松岡佑子 ハリーポッター翻訳エピソード2
「ハリー・ポッター」シリーズ。 今年は、日本で発売されて20年目にあたる、
記念の年です。今朝も、この『ハリー・ポッター』シリーズのすべて日本版の翻訳、
出版を手掛けられた、松岡佑子さんをお迎えします。
通訳の職に7年間ついていた松岡佑子さん。逐次通訳・同時通訳・ 随行通訳などの
通訳業務に携わり様々な会議や様々な人物に通訳を担当するにあたって、感じたことは
頭をやわらかくしなければならないということでした。もちろん充分な事前準備も必要。
集中し、15~20分程度でも疲れてしまうほどの激務のお仕事だったそうです。
その後通訳者から翻訳者へ。実は通訳を天職と思っておられましたが、
このハリーポッターに大ヒットにより通訳はやめざるを得なかったそうです。
実は、この作品は初めての文芸書の翻訳だったため、とにかく学ぶことばかり、
手に入る翻訳本、名訳と言われる翻訳作品をかたっぱしから読んで、
そこから多くのことを学び、勉強されました。
また、通訳時代の海外の旧友にネイティブチェックもお願いし、
普段なら2~3ヶ月かけるところ1年かけてじっくり、丁寧に翻訳に
取り組まれたそうです。
ハリーポッターの特徴の一つが、「成長の物語」ということ。
子供から成年になっていく中での変化も言葉で表現されたそうです。
映画になって大ヒットも記録、その後も舞台にもなりましたが、
原作者のJK ローリング自身は映画化に反対していました。
しかし、原作の世界感を壊さないように、という条件で承諾。
松岡さんも映画はとてもに良くできていると感心したそうです。
ただ、やはり映画は本にあるストーリーの端折りも多く、
登場人物の細かい感情の動きなどはやはり、映画では今ひとつ
わからないので、やはり実際に本を読んで、ハリポーポッターの世界観に
触れていただきたいとメッセージをいただきました。