『あたりまえがあたりまえじゃない』
3月11日に改めて震災を振り返り、身の回りのあたりまえについて考えてみることが必要だと思う。
あの震災から5年が経とうとしている。当時私は中学2年だった。
あれから今まで早かったように感じるが、復興のスピードは決して早いとは感じない。
去年も未来新聞を書かせてもらった。それによって現状を知ってくれた人もいると思う。今回も今の現状を知って欲しい。
私の地元は福島県の浜通り地方といい、太平洋に面する地域である。
震災では地震や津波の被害に加えて、原発事故の居住制限や風評被害で大きな影響を受けたところである。
この1年復興作業や除染のため、全国各地にとどまらず海外からも作業員の方が来てくれて、毎日作業してくれています。
しかし、田畑の多くが作業員のための宿舎の建設に使用されており、一方では問題にもなっています。
また、作業員の中には夜や週末にコンビニや居酒屋、駅前などで集まっていたり、マナー違反な行動をして市民が住みにくい街にしているという実態もあるのが事実です。
一般的には復興してると見られがちですが、復興するにも犠牲が出ているということ、細部まで見るとまだ問題が山積みだというこの現状を理解して貰いたい。
私も福祉を学んでいる身として、人々がよりよく安心して住める地域づくり、福祉環境を整えられるような実践力のある専門家になりたい。
去年も書きましたが、私が1番伝えたいこと、あの日実感したこと。
それは、『あたりまえがあたりまえじゃない』
1年に1回、この3月11日に改めて震災を振り返り、身の回りのあたりまえについて考えてみることが必要だと思う。
くろっくろー 福島県 19歳 男
とーやま校長が2016年2月にくろっくろーの元を訪れました。
その時のレポート「
とーやま校長、福島へ。」も併せてご覧ください。
くろっくろーが未来新聞2015年3月11日号に寄稿してくれた記事
ボランティアの方たちや除染の作業員の方たちが
被災地のために今も一生懸命頑張ってくれている。
震災からもう4年。
あれから街の様子は復興に向けて少しずつではあるが変わりつつある。僕の住んでいる南相馬市は沿岸部は津波の被害、小高区と原町区の一部は原発事故の影響で避難区域に指定されたりと多くの課題が山積みとなっている。あの当時は放射能のことで嫌な思いもたくさんした。
けれど、一番心に残っているのはボランティアの方たちや除染の作業員の方たちが被災地のために今も一生懸命頑張ってくれていること。これは感謝してもしきれない。休みの日は宿舎の周りをゴミ拾いして地域に貢献してくれている。こんな細かいことはメディアにも取り上げられないし、みんなに伝わっていない。風評被害も未だ続いている。検査して基準をはるかに下回っていても売れない。安全をもっとわかりやすく国が責任もって伝えてほしい。みんなにもっと現状を知ってほしい。
自分は今大学受験真っ最中。志望校に合格して行政、社会福祉の基礎を学びきって将来、生まれ育った地元の復興に携わり、よりよい街にするため自治体職員になりたい。
そして被災地の復興の足跡を全国、いや、世界中に発信して二度とこんなことが繰り返されないように伝えていきたい。
あの日実感したこと、『あたりまえがあたりまえじゃない』
この出来事は絶対忘れてはいけないし、語り継がれなければいけない。1年に1回、この3月11日に改めて身の回りのあたりまえについて考えてみることが必要だと思う。
くろっくろー 福島県 18歳 男