先週に引き続き、天然記念物に指定されるような古い巨木から、街路樹、公園の木々に至るまで、診断や治療をする専門家・樹木医のお話です。
樹木医の後藤瑞穂さんに、樹木医というお仕事のことや、町の木々の健康をチェックするポイントなどを教えて頂きましたが、今回は、後藤さんがこれまでに出会ってきた、「巨木」のお話です。
まずは、樹木医のお仕事をしてきた中で出会った印象的な巨木をいくつか教えて頂きました!

◆木は生きつづけることができる
私が今まで見てきた巨樹古木でとても印象的だったのは、阿蘇にあります、高森殿の杉です。その杉は一見森のように見えるんですね。大きな木がいくつもある場所なのかなと思って近寄ってみると、それはなんと一本の木が枝が折れて地面について、そこからまた根が張って新しい幹を作って新しい枝葉を出してるというそういう珍しい光景が見れる杉なんです。
枝が地面に接地しますと、そこの細胞が、暗くて湿り気があるという条件によって根に変化してしまうんですね。そうすると枝が本体から分かれて、もう一つ新しいクローンの木ができちゃうんです。不思議なんです。
幹はとても太いんですよ。で、周りにタコの足ように枝葉が伸びてまして、それがいつしか重たくなって折れてしまうんですね。でも、折れてもそこでくじけることなく、また新たな命として再生してってるんです。なんてすごいんだろうと思いました。
その現象は杉だけではありません。砧公園でも桜でそういう状況が見れました。桜の枝が地面に接地して、そこから新しい枝が伸びてました。木はでそういうふうに、永遠に不滅なんですね。私たちみたいにひとつの命で、ひとつの体が死ぬのではなくて、何回でも再生できる、そういう特性を持ってるんです。
ですから、死なないというか、死んでるけれどもまだ生き続けてるというか、そういうちょっと神秘的で哲学的な生き物なんですね。

さらに後藤さんは、ご自身も実際に治療に関わったという、大変な樹齢の「桜」のお話もしてくれました。

◆木は置かれた環境で常に全力で生きる
おととし、山梨県の甲州市にあります、慈雲寺というお寺にある大きなイトザクラの診断をしました。それは樹齢が400~450年の大きな枝垂桜なんですけれども、実はほとんど中が腐っていまして、丈夫なところは外側だけだったんです。街路樹の場合は、そういう状態は危険だから切ってしまえってなるんですね。でも天然記念物は、やっぱり中が多少腐ってても大事にしていきましょうということで、樹勢を回復させるべく、樹木医さんが一生懸命治療をするわけなんです。
天然記念物になる条件として、やはり人との関わりというのがすごく大事なんですね。ただ大きければいいわけではなくて、ちろんそれだけでも素晴らしいんですけれども、その木をみんなが大事にしてきた、長い間神様として崇めてきたっていうところもすごく大事だと思うんです。
樹木は置かれた環境で、そこから動けないんですね。一度そこで生育し始めたら、そこから引っ越せないんです。もうやだな、と思っても変えられないんですね。置かれた環境でベストを尽くすしかないので、常に全力。すごい生き物だなと思います。それを何百年も続けてきてる。

後藤さんは数年前に、山梨県 甲州市の慈雲寺にある、木の腐れ部分の診断をされたそうです。後藤さんや地元の樹木医さんの治療もあり、人間に例えれば、「怪我はしているけど、元気な状態」だということです。

最後に、後藤さんが考える巨木の魅力とはなにか、お話をうかがいました。。

◆木は歴史の生き証人
まずなんと言っても木は歴史の生き証人ですよね。年輪を調べるとその年の気候がわかります。暖かかったらより幅が広いんです。寒かったら、ちょっとしか成長しないから年輪の間隔が狭いんですね。そういうことで、その年がどんなことがあったのかっていうのを読み取ることができるんですね。
それにいろんなことが想像できるんです。400年前の人は、この木の下で何してたんだろうとか、鶴岡八幡宮の大銀杏なんかは暗殺の場面を見たんじゃないかとか。もし木がしゃべったら、あの歴史の真相はこうだったんだよって言ってくれるかもしれないですよね。もしかしたら、将来そういうことが読み取れるようになれるかもしれないですね。木の前では悪いことできなくなるかもしれないです。

樹木医 後藤瑞穂さんのお話いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!


「樹を診る女のつぶやき」熊本日日新聞情報文化センター

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Skinny Genes / Eliza Doolittle
・春の歌 / ウカスカジー
     ポッドキャストを聴く  
いよいよ緑の中のお散歩が気持ちいい季節ですね。
ということで、今回は樹木医の後藤瑞穂さんにお話を伺いいます。
熊本県出身の後藤さんは、元々、造園設計のお仕事をする中で樹木医になった方。熊本では女性第一号の樹木医さんだそうです。現在は東京を拠点に、樹木医として全国を飛び回っています。
樹木医は、大きな樹木、古くからの森や林の診断・治療をしたり、樹木を保護する知識の普及・指導を行う専門家。
天然記念物に指定されるような巨木はもちろん、街路樹や、公園の樹木のケアもされるお仕事です。
ということで後藤さんは、私たちの身近な木々を「見る目」が違います。
街路樹や公園の木々の健康状態を、どうやってチェックしているのか、伺いました。

◆木はボディランゲージで話している
木は言葉は話せませんが、ボディランゲージで発信しています。たとえば葉っぱの数が少ないっていうのもボディランゲージの一つです。「元気がなくなってます。なんとかしてください。」って言ってるんですね。それから、切られた跡が腐ってたりとかすると「早く処置をしてくれないとどんどん幹の方に腐れが進行してしまって立っていられなくなります。」っていう事も言っています。
街路樹は狭い空間に植栽されてますので、根が盛り上がっているのを見かけたりすると思うんですけども、あれは、根が呼吸困難に陥っていて、酸素が欲しくなって地表をめがけてアスファルトとか舗装材とかをひっくり返してしまうんですね。息苦しいと言っていますよね。
それを改善するためには、所々、舗装に穴をあけるとか、通気透水性を良くするちょっとした工夫をすると改善されるんですけれども、その改善をせずに根が上がってきたからといって切ってもう一回上から舗装を被せるというような事を繰り返してる例がものすごく多いんですね。そうすると、その切った根からさらにまた腐れが入ってきまして、ますます倒れやすくなってしまうんですよ。都市の街路樹にはそこの改善点が必要ですね。
また、根元から細い枝が出てるのを「ひこばえ」と呼んでるんですけども、その状態は、造園の世界では本体を弱らせてしまうから切った方がいいという風にされているんです。しかし、「ひこばえ」は、実はそれ以前に木が弱っているというSOSのサインなんですね。枝葉が足りなくなってしまって、自分を維持するための光合成量が足りないから緊急救命装置でひこばえを出してるんです。ですからその場合はむやみに切るのではなくて、ワンシーズン、ツーシーズンくらいは温存させて、まずは樹勢を回復させる措置を取った後にひこばえの処置をします。
樹木が健康な状態は、枝葉が四方にのびのびと育っているところですね。十分に枝葉が伸びる空間があること。狭い都会の空間では、建物があってそうもいかない時もありますけれども、切り口がそんなに目立たないように、適切にきれいに切って調整されている木は大丈夫ですね。たとえて言うなら、前髪ぱっつんみたいな切り方を樹木でやられるととても痛いんですね。やっぱりシャギーを入れて、ナチュラルカットにして頂きたいんですね。どこを切ったのかわからないような切り方をしてあるのが一番木にとって負担が少なく美しく安全な状態なんです。


樹木の腐食で出来る、木の空洞「うろ」は、都会だと倒木の危険を示すものですが、森の樹木の「うろ」は、危険とはみなさないのだそうです。なぜならそこはタヌキや鳥など生物が暮らす大事な住処だから。
また、木のボディランゲージはほかにもあるそうで、例えば根っこが、片方に太く張り出しているような木。これはその場所では、根の張る反対側から、常に風が吹いていることを教えてくれる…とか。

こうして、街路樹のケアも続ける中、後藤さんは人々と木々の関係について思うことがあると言います。

◆みんな繋がっている
街路樹を私たちが診断していると、沿道の方が「邪魔だ、切ってくれ」とか「落ち葉で道が汚れる」とか言われることがあるんです。でも待ってください。この木が道路の排気ガスとかの粉塵とかそういうのを吸い取ってくれてるんですよね。ドライバーの方の目の癒しにもなってますし、色んな環境の悪い部分を緩和してくれてる働きがあるんです。もし火災になったりとかしたら、木々が防いでくれます。木は70%くらい水分ですから、延焼を抑えてくれる防火効果があるんですね。なのにも関わらずそのことを忘れちゃうんですよ、人は。
一人ひとりの方が何のおかげで生きていられているんだろうということに気付いてもらえたらなと思うんです。木々が出してる酸素、すごく大事ですよね。植物、樹木がなかったら私たち生きていけません。すごく大事なんです。
それは都市にある木だって同じなんですね。森にだけあればいいってことじゃない。落ち葉も、そりゃ大変かもしれないですけども、私たちも日々髪の毛は抜けてるし、ふけも出してますし生きてるからそりゃ新陳代謝するんですね。木にももう少し労りの気持ちを持ってもらいたいなと思ってるんです。
そしてその町の木や公園の木っていうのは、いろんな鳥とか虫とかの移動経路になってるんですね。住家にももちろんなってますし。だから、ポンと森だけあってもそれは生物多様性に繋がらないんですよ。きちんと町の中にも緑があることで、鳥が休み休み森に行ける、里山に行ける、森林に行ける、そして森林からまたそれが帰って来るという、そういうことを繋ぐことになってるんですね。
私たちはそういうことをトータルに見て行かなければいけないんですけど、バラバラに考えている人が多いんです。ですから、森は繋がってる、緑は繋がって、木は人とも繋がってるということに気付いてもらいたい。そこを総合的に取り組むっていう姿勢にまだ到達してないと思います。そこに取り組んでもらいたいなってすごく思ってます。


今回のお話いかがだったでしょうか。来週も引き続き樹木医・後藤瑞穂さんのお話をお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・The Hustle / Van Mccoy
・Stand By Me / 曽我部恵一
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今週は3月27日(日)に福島県南相馬市で行われた『鎮魂復興市民植樹祭』のレポートです。
番組では、東北沿岸部を中心に広がる森づくりの動き、各地の植樹祭をレポートしてきましたが、こちら南相馬市の植樹祭も、今回で3回目となります。
今回は市内、県内外からおよそ2000人が植樹に参加。震災がれきを利用したマウンドに、タブノキやシラカシ、アカガシなど16種類の広葉樹の苗木・およそ2万本が植樹されました。


そして南相馬市は2018年・平成30年に行われる「全国植樹祭」の会場になることも決まっています。会場でボランティアの方とともに植樹をしていた南相馬市・桜井市長に伺いました。

◆南相馬市 桜井勝延市長
 毎回こうやってみなさんに一人ひとりに一本一本植えてもらうことで我々も前に一歩ずつ踏み出すことができます。ここは災害のがれきを使ってマウンドを作ってるところなんですね。私は以前から命の再生をするところだということを申し上げていますが、そういう作業に全国から多くの皆さんに来ていただけるということは南相馬の市民にとっても支えになるんじゃないかと思うので、非常にありがたいことですね。
 全体からするとまだ30%弱くらいだとは思うんですけれども、県の方と力を合わせてますので県の方は県の方として整備を進めてくださってるので、少しずつ前にむかってきてるなと思いますし、2030年までには50%以上はいけると思うので毎日毎日の作業のくり返しですよね。


一方、地元の社会福祉協議会会長で、震災当時は避難所を運営するなど支援を続けていたという只野裕一さんは、森づくりの大切さについて、こんなお話をしてくれました。

◆社会福祉協議会 只野裕一会長
津波が襲ってきたのが福島県から岩手県ですよね。そこで夏に海から吹く冷たい風を「やませ」というのですが、その風のために米がとれなくなるということがこの地方にはあったんです。昔から7年に一度、凶作で米が採とれなくて辛い年を送ってたんです。そこで冷たい風を防ぐために、海岸地帯に大きな松の木を植えてたんです。それでようやく米がとれるようになったんです。
今、防潮堤をつくっていますけれども、防潮堤というのは1年か2年でできるんですよ。でも木が育つのには10年以上かかるんです。ですから、私は一番先に木を植えるべきだと思ってまして、こういう活動はもっとやって欲しいと思ってます。




◆参加者の声
[南相馬の高校生]
農業高校通ってるんですけど、学校で植樹祭のリーダーの募集をしていたので参加しました。震災のがれきが震災から人を守るものとして再利用されているって聞いた時、ちょっと感動しました。卒業してからも時間があればまた参加したいなと思いますし、将来森になったところもちょっと楽しみですね。見てみたいです。

[神奈川県からきた親子]
この子が保育園の時に震災があって、やっぱり関東の方でも計画停電とかありましたよね。そのときは自分たちの生活で必死になってた部分もあって、気にはなってるんだけど手を貸してというところまではいかなかったんです。でも何か自分の手で力を貸したいなっていうのは常々思っていたので参加しました。やっぱりこの子がどんどん大きくなるのと一緒に、ここも森がどんどんどんどん大きくなっていくっていうのは私も見たいですね。
「南相馬です。もう起きてしまったことは仕方がないので、これから新たにこういう風に未来を創造していく町づくりというか都市づくりをしていくんだなという、この更地がどんなふうに変化していくのかこの新しい未来をどういう風に作っていこうとしているのか楽しみですよね。
もう仕方がないですよね起きてしまったのでね。それよりかはそういう風に前向きに進めて行った方が亡くなられた方たちの思いに答えてあげることができるのかなという感じですね。」

[地元の参加者]
実家がちょうど、あの杉林のちょっと手前だったんですけど、みんなきれいに無くなってしまいました。姪っ子が流されてしまっているので、少しでも供養になって天国でみんなが幸せになれればいいかなって思っています。」

今は海がすぐ近くに見えますけど昔はそんなことはなくて、やっぱりおうちとか松林が広がってるような風景だったのに、本当に全部無くなってしまいました。こうやってみなさんのおかげでまた故郷の景観が元に戻れば嬉しいですね。


今回のお話いかがでしょうか。森の長城プロジェクトでは、今後も植樹祭はじめ、森づくりの様々なイベントが、各地で行われます。
・5/28 岩沼市・千年希望の丘植樹祭
・8/6 岩手県山田町植樹祭
そのほか、夏には草取りツアーがあったり、8月から11月にかけてはどんぐり拾いのイベントも予定しています。参加してみたいという方は、森の長城プロジェクトのウェブサイト、Facebookページをぜひご覧ください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・桜の森 / 星野源
・日々のあぶく/ フラワーカンパニーズ
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先週に引き続き、桜前線を追いかけて日本列島を北上する旅人、桜ウォッチャーの中西一登さんのインタビューをお届けします。
桜前線を追いかけて旅をするために、これまで会社を5回もやめてしまったという中西さん。
実は桜って、一年を通して、日本のどこかで咲いているそうで、そんな桜に出会うため、およそ20年かけて、1300か所も足を運んできたそうです。
そんな中西さんが出会った桜の中には、公園や桜並木など、人の手で植えられたものだけでなく、山や森の中で咲く、野生の桜もたくさんあるそうです。

 今の時期の山を見ると、山の自然林に混じってピンク色の桜がポツポツと咲いているのが見られることがあるんですね。これが野生の桜ですね。代表的なところではヤマザクラ、エドヒガン、オオシマザクラ、マメザクラ、高山に咲くタカネザクラ、主に北海道に分布するオオヤマザクラといったような日本には十種類の自然の桜があるといわれています。ソメイヨシノを代表とする、数百にも及ぶ栽培品種は、これらの野生の桜をかけ合わせたり、あるいは選抜したりしてできたということになってます。
 例えばソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの交配種であったり、あるいはシダレザクラっていう枝が垂れてる桜ですね、あれはエドヒガンの中の枝垂れの性質が強いものを選抜して栽培して作りだしたものなんですね。ですから、私たちが身近で多彩な桜を見られるのは、自然の林の中の自生種からの繋がりになるんですね。


~中西さんが見たなかで、印象に残っている自然の林のなかの桜ってありますか?
 そうですね。自然林の桜って箱入り娘みたいなものだと思ってるんですよ。というのは、鳥などによって運ばれた野生の桜の種っていうのは、自然林の中ではすぐは発芽しないんですね。桜は光を好むので、光が得られるのを何年もじっと待つんです。例えば森の中で倒木があって、ぽかっと日当たりのいい場所ができたら今がチャンスだと思って芽を出すんですね。ということは周りには背の高い木々がありますから、発芽した桜というのは雨風に守られながら段々段々大きくなってくるわけですよね。
 そして数年から10年くらい経つと成木となって花をつけ始める。まだそれでも低いですよ。だけど周りの森が見事に守ってくれるという点で、桜は森の箱入り娘と言えるんじゃないかなと思うんですよね。あるいは森のお姫様と言ってもいいかもしれない。
 鹿児島県の伊佐市というところに奥十曽のエドヒガンという桜があるんですけれども、これは国有林の中にある樹齢約600年、高さ約28mという大きな桜なんですけど、この桜は1977年に初めて発見されたんですよ。今から40年くらい前ですね。28mっていうとビル9階建てくらいなんですよ。それがたかだか40年前に見つかった。その前の560年くらいはわからなかったっていうことなんですよ。
 ここに行くには、険しい道を車でずっと行って、そこから先アップダウンの激しい山道を15分も歩いて、この先に本当に桜あるの?みたいな感じの厳しいところなんです。実際行ってみると、周りの木々から桜が頭一つ抜け出してるんですよね。その幹は11m近い、すごい太いもので、高さもビル9階建てくらいで、樹齢600年。だけど見つかったのはたかだか40年前ということなんですよね。こうした桜が、もしかしたらまだ日本の森の中に埋もれてるかもしれないんですよ。そういったことを考えると、森の奥深さっていうのを痛感させられますね。


~その奥十曽のエドヒガンはどんな花なんですか?
エドヒガンは蕾がひょうたんの形をしています。ですから地方によってはひょうたん桜という呼ばれ方をする場合もあります。花の色はソメイヨシノよりはちょっと濃いめのピンク色です。奥十曽のエドヒガンは高さ28mもの立派な木ですが、花はちっちゃくてかわいいんですよ。だからその対比っていうのもなにか桜の不思議さを感じさせるところですよね。まあ言ってみれば、600歳のおばあさんの桜を少し散らした和服姿みたいな、そんな感じなんですよね。

~花が咲くのはいつごろですか?
 自然の中の桜なので変動が大きいんですが、やはり3月の下旬から4月の上旬にかけてですね。例えば千鳥ヶ淵だったら千代田区さんなんかが、いつが見頃か教えてくれるんですけど、ここは伊佐市に聞いてもわからなくて、行ってみないとわからないんです。僕は2度めで見頃に行くことができました。

~まだまだ南の方でも桜は楽しめるんですか?
 平地の桜前線は北上して、東京でももう桜の季節が始まってますが、同時に標高の高いところにも昇ってきますよね。だから、例えば九州だったら阿蘇地方とか、あるいは中国地方だったら中国山地とか、そういった山の桜が見ごろを迎えます。そして北海道の真ん中の山地では6月の中下旬ぐらいまで咲きますし、知床では7月の海の日に3回見たことがあるんです。だから桜前線はそうして終点というところに着いても、まだ3ヶ月くらい活動し続けて、8月くらいまで知床を昇っていくんだと思ってますね。日本は南北に長く、高低差もあって、非常に自然が多彩だと言えると思いますね。

~中西さんはこの先、いつまで桜を追いかけるんですかね?
 先程の奥十曽の桜ではないですが、森の中にはまだまだ見つかってない桜がたくさんあると思うんですね。箱入り娘さんが待ってるかもしれないんですよ。そういうひっそりと咲いてるような桜を見つけて、いつか一緒に写真を撮りたいなって思いますね。

中西さんのお話し、いかがだったでしょうか。
中西さんのウェブサイトもぜひチェックしてみてください。
気まぐれ桜旅 旅日記のページ by モバイラー中ちゃん

今回のお話はポッドキャストでもご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Sweet Soul Revue / Pizzicato Five
・明日の風 / 山崎まさよし
     ポッドキャストを聴く  
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高橋万里恵
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