから、頭痛があってさ。
だから、あんまり激しい音楽を聴きたいって気持ちにならないのと、レコーディング中なので、あんまり他の人の、もろ影響を受けそうな、自分の作品風に関わる音楽っていうのを自然と避けていたりはしてるよね。そういった部分も含めて選んでいこうと思う。夜を乗りこなすソング。」
「僕らが高校生の頃とか、自分の好きなミュージシャンがどんな音楽を聴いているかなんて、知りたくて知りたくてしょうがなかった情報ですけど、今はこうやって簡単にプレイリストとかで自分が影響を受けた音楽を紹介出来ちゃうってすごいですよね。
今ジョン・レノンが生きていたら……どうなっていたんですかね?オノ・ヨーコさんに聴けばいいのかな?ジョンはどんなのを聴いていたのかって……そういうのを聴いておくべきですよね。すごい時代になってきました。」
「まずは……これいこうか。LEISURE(レジャー)っていうミュージシャンで、「Slipping Away」っていう曲。スローなんだけどグルーヴィーで、僕、めっちゃ好き。めっちゃいい。むちゃむちゃ良い。最近の……今年の曲だと思う。聴いてみましょう。」
「BPM100ないのよね。これくらいバッチリなのいいよねー。バンドとしては、ギター、ドラム、ベース、エレピ(エレクトリック・ピアノ)。歌のリバーブ処理とディレイ処理で空間を作っているよね。ベースはすごいローファイだけど……重心が低くて、すごくシンプル。
でもこんなにゆっくりなのに、グルーヴをキープ出来ているっていうのはすごい上手だよね。歌もエフェクティブにリバーブだったりの空間があるからこの曲の世界観がキープされているっていうか……考え方がすごい良いよね。聴いてみてください。」
「次の曲行ってみましょう。この感じから始まるでしょ……どんな感じがいいかな……次は日本人。坂本慎太郎さんで、「ナマで踊ろう」。いいよー、これもすごいかっこいい。」
「普段みんなが聴いている曲とは違う感じの曲を紹介していってるぞ。だから、勉強しながらとか、バイトの帰りとか、ベッドの中で時間をちょっと潰したいときとか、そういう時に聴くのに良い曲を選んでいるからな。この坂本慎太郎さんは、先生が愛してやまなかった、ゆらゆら帝国のギターボーカルの人でした。今はソロでやられていて、とんでもないアルバムを毎回作っていますね。ライブも毎回SOLD OUTになって、すごいレアチケットになるんですよ。
倍率が高くて。いやー……中学生とかで、最近何聴いているの?って聞いたら、坂本慎太郎さんって言う子がいたらいいなー。そんな未来、いいなー……。ちょっと聴いてみたらいいと思うな、坂本慎太郎さん。このアルバムは『ナマで踊ろう』っていうアルバムで、この曲のタイトルもそうなんですけど。すごい良いアルバムも曲もいっぱいあるので聴いてみてもらいたいと思います。」
「じゃあ、次いってみようか。最近Instagram Liveで自分が曲をかけながら、ラジオみたくやってるんですよ。だから自分でボリュームをフェードアウトさせながら曲に乗ってしゃべったりして。ふふふ(笑)。
まさに、ローカル局のDJみたいに、ローカルディスクジョッキーをやっています。エフエム小樽、やってますよ!ひとりエフエム小樽、やってますからね(笑)。あと、ディレイとリバーブを声にかけられたらいいなと思って(笑)。「行ってみよう!よう……よう……」ああいうのいいよねー。憧れてきたわ。」
「次はね、すっごいすき。Khruangbin(クルアンビン)って、知っている人も多いと思う……あんまりいないかな?3ピース。女の子ベースで、ギターとドラム。で、ドラムを見て欲しい。動画をYouTubeとかで。本当に……ホールケーキに抹茶パウダーをポンポンポンってかけるくらいのテンションでドラムを叩くの(笑)。トントントン……って、本当に静かに叩くんだよね。見てみて。すっごい、いいよ。ちょっと聴いてみよう。これも夜に合うと思うよ。Khruangbinの「Maria Tambien」って曲です。」
「ちょっとエスニックな感じがするよね。これ、3ピースなんだよ。ちょっと前にすごい流行ったっていうかね……今年新しいアルバムが出て、それも良いアルバムですね。他にも良い曲があるので、興味がある人は聴いてみたら良いと思います。」
「次。次は女性トリオ。Pointer Sisters(ポインター・シスターズ)っていう女性ボーカルグループで、「Yes We Can Can」。オバマ元大統領が「YES WE CAN」ってキャッチフレーズを言っていたじゃないですか。あれって、Pointer Sistersの「Yes We Can Can」っていう曲があって、そこからとったんじゃないかみたいな……で、オバマ元大統領の何か(行事で)歌ったりしていたみたいね、当時。この曲はすごく素敵なので、聴いてみてほしいと思う。」
「(演奏が)うまいねー。1973年の曲。Kindnessっていうミュージシャンがいて、そのKindnessも多分Pointer Sistersとかの音楽に影響を受けてるかなって思う。これ、ギターとドラムとベースと歌だけよ。だから、学校の軽音部の4人が集まればこれができちゃうわけ。ボーカルは3人いるけど。で、こんなの作れているわけだからね……やっぱりね、うまさって速弾きとか構成力とかじゃない。グルーヴだから。
それを提言している曲だよね。歌もリズムだから。バンドに対して歌でどう乗るかっていうのが大事だよ。これはすごい勉強になると思う。僕がもし軽音部の先生だとしたら、『おい、集まれー。今日は諸君らに課題曲を与える。Pointer Sistersの「Yes We Can Can」を1週間練習しろ。解散!』って言うね(笑)。これを練習すればめちゃくちゃ分かると思う、いろいろと。練習すべき!」
「じゃあ、ラストいこうかな。ラストはやっぱり我がNF Recordsから1曲いこうかな。ごり押しって言われたら申し訳ないんだけどね……本当に申し訳ない。一応レーベルの役員にいる人間としては、あんまり自分のレーベルの曲をごり押しはしたくないんだけど……この曲行っちゃおう。」
「NF Recordsのエース、藤原ヒロシさんで「TERRITORY」をプレイリストの最後に入れておこうと思います。これは私もコーラスで参加していたりとかね。MVの方にもチラッと出ていたりするので、是非秋の夜長に聴いていただけたらと思いますね。SpotifyやApple Musicなど、すべてのサブスクにも対応していますからね。」
今回の授業も終了の時間になりました。
「"夜を乗りこなす"っていうこのキーワードは、コロナ禍で僕らサカナクションがみんなでやってきた1つの施策というか……「一緒に夜を乗りこなす」って、イベントみたいな形にしてね、ライブ配信をやったりInstagram Liveをやったりとか、いろいろやってきた中で、一環の言葉でした。
今日は夜を乗りこなすプレイリストっていう感じで選曲したんですけど、このプレイリストは先生が最近……もう40歳なのでね、2バス(ドラム)でドコドコドコドコ……みたいなのを聴こうっていう気持ちにはならないかなって。ゆったりした曲を聴くというのが先生にとっていいムードなんですね。そういう曲を選んでみたので、10代の生徒は物足りないなって思うかもしれないけど、理解できないものを理解できた時の感動って、理解できないうちに体験しておかないと分からなくなっちゃうから。
わさびが苦手だったけど、好きになる人もいっぱいいるでしょ?だから、ちょっと我慢して聴いてみたり、ぐっと集中して聴いてみたり、何かをしながら聴いてみたりとか、そういう実験みたいなことをしてこのプレイリストを活用してもらえたら嬉しいと思います。藤原ヒロシ先生の曲もこうやって聴くとすごく明るくて派手に感じない?それは、今までかけてきた曲のテンションが低かったり、ムードを重視した曲の中で聴いたから。やっぱり聴く順番っていうのはすっごい大事だよね。」
聴取期限 2020年10月30日(金)PM 22:00 まで