SCHOOL OF LOCK! | スカパー! 校内放送 ラッパーズ

DTラップクルー 『第15回高校生RAP選手権』東京オーディション レポート

校内放送ラッパーズ 2019年03月01日(金)

SCHOOL OF LOCK!

『DTラップクルー』

まだラップをほとんどやったことがない”ラップDT”の4人。
最終目標は、2019年・春に開催される『第15回高校生RAP選手権』出場
ラップをイチからはじめ、本番まで約半年しかない中でのチャレンジだった。

特別顧問は、数々のフリースタイルバトルで輝かしい成績を残してきたR-指定(Creepy Nuts)先生。
専属講師は、過去の『高校生RAP選手権』で活躍したEINSHTEIN先生、言xTHEANSWER先生。
DTラップクルーの4人は、毎週出されるラップの”宿題”を通して、この半年間、修行を重ねた。
約半年間分の宿題音源、専属講師とのやりとりは全て[コチラ]に記録されている。)

大阪オーディションから1週間後、2019年2月2日(土)
『第15回高校生RAP選手権』出場を懸けた、東京オーディションが開催された。
DTラップクルーから、東京オーディションに出場したのは残りの2名。

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まずは、茨城県 17歳 詠み人知らズ

詠み人知らズ『このプロジェクトを通して、弱い自分を変えたいんです』

人前で自分の意見を言うことができない…他人の意見に流されてしまう…
そんな自分を変えるため、彼はこのプロジェクトに参加したという。

きっかけは中学3年生の頃。
ある映像を見て衝撃を受けたのが、ヒップホップを知るきっかけだった。

それは…「フリースタイルバトル」
ビートに合わせて、韻を踏みながらラップして自分の生き様や考えをぶつけ合う、いわば「言葉のボクシング」

詠み人知らズ『自分もラップができるようになりたい』

気持ちが高まっていた時期に、
DTラップクルーの募集が始まったことを知り、応募。

こうして、ヒップホップリスナー側だった彼は、このプロジェクトを機にプレイヤーとしての第一歩を踏み出した。

専属講師・EINSHTEIN先生のもとで練習を積み重ね、オーディションまでには自らの意見をラップに乗せて主張することができるようになっていた。

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そしてもう1人は、静岡県 16歳 アプリコット

アプリコット『普通から抜け出したい。普通が嫌だから』

DTラップクルーで紅一点の彼女。
応募の際に書き込んでくれたのがこの言葉だった。

学校での成績も普通…
部活でやってたバスケも普通…
習い事のピアノも普通…

アプリコット『今の私は普通人間。クソダサイから、カッコよくなりたいです。何かに本気でチャレンジしてみたい』

ラップは未経験。普段からヒップホップを聴くこともほぼなく、SCHOOL OF LOCK!のいち生徒だった彼女。

このプロジェクトを通してラップと向き合う中で
「何か1つのことに本気で夢中になって、自分なりの『鍵』を見つけたい」
そんな思いが、クルーメンバー4人の中でもひときわ強いように見えた。

本番までに自主的にサイファー(=ラップバトルの練習会)に参加して、腕を磨いたり、ラップをきっかけに新たな友達を作り、コミュニティを広げていたからだ。

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そんな2人が半年間の成果を見せる日がやってきた。

東京オーディションは、大阪と同じく、まずエントリー者2名でフリースタイルバトルを行い、そこで審査員の目に止まった人だけが残され、残ったメンバーでもう一度バトルをおこなうというもの。
つまり、その場で1次審査の結果がすぐ出て、審査員の目に止まらなければ、そこで終わり。


先に会場に到着し、前半のブロックでエントリーを済ませたのはアプリコット。

アプリコット『控え室に入った瞬間は怖かった。本当にこの人たち高校生かなと思った』

控え室では紅一点。
一人でラップを練習する者、大人びたヒップホップファッションに身を包む者、目を閉じて集中する者…
張り詰めた空気のなか、アプリコットは静かに呼吸を整えていた。

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そしていよいよアプリコットが審査を受けるブロックのオーディションがスタート。
じゃんけんに負け、アプリコットが先攻
ルールは8小節の2ターン。

DJがビートをかけ、いよいよバトル開始!

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1バース目はやや緊張しながらも、詰まることなくラップをするアプリコット。
後から聞くと、実は先攻でラップするのは初めてだったという。

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自分のターンが終わると相手のラップをよく聴きながら、2バース目。
緊張が解けたのか、得意のリズムキープを活かしたスタイルで相手をディス!
それに対する相手のアンサーが終わったところで審査終了!

後は、審査員に呼ばれることを祈りながら待つのみ。


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アプリコットが終わり、後半のブロックで詠み人知らズが登場!
リュックを背負ったままラップをするヒップホップスタイルを踏襲し、あえてマスクも完全にとらないラフなスタイル。


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じゃんけんに勝ち、後攻を選択。
DJがビートをかけ、いざバトル開始!
相手のラップに対して、果敢にアンサーをする詠み人知らズ。
ラップは途切れずにできているが、バトル自体が初めてのため、うまく声がマイクに通らない…

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相手から声が通っていないことを指摘されるも「バトルを楽しもうぜ!」と煽られてこの笑顔。

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相手の一言で、気持ちに余裕ができたのか2バース目はしっかりと実力を発揮。
とにかく楽しそうに、堂々とラップを披露していた。






本番を終えた2人の結果は…不合格。
残念ながら審査員の目に留まらなかった。


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オーディションが終わり、会場の外でアプリコットと詠み人知らズは初めて顔を合わせた。

初対面にも関わらず、すぐに意気投合。
2人はこれまで一緒に練習を積み重ねた戦友。
ずっと前から友達だったかのように今の心境や、反省点を語り合っていた。


本名も知らなければ、住んでいる場所も、通っている学校も違う。
でも、2人とも『SCHOOL OF LOCK!』という学校の生徒であり、『DTラップクルー』のクルーメンバー。



「ラジオ」「ラップ」が2人だけでなく、
校長・教頭・R-指定先生・EINSHTEIN先生・言xTHEANSWER先生、
そして、4人のクルーメンバー全員を繋いでいると感じた瞬間だった。


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アプリコット『こんなに夢中になれるものを見つけられたことが嬉しい。これからもラップを続けて、次回の高ラオーディションも受けようと思います。リベンジします!』

目を輝かせながらそう語る彼女は、カッコよく見えた。
もう、普通人間なんかじゃない。


詠み人知らズ『自分の意見を音楽に乗せて言えるようになった。ラップは続けていきたいし、ゆくゆくはトラックメイクの勉強もして自分で曲を作りたい』

君は、もう弱くなんかない。
自分の好きなことを見つけた者は、強い。

2人はオーディションで負けてしまったが、過去の自分との戦いには確実に勝っていた。
自分を解放し、真摯にラップと、自分自身と向き合ってきたからこそ得たものがそこにはあった。

君たちのビートは、これからも鳴り続ける。
そこにどんなノリでどうやって乗っかっていくかは自分次第。
なぜなら、人生はフリースタイルなのだから。


text by ジャーゲジョージ
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