今回の授業は、以前宿題として出していた「ミュージシャンのファンクラブに求めるものを答えよ。」に提出された、生徒の皆さんの回答を紹介していきます。

山口「サカナクションにも、SAKANAQUARIUM(A)という有料のファンサイトがあります。どんなサービスが受けられるかというと……」

・最速チケット先行受付
・会員限定のWEBコンテンツ(動画やラジオ)の視聴
・メンバー、スタッフのブログ
・会員限定のSNS
・会員限定のアプリ

「……などです。皆さんはファンクラブにどんなサービスを求めているんでしょうか？昨今SNSも充実してきて、情報はどんどん入ってくるようになってきているし、皆さんが求めるものも変化してきていると思うので、どう思っているのかを聞いていきたいと思う。」



それでは、提出された回答を見ていきましょう！

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ファンクラブ間のチケット譲渡のシステムを進めてほしいです。
やっぱりファンクラブに入っている人はみんな、お金は正規の価格でミュージシャンに行くようにしたいと思っています。
言ってしまえば、ファンクラブに入っていなくてもライブは行けるしグッズも買えるし、会報誌もミュージシャンによってはあまり発行しないこともあると思います。
それでもファンクラブに入るのは、そのミュージシャンを応援したいという純粋な気持ちです。そして、応援するということはある程度お金を使うということになります。応援したい気持ちも尊重するのであれば、今蔓延しているチケットの高額転売から守るシステムが必要であり、それはファンクラブ間で正規のチケット譲渡を行うことだと思います。
私は今2組のファンクラブに加入していますが、1つはチケット譲渡のシステムが始まっていて、片方はまだです。将来的には、全ミュージシャンにチケット譲渡のシステムが進めばいいと思います。

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「このチケット譲渡サービスは僕らもやっていて、それがもっと大きな組織になってやっていけるようになったらいいなと思っていますね。でも、これは難しい問題なんだよね。要するに、ファンクラブ内でも正規以上の値段で売る人が出てくる可能性もあるし、ファンクラブに加入してチケットを譲渡してもらったものを他のところで転売するとかね……そういうこともあり得る。ネガティブリサーチをしていくと、いろんなことが出てきてしまうんだけど、ファンの中でっていうところでの信頼感みたいなところに期待するのであれば、これを進めていくべきだと思う。どういう風にするかっていうシステムの作り方が難しいので……。」

「あと、電子チケットにしたことで、軽い気持ちで友達に、チケット余ったから一緒にライブ行こう！って言えなくなったとか、そういった問題も出てきているんですよ。今までは、自分の友達はサカナクション好きじゃなかったけど、チケットが余ったから誘って連れてきたら友達もサカナクションにはまった……っていう連鎖や横のつながりみたいなものをいろいろ考えていかなきゃいけないなって。システムのアップデートも待たないといけないと思う。だけど、これはファンサービスとして重要なことだと思う。」

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僕の家族は4人家族中3人がサカナクションの年会費なので、山口さんの例えにあったみたいに、ファンクラブの特典がCDだと同じのが3枚になるからちょっと困るかな。
僕が考えたのは、ファンサイトの中でポイントとかが支えて、例えばファンミーティングとかは10000ポイントで参加できるとかで、10000ポイント貯めるには最低3年かかるとか。ライブの優先権は1000ポイント(ライブ代自体は別に払う)とか。
この間RADWIMPSが年会報誌を販売して、実はそれにライブのチケット優先権が付いていたっていうのをやっていて、うわー！買えばよかった！ってなりました。でも、RADWIMPSはファンクラブないんですけどね。
クラスの子に三代目J Soul Brothersのファンの子がいるんですけど、そのファンクラブは年会費を払っていても動画の配信を見るのに別で月額料金がかかるとか、ライブのチケットめっちゃ高いのに見ない映画のチケットを抱き合わせで売ってくるって愚痴っていました。
僕は中学生なのでライブのお金とかいろいろ親が払ってくれますが、本当にファンなら好きなミュージシャンに喜んでお金を使うと思います。なので、岡崎体育さんのファンクラブの話は肯定派だったんですが、サカナクションが炎上したら悲しいです。けど、いろいろ新しいことに挑戦するサカナクションが大好きです。

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「あー……確かに。CD3枚もいらないですもんね(笑)。実は僕らもポイント制っていうのを考えているんですよ。ただ、僕らが考えているのはちょっと特殊で、CDって3000円前後で値段が決まっているじゃないですか。だけど、CDの値段の中にポイントが含まれてる……例えば、1000ポイント付いてくると。となると、CDは実質2000円だと。で、その1000ポイントを使って、チケット優先購入できたり、動画が見られたり、グッズを買えたりとか物に変換するとかできたりするようなことをや考えたことはありました。まあそれは実現していないし、もっと良い考え方があるんじゃないかなと思っているけど、なのでポイントっていうのは、今、電子通貨みたいな……サカナコインみたいな(笑)ことになるとややこしくなるんですが、こういうやり方っていうのはありかなと思っています。でも、RADWIMPSも年会報誌ってやっているんですね。実は、僕らも雑誌を作ろうと思っていて……『年刊サカナクション』っていう。そこでいろんな情報を、いろんな人と対談したりするっていうのをやろうかなって思っていましたけど。でも彼。てるっぽは真剣に考えてますね。確かに、家族4人中3人が年会費を払っていたとしたら、僕が言っていた特典のCDは3枚届いちゃうってことですよねー……なるほど。」

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僕がファンクラブに求めるものは手軽さです。
入るか否かと迷うのはやはりお金のことや使い勝手などが挙げられると思います。なので、動画サイトやストリーミングのように、最初の1ヶ月だけ無料、その代わり、お試し中の人はチケットの優遇などはできない。みたいなことを考えてみました。

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「これは確かにある！これも僕らは考えていたよね。CDを買ってくれた人は、最初の1ヶ月間は無料で入ることができて、継続するかどうかは後から選べるとかね……結構僕らも考えているんですよ。でも同じところに辿り着いているっていうことは、僕らの狙った的が間違っていないということになってきましたねー。」

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ミュージシャンが作詞などで悩んでいることや、スランプについて少しだけ公開してもらいたい。ファンクラブに入っている人は応援しているだけでなく、支えてあげたい！と思っている人が多いと思うので、公開したらさらに具体的な応援メッセージが送りやすいです。

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「おー。これね……得意だよ(笑)。常に悩んでいるからね、おじさん(笑)。ただね、ファンの人たちの気持ちっていろいろあるから。純粋に「頑張って、一郎さん！」って人もいるけど、「そんなことで悩むなよ」とか、変なことを言ってきたりする人も出てくるんだよね、ファンといえど。だからそこはちょっと難しいところかなと思う。ただ、彼が言う、支えてあげたいと思っている人が多いというのはすごく感じていて、今のファンクラブのシステムだけでは、みんなが支えたいとかもっと知りたいとかいう気持ちをすべて組んであげられていない……なあ、という気がする。今回の皆さんの宿題を見ていて、確信に変わったところが1つある。ファンクラブっていう言い方をもうやめる。サポーターシステムっていうものに変更していこうかなと。本当に実践するかどうかわからないからアイディアとして聞いてもらいたいんだが、長くファンクラブの会員でいることって愛の深さ……支えたいと思っている表れだと思う。免許証のゴールドカードみたいなもので、ゴールド会員みたいなものは作っていきたいんだが、よくInstagramとかで、僕の投稿にコメントしているやつに対して "いいね" をつけている人っているんですよ。例えば、僕が「歌詞が書けなくて悩んでる」とか、「Tシャツのデザインどっちが良いかな？」って投稿した時に、これこれこういう理由でここれがと思いますとか、こういう風に解決してみたらどうですか？という意見に対して、ファンがみんなで、いい意見に "いいね" すると。そのいいねが多い人だったりが、ゴールドカードの更に上のシーラカンス会員みたいな(笑)……トビウオ会員か(笑)、下じゃなくて上だからトビウオ会員、みたいなものになれちゃうと。そのトビウオ会員は定員が決まっていると、タコの漁業権みたく(笑)。例えば30人しかなれない。そのトビウオ会員はいろんなことができるけど、その会員を脱退したり辞退したりすることもできて、空き枠が出たら、次のトビウオ会員が入ってくるみたいな。」

「あとは、レイヤーを作ろうかなっていうのは思ってる、悪い意味の階級ではなくて。例えば、サカナクションのグッズに対して意見したいとか、ブランディングに対して物申したい人もたくさんいると思うわけ。そういう、ちょっと踏み入ったところの意見を交換したり、意見を言いたいっていう人は、ちょっと多めに年会費だったりを払うと。そうすると、グッズの打ち合わせとかに入れるとか、セットリストの会議に意見を言えるとか……極秘情報もあるから、なかなかそれは難しいと思うんだけど、もっと込み入ったところの話ができるっていうのも、ある種、年会費の中の振り分けにできたら良いかなっていうのはちょっと思っているね。新しいことにチャレンジする時って、必ず抵抗があるので、その中でどのくらいそれを汲みつつも自分たちの世界観を作っていくか、コミュニティを強くしていくかっていうのは、これからの課題かなと思うし、これからの時代は、思いっきり外に広げることより、今目の前にいる人たちの血をどう濃くしていくか、どうシェアしていくかが大事だと思うから、ファンクラブはこれからのミュージシャンに対して、曲を作ることと同じくらい重要なツールになっていくと思います。なので、直接「こういうことをやってほしい！」「ああいうことをやって欲しい！」ってミュージシャンとかスタッフに投げかけてあげると良いかもしれませんよ。だから、僕のTwitterやInstagramでも飛ばして欲しいですし、みんなが思っているよりも僕らはコメントとかめちゃくちゃチェックしているので、ぜひ意見をください。サカナクション本体のTwitterとかInstagramでも構いませんので。DM(ダイレクトメール)だと多すぎて追えないから、コメントとかの方がありがたいです。」



今回の授業も終了の時間になりました。

「先生たちが若い頃ってミュージシャンに意見を言えるなんてことはなかったですからね、SNSもないし。ラジオへのハガキも読まれて欲しいから端を蛍光ペンで塗って目立つようにしたりとかね(笑)。今ではもうメールですもんね。だから、そういう意見が届くようになってきたっていうのも、ミュージシャンにとってプラスだっていう風に捉えなきゃいけないなと思う。だから、いっぱい意見を投げてもらいたいと思います。……時代は変わっていくね。」