未確認フェスティバル2015直前!
「バンド部」電話相談

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山口「はい、授業を始めますから席に着いて下さい。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている生徒はTwitterをそのままでいてください。Instagramもそのまま開いていてください。授業が始まりますよ。今日は、久しぶりに生放送教室より、緊急学級会をお届けするぞ!」

「まずは、サカナクションからのお知らせがあります。7月に行なった、サカナクションがオーガナイズするパーティ『NIGHT FISHING』ですが、名前を『NF』に改め、来月9月よりレギュラーパーティとして開催されることになりました!ありがとうございます!みなさん、ありがとうございます。これはどういうことかというと、7月にやったクラブイベントを2ヶ月に1回くらいのペースでレギュラー化していこうと。そして、まだ未成年の方たちが大人になるまで続けていこうじゃないかという志を持って、『NF』と名前を改め、やっていきたいなと思っておりまして。次回は9月11日(金)恵比寿LIQUIDROOMにて開催です。深夜のクラブイベントなので、今回も20歳以下の生徒は参加できないんですが、前回同様、20時からスタートするPart.1のDJはストリーミング配信も予定していますので、それを楽しみにしていてください。あと、ワークショップとか、トークイベントとか、そういうのも計画しているんですよ。それも、できれば配信したいと思っています。まだ分からないんですが。先生は、今回もDJとして出演いたします。そして、副担任の草刈愛美先生も、DJとしてここで活動を再開いたします。職員復帰しますね(笑)。やっぱりこう、みんなと音楽の楽しみ方を一通りだけじゃなく、いろんな楽しみ方を共有したいという想いで始めたこの『NF』。続けていくことでやりかたもいろいろ変わっていくと思うので、温かく見守っていただきたいなという部分と、是非遊びに来ていただきたいなと思っています。よろしくお願いします。」

『NF』Official Site [⇒コチラ!]

「じゃあ、黒板書きます。……先生、今ね、歌詞書いているんですよ。だから久々の下界だぞ(笑)。いつも歌詞に追われているな、先生。」

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「今度の日曜日に、新木場Studio Coastで開催の『未確認フェスティバル2015』ですが、当日朝11時からPOOL SIDE STAGEで行なわれる曲だけコースのファイナリストに、なんと、このサカナLOCKS!の生徒が選ばれました!優秀。我がサカナLOCKS!の生徒からね、優秀な生徒が生まれてくれるのは誇りに思うぞ。みんな、覚えてるかな?今年の2月に生徒からオリジナルのインスト曲を募集していて紹介したじゃないですか。先生はっきりと覚えているぞ。しかも、ファイナリストの二人とも、サカナLOCKS!で紹介していたので、今夜はサカナLOCKS!の生徒を“完全えこひいき”していくぞ!(笑) 任せろ先生に!大人の力を使うぞ。未確認フェスティバル直前ということで、電話でいろいろとアドバイスをしていきたいと思っております。早速いっちゃうよ。生徒にえこひいきフォン(笑)。」

「まず1人目。Logicというソフトを使ってEDMを作っていると言っていた、Leave E。(♪ Leave E「Egetsunai Dance Music」が流れて……)おー、イェーイ!フー!出た!「Egetsunai Dance Music」。覚えていますよ EDMって、Electronic Dance Musicだからね。でも彼の場合は、Egetsunai Dance Musicだから。じゃあ電話しましょう。」


■ Leave E 「Egetsunai Dance Music」


山口「もしもし!」

Leave E「もしもし!Leave Eです!」

山口「おめでとう!」

Leave E「ありがとうございます!!」

山口「今いくつ?」

Leave E「15才です!」

山口「15才!もともとメインステージに応募していたみたいだね?」

Leave E「はい、してました。」

山口「なんで今回POOL SIDE STAGEに出ることになったの?」

Leave E「あの、メインステージにも出していたんですけど、結構時間があるなということで、ついでに作ってみようってことで新曲を作って応募しました。」

山口「あー、なるほど。制作期間が結構あったってこと?」

Leave E「はい、結構ありました。」

山口「それは素晴らしいね。当日はどんな感じでいくの?こういうEDM?」

Leave E「当日もEDMです。EDMと、トラップミュージックを混ぜようと思っています。ジャンル的に、テンポの早いEDMというか。野蛮な感じのEDMをやろうかなって……。」

山口「はいはい。2ステップ系ね。」

Leave E「ですね。」

山口「なるほどー。なんか当日に向けて聞きたいこと、ある?先生いろいろえこひいきするよ、思いっきり。」

Leave E「はい、ありがとうございます。とても心配なことがありまして、10代の生徒が多いじゃないですか。」

山口「君も10代だからな!(笑)」

Leave E「ははは(笑)。で、僕の周りの10代も、あまりEDMを聴いていないのですよ。」

山口「あ、そうなの?」

Leave E「はい。四つ打ちに、非常に慣れていなくて……。」

山口「あー、ダンスミュージックに慣れていないってことね。バンドの四つ打ちはよく聴くけどって。」

Leave E「はい。で、バンドは聴くっていうことで、バンドの曲をリミックスして、それを出していこうかなという考えもあるんですけど。」

山口「当日ロックの曲をリミックスして演奏するってこと?」

Leave E「はい、演奏します。」

山口「ちなみに、誰の曲の何をやるの?」

Leave E「KANA-BOON様の、「見たくないもの」です。」

山口「はいはい。え、これをリミックスするの?」

Leave E「はい!」

山口「え、でも、これって、音源をそのままリミックスしていくってこと?」

Leave E「はい。サンプリングしてリミックスしていこうと思っています。」

山口「なるほどねー。面白そうだね。」

Leave E「そうですか?へへ(笑)。それでですね、原曲より劣ってしまうリミックスになったらどうしようという不安があり……。あと、四つ打ちに慣れていない10代の方々のためにも、どうやったら踊らせられるのかっていうコツも教えて欲しいです。」

山口「なるほどね。まず、リミックスに関してだけど、原曲より劣るっていうのは、聴いた人の判断じゃん。だから自分で、このリミックスはカッコイイって、KANA-BOONの音楽を使わせてもらって自分の作品に変えるわけだから、感謝の気持ちを込めて、自分の好きな物にすれば、それで大丈夫だと思うよ。自分が納得いく所までやるっていうのが大事かな。で、聴いた人が原曲の方が良いってなっても、それはそういう感想なんだからしょうがないじゃん。合わせにいっちゃだめだよ、そこにいる人たちに。自分のやりたいことをやるってことがいいかなと思う。」

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Leave E「なるほど……。」

山口「2つ目の質問で、こういうEDMに慣れていない人たちにどうしたら楽しんでもらえるのかっていうのは、自分がEDMを聴くときはどういう風に楽しむの?」

Leave E「自分は……、部屋で1人で聴いていて、とても迷惑になるのであまり言えないですけど、すごい暴れます。」

山口「暴れるのね。それは、演奏するときも暴れるの?」

Leave E「はい、結構暴れると思います。」

山口「多分、みんなはその音楽に対してどう身体を動かして良いか分かんないんだよ。オーディエンスはね。だから、それを自分の身体の動きでちゃんと案内してあげたら良いよ。ここは落ち着くところだよ、とか、そろそろ盛り上がってくるよ、ってところでスティーブ・アオキ(Steve Aoki)先生みたく、手を突きのばしたりとか。」

Leave E「あ、やってますね。」

山口「そうそう。みんなの動きを誘導してあげると、みんなが入ってきやすくなると思うよ。」

Leave E「なるほどー……!使えますね!」

山口「使える、使える。今(放送のBGMで)流れている曲は、Leave Eが作っている曲?」

Leave E「はい。これは、「Egetsunai Dance Music」にアドバイスしてもらった後に、とても苦労しながら、でも、参考にしながら作らせていただいた「Motto Egui Dance Music」です!」

山口「もっとえげつないダンスミュージック……!(笑) なるほどね。確かにレベルアップはしているね。だけど、今パッと聴いた感じ、キックが弱いね。」

Leave E「あ、弱いですか?」

山口「弱い、弱い。だし、これはサイドチェインコンプかけてる?」

Leave E「いや、かけていないです。」

山口「かけたほうがいい。“サイドチェインコンプ”と調べなさい。ググれば出てくるから。で、もっとウワウワさせた方が良いよ。」

Leave E「ウワウワ……?」

山口「あのね、キックの音が出ている時に、他の音が引っ込む。キック以外の音が引っ込んで、キックがない時に他の音が出てくるっていう。ドゥ、ドゥ、ドゥ、ドゥ……っていうノリだよ。みんなかかっているから。Steve Aokiも。全員サイドチェインコンプは使っていると思うよ。研究しなさい。」

Leave E「はい!」

山口「これをしっかりかけると、この揺れで持っていけるから。」

Leave E「あー……、そういう効果もあるんですか。」

山口「うん。Leave Eの曲はボリュームでそういう風にしているの?」

Leave E「これは、リードトラックの設定にそういうのがありました。」

山口「はいはい。それは、ズルだね。」

Leave E「ですか……。」

山口「ズルっていうか、自分で好きな音を作って、キックを当てて、コンプでサイドチェインがかかるのが一番かっこよく作れると思うよ。あと、コンプもね、速さがあるから。……ちょっと、話しているとキリがないんだけど。」

Leave E「はい。」

山口「もうちょっと、キックの存在感を出した方が良いかなと思います。」

Leave E「はい!」

山口「先生ね、当日行けるかは分かんないんだけど、当日行けたら、遊びに行くから。……分かんないけど。行ける可能性、15パーセントくらいだけど(笑)。」

Leave E「そうなんですか(笑)。」

山口「でも、当日頑張ってね!」

Leave E「はい、頑張ります!ありがとうございました。」

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山口「続いて2人目は、iPhoneのGarage Bandというアプリで曲を作ると言っていた、idomizに電話を繋ぎます。先生、覚えていますよ。もしもし!」

idomiz「もしもし。」

山口「おめでとう!」

idomiz「ありがとうございます。」

山口「今おいくつですか?」

idomiz「17です。」

山口「17才。若い、いいねー。当日はどういう感じでいくの?こういう曲調でいくの?」

idomiz「そうですね。もう、四十こんな感じでいきます。」

山口「(idomizの「New Action (for the past)」を聴きながら……)これが前送ってくれたやつだよね?いいよねー。」

idomiz「はい。ありがとうございます。」

山口「けっこう、ハウスとかが好きなの?」

idomiz「えーっと、ハウスよりは、もっと静かなエレクトロニカとかが。」

山口「あー。チルとか、エレクトロニカか。でも、四つ打ちのキックは入れたい感じなんだ?」

idomiz「いや、四つ打ちにはこだわっていないですね。」

山口「なるほど。何か聴きたいことはありますか?」

idomiz「僕がやっているような音楽っていうのが、あまり同世代の高校生とか中学生で好んで聴いている人は少ないと思うんですけど、さっきのLeave Eさんのお話も聴いていたんですけど、四つ打ちとかEDMどころの話じゃないアンダーグラウンドなやつなので。自分のステージに来てくれた人たちが、自分がやっているような音楽とか、好きなジャンルの音楽に興味を持ってくれるために僕ができることがあるかなって考えていたんですよ。それをお聞きしたいです。」

山口「なるほどねー。でも、その悩みは僕も常にあるんですよ。」

idomiz「あ、ほんまですか?」

山口「うん。自分の好きな音楽が、リスナーにとってちょっと難しいものに鳴る場合が多いのね。だけど、それをどうすればいいかって工夫することがサカナクションらしさになっている気がしているのね。だから、きっと、idomiz君も、今やっていることがアンダーグラウンドで、聴きに来ている人たちにとって難しいかなって思っているってことでしょ?」

idomiz「はい、多少思っています。」

山口「だったら、どうしたら自分が今作っている好きだと思うものを、そういうのにあんまり興味が持たないような人たちがどうやったら気に入ってくれるかなっていうのを考えるっていうのがまず大事だなと思うのと、そういう人たちって普段はどんな音楽を聴いているんだろうとか、どんな音楽に反応しているんだろうとか、もっと理屈っぽく言うと、どんな音色(おんしょく)に反応しているんだろうとか。そういうところにまで掘り下げていくと、ひょっとしたら答えがあるかもしれないね。」

idomiz「あー、なるほどー。」

山口「だけど、絶対に間違えちゃいけないのは、自分の嫌いなものを作っちゃいけない。オーディエンスに合わせるにしても、自分らしく作るにしても、どっちにしても、好きなものにしなきゃいけないね。そこがちゃんと完結していれば、伝わっても伝わらなくても、何の問題もないよ。どっちでも良いんだよ。その場にいる人たちに伝わらなくても、ひょっとしたら今ラジオを聴いている中でさ、この音楽が好きっていう人がいるかもしれないじゃん。きっといるし。」

idomiz「そうっすね。」

山口「だから、まだidomizの音楽人生はここから始まるかもしれないわけじゃん。そのストーリーを楽しんでいけばいいんじゃないかなと思います。自分が気持ちよくなることで、それはきっと伝わると思うよ、当日は。」

idomiz「ありがとうございます。」

山口「(オンエアで)今流れている曲が、idomiz君の新曲?」

idomiz「はい!僕のです。」

山口「かっこいいね。もっと勉強して、もっとかっこいい音楽を作ってください。」

idomiz「はい、ありがとうございます。」

山口「当日、僕15パーセントの確立で行くから(笑)、もし行ったら会ってお話しましょう。」

idomiz「是非!」

山口「当日、頑張ってね。」

idomiz「はい、頑張ります。」


■idomiz 「seaf」


山口「ということで、未確認フェスのPOOL SIDE STAGEに登場する2人のパフォーマンスをお楽しみに。当日会場に行く人は、是非聴いてみてあげてください。」

『未確認フェスティバル』 Official Siteは[⇒コチラ!]
当日は、チケット無し、入場料は無料ですので、皆さん是非遊びに来てください!

そろそろ授業も終了の時間になりました。

山口「我がサカナLOCKS!の生徒から、こういう風に大きいステージに立てる人が出てきているっていうのは、先生誇らしい。また、こういうインストの授業をやって、新たなidomiz君や、Leave Eが生まれるように先生も一生懸命、音楽を伝えていきたいなと思っています。」

「さて、来週のサカナLOCKS!ですが……サカナクションの新曲「新宝島」独占先行オンエアしたいと思います!WHOOOO!!……なんだ、このテンション(笑)。ついに、みんなに「新宝島」という僕たちの新曲を聴いてもらえるときがきました。これは、10月5日から公開されます、映画『バクマン。』の主題歌になっています。今まではね、サビの部分しか聴けなかったんですけど、この曲は面白い部分がいっぱいあるんですよ。だから早くみんなに聴いてもらいたい。なので、来週を楽しみにしていてください。」

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