山口「はい、講義を始めますから席についてください。Twitterを開いている人はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている人はInstagramを閉じなさい。YouTubeを見ている人はYouTubeを閉じなさい。講義が始まりますよ。もうあっという間に7月ですね。1年の半分以上が終わってしまいました。サカナクションのニューアルバム『834.194』、絶賛発売中ですが、現在GYAO!でニューアルバムに収録されている「モス」という曲のMVが公開になっております。見てくれた人もいるんじゃないですかね?この曲は、ドラマの主題歌にも選ばれまして、たくさんの方に聴いてもらえるチャンスがあるんじゃないかと思うんですけど。このMV……見た?見た人、どう?この感想を聞きたいね。非常に……なんと言ったらいいか分からない絶妙なシュール感のあるMVなんですね。我慢してくれた人にはご褒美があるんじゃないかと思います。気になる方は是非GYAO!で見ていただけたらと思います。」
GYAO!で先行公開されている サカナクション「モス」 MV [→コチラ!]
「それでは、黒板を書きたいと思います。」
今週は、サカナクションのニューアルバム『834.194』を聴いた生徒に電話をして、直接、感想を聞いていきます。先週につづいての講義です。
★セプテンバー
東京version→頭のなかで何度もリピート
なんだか泣きそうになりつつ、
微笑んでしまう
札幌version→頭のなかにスーッとはいってきて
何も考えられなくなる
音楽ってすごいですね
あぁ泣きそう
いい曲すぎ
男性/14歳/長野県
山口「14歳の男の子にも届いているようですね。それではお話聞いていきましょう。もしもし!」
ねばねばゼリー(以下、ねばねば)「もしもし!こんばんは。」
山口「14歳っていうことは?中学校……」
ねばねば「2年生です。」
山口「ニューアルバム『834.194』は聴いてくれた?」
ねばねば「聴きました!」
山口「どうだった?」
ねばねば「個人的には、「セプテンバー」が一番面白かったです。」
山口「普段ねばねばゼリーはどんな音楽を聴いているの?」
ねばねば「サカナクションを好きになる前は、ボカロの曲とかを聴いたりしていました。」
山口「え、なんでサカナクションを聴くようになったの?」
ねばねば「『SCHOOL OF LOCK!』を聴き始めて、サカナLOCKS!でサカナクションの音楽に出会って、今まで聴いたことがない感じの音楽だったので興味を持ちました。」
山口「ここでか!ここで出会ったか。まじかー。」
ねばねば「はい。」
山口「「セプテンバー」のどんなところが好きなの?」
ねばねば「この……東京バージョンと札幌バージョンがあって、その2つの差みたいなものがすごい面白いなって。」
山口「同じ曲なのにアレンジが違うっていうのも聴いたことがなかった?」
ねばねば「そうですね。」
山口「それぞれ、どんな印象なの?」
ねばねば「東京バージョンは、個人的にサカナクションっぽいっていうか……聴いた後も頭で何回も流れちゃう……みたいな感じで。札幌バージョンは東京バージョンに比べてすごく入ってきやすくて。頭の中を掃除してくれるって感じがしました。」
山口「おー。ちなみにどっちが好き?」
ねばねば「どっちが好きかって言われると、札幌バージョンは今までのサカナクションってイメージでは個人的になかったので、札幌バージョンがすごく面白かったです。」
山口「新しい感じがした?」
ねばねば「そうですね。」
山口「ちなみに、これは先生が17歳の時に作った曲なのよ。高校2年生かな。」
ねばねば「17歳。すごいですね。」
山口「まだたくさんの人に聴いてもらうとか、人に聴いてもらうっていうことを考えずに、自分のために作った曲なの。だから、この時の感じで今も曲を作れるようになりたいなって……ずっと、6年間悩んできたんだよね。」
ねばねば「あー……」
山口「やっぱりさ、たくさんの人に音楽を聴いてもらうことに慣れてくると、それが普通になってくるのよ。純粋な気持ちっていうか……ねばねばゼリーも、小学校の時の自分と今の自分は多少なりとも違うところがあるだろ?」
ねばねば「はい。」
山口「大人になると、それがもっと大きな差になってくるのよ。仕事になったりするとな。だから、そんな純粋な気持ちのまま作った曲を、ねばねばゼリーが良いって言ってくれるのは、本当に先生嬉しいわ。」
ねばねば「ありがとうございます。」
山口「またねばねばゼリーに深く刺さる曲を作ろうと思う。頑張る。」
ねばねば「楽しみにしています。」
山口「質問とか、何かあるか?先生に。」
ねばねば「あの……僕がわかっていないだけなのか……なんで「セプテンバー」っていうんですか?」
山口「これね……先生も忘れたんだよ(笑)。」
ねばねば「ふふふ(笑)。」
山口「17歳の頃のことだからよ、なんで「セプテンバー」にしたんだろうなって、先生も不思議なんだよね。ただ、自分が生まれた月が9月なの。で、歌詞に"墓となり土に戻るだろう"っていうことが書かれているだろ?だから、死生観を僕は歌ったんだと思う。10代の時って……ねばねばゼリーはあるかどうかわからないけど、なんかこう……暗い気持ちになって、世の中全部なくなってしまえとか、自分なんてだめだって思ったりすることってあるじゃん。」
ねばねば「そうですね。」
山口「僕もそういう時期が長くあったから、それをきっと……当時、人に聞かせるとかじゃなく、自分のためだけにその感情を歌にしたんだろうなって思う。今考えると。」
ねばねば「はい。」
山口「……それか、ただ単に「セプテンバー」って言いたかっただけかもしれない(笑)。」
ねばねば「ふふふ(笑)。」
山口「そんな簡単だったかもしれないしな。でも、「セプテンバー」ってタイトル、どう?」
ねばねば「すごいかっこいいなって。カタカナだし……カタカナっていうのもかっこいいなって。」
山口「ありがとう。学校の友達とかにサカナクションって浸透してる?」
ねばねば「まあ……そこそこです。そこそこ。」
山口「よしよし。そこそこくらいがいいよな。それくらいがいいんだよな。」
ねばねば「ふふ(笑)。」
山口「でも、これからもねばねばゼリーに良いって言ってもらえる曲を作れるように、先生、真剣に音楽と向き合っていくから。ねばねばゼリーも受験とかあると思うけど、頑張ってくれよな。」
ねばねば「頑張ります!」
山口「一緒に頑張りましょう。」
ねばねば「はい!」
山口「それじゃあ、またね。」
ねばねば「ありがとうございました!」
山口「ありがとう。」
山口「いやー……セプテンバーっていう曲のタイトルが、なぜセプテンバーなんですか?っていう質問って、めちゃくちゃ良い質問だなと思って。僕も今プロモーション期間中で、たくさんのライターさんとかにアルバムについていろいろ聞かれて答えているけど、曲のタイトルがなぜこのタイトルなんですかって聞かれたことがなかったから……ちょっとハッとしちゃったよね。でも、その質問で昔の自分のこととかを思い出していたし、ちゃんと17歳に……自分が一瞬返っていたかも。良い質問でした。ありがとな、ねばねばゼリー。」
山口「続いては20代の人。」
★サカナクション布教委員会
数ヶ月前のラジオで仰っていたサカナクション布教委員会の活動をご報告させて頂きたいと思います。(今更かもしれませんが…)
834.194が発売され、それや先日のMステで興味を持ってくれた友人(同年代から上は30代後半までの男女)数名を家に招き布教活動を行いました。
まずA4サイズで20P、14000文字程書いた独自資料を用意して、先日放送されたMステやニュース23のインタビュー、少し前に出演されていた関ジャムの音の変態特集の鑑賞。
そこから1公演分のライブBlu-ray鑑賞。その後は休憩がてら「絶対歌える男」や「絶対バレない男」等NFパンチの動画鑑賞。
更にMVやメイキング、『DocumentaLy』に収録されてたエンドレスの制作動画の鑑賞。その後も何曲かライブを鑑賞し、最後は10周年記念イベントのグッドバイで締めました。
その結果、最後のグッドバイは涙を流しながら鑑賞してくれた友人も居て、参加した人全員が834.194や気に入った曲を購入してSNSで色々と感想を呟いてくれていました。
特に気に入った曲は834.194だとモス、それまでの曲だとエンドレスを挙げる人が多かったです。
以上で報告を終わります!
男性/22歳/兵庫県
山口「おー、やってるねー。良いぞー。こういう本気のやつ、好きだぞ。……これ、どれくらいかかってるんだよ(笑)。よくやったぞー。ということで、この真面目な男子に電話してみましょう。もしもし!」
ほがし「もしもし。こんばんは。」
山口「こんばんは。布教活動、ありがとう。今、報告書、読んだぞ(笑)。」
ほがし「ははは(笑)。ありがとうございます。」
山口「ちなみに、この布教委員会の活動の会は、時間的にはどのくらいの中で行われたわけ?」
ほがし「そうですね……うちに集まったのが12時くらいで。昼の。で、終わったのが夜の9時くらい。」
山口「ははは!(笑) 9時間拘束?」
ほがし「そうですね。」
山口「どういう基準で集めたわけ?そこに集まった人たちは。」
ほがし「自分は合唱をやっているんですけど。合唱団的な団体で。その合唱の団体に、推し会っていうグループがあるんですよ。」
山口「推しっていうのは、推しメンとかの推し?」
ほがし「そうです、そうです。そのグループでは、自分の好きなもの……自分だったら、サカナクションですし。人にとっては違うアーティストだったり、漫画のこととか、スポーツのこと……自分の好きなことを布教するようなグループがあるんです。」
山口「あー。その推し会を開催して、ほがしはサカナクションを推しとして布教したわけだ、9時間(笑)。ナイス布教活動ですね。ほがしは、布教委員会の副部長に任命するわ。」
ほがし「ありがとうございます(笑)。」
山口「そして、みんなサカナクション好きになった?」
ほがし「もうみんな、すごく面白い集団だって言っていて……」
山口「おー、いいね。ナイス。」
山口「ニューアルバムは聴いてくれた?」
ほがし「はい。もちろん聴きました。」
山口「どうだった?」
ほがし「もう……すごく良かったです。DISC1とDISC2がありますけど、個人的にはDISC2の方が好きでした。」
山口「おー、分かるわ。」
ほがし「曲いろいろ入ってますけど、個人的には、新曲の中だと「ナイロンの糸」がすごく好きで。カロリーメイトのCMで流れていましたけど、それを聴いていいなって。すごく楽しみにしていました。」
山口「フルで聴いてみてどうだった?」
ほがし「2番のAメロの後って言えばいいのか……"いつかはわかる あの海のこと"の後に間奏がわーって入るじゃないですか。あそこの間奏がすごく……なんというか……解放感とかもありつつ、幻想的な雰囲気も感じ取れて。」
山口「言葉がないけど、そこに何か置いてあるような感じだろ?」
ほがし「そうです。」
山口「それは完全にサカナクションの術中にはまっているからな(笑)。」
ほがし「(笑)」
山口「でもいいよね。」
ほがし「あそこ、大好きです。」
山口「あそこで、ホーンって言って、管楽器が入るんだけど、あれは最初入れていなかったのよ。」
ほがし「あ、そうなんですね。」
山口「レコーディングの結構後半で、ここにホーン入れようよって話になって。」
ほがし「そうなんですね。でも、あのホーンの音がすごく印象深いなと思います。」
山口「うん。なんかあったかいし懐かしいし、曲の中にひとつの景色を足してくれるよね。」
ほがし「そうですね。すごく心に残りました。」
山口「いやー……アルバム6年ぶりに出したけど、次はもうちょっと早く出すからさ(笑)。なんとか布教活動を続けてもらって、次のアルバムまでに布教委員会を活発に盛り上げてもらえたらと思います。」
ほがし「はい。お任せください。頑張ります。」
山口「お願いします(笑)。ほがしも、勉強の方も頑張ってくださいね。」
ほがし「ありがとうございます。」
山口「また会いましょう。」
ほがし「応援しています。」
山口「ありがとう。」
そろそろ今回の講義も終了の時間になりました。
山口「2週にわたってアルバムの感想を聞いてきましたけど、こんな風に直接リスナーの人の感想を聞くことってないから……最初怖かったけど、何て言われるか。でも、皆さんにちゃんと届いたっていうのは非常に嬉しかったです。音楽って僕が作るだけでは皆さんの元に届かなくて、それを届ける人がいるっていうことも、6年ぶりにアルバムを出して改めてわかったんですよ。プロモーターの講義もこのサカナLOCKS!でやってきましたけど、みんなの力があって、仲間の力があってみんなの元に届いているんだなっていうこともちゃんと自分の中に刻んで、また次のサカナクションの音楽に進んでいけるかなと思いました。」