食べチョクの秋元さんが創業当時のチャレンジを振り返る!(2020/07/18 放送)
先週に引き続き、今週も『食べチョク』代表の秋元里奈さんをお迎えしました。
秋元さんの会社ビビッドガーデンが運営する『食べチョク』は、全国の農家さんや漁師さんなどから旬の食材を取り寄せできるオンラインマルシェ。創業4年目を迎え、今では約1800件の生産者が登録するまでに成長していますが、創業当時は秋元さん自身が全国の農家を回って登録のお願いをしていたとか。
秋元さんの会社ビビッドガーデンが運営する『食べチョク』は、全国の農家さんや漁師さんなどから旬の食材を取り寄せできるオンラインマルシェ。創業4年目を迎え、今では約1800件の生産者が登録するまでに成長していますが、創業当時は秋元さん自身が全国の農家を回って登録のお願いをしていたとか。
「一番最初は、農業のことがわからないんで教えてください、って言って畑にお邪魔して、一緒に農作業をさせて頂くところからでした。ネットとかで調べて行ったりとか、あとは町中のマルシェに出店されてる方に、ちょっと畑にお邪魔させてください、って行ったりとかですね」
「全国いろんなところから生産者さんを集めたいなと思ったので。一人で、夜行バスで回ってました(笑)」「ずっと社員を探し続けてたんですけど、1年ぐらい入社してくれる人がいなくて、一人で回ってました」
最初はご自身が農業をやろうと思っていたという秋元さん。会社を立ち上げてから3ヶ月ぐらいで『食べチョク』の構想が出来たそうで、全国の農家を回るうちに、売り先に困ってる生産者と買いたい消費者を繋ぐというコンセプトに行き着いたそうです。
「サイトのコンセプトとかはぜんぶ一人で考えて。きっかけは、メルカリを見てたら野菜が売ってたことだったんですけど、もっとこだわりがちゃんと伝わる高付加価値なものを売るプラットフォームを作ろう、っていう形になって」
ただ、最初のうちは農家さんたちからなかなか受け入れてもらえなかったとか。
「こういう産直サービス自体は10年以上前からあるので、多くの人から、そんなの昔からやってるよとか、絶対に上手く行かないって結構言われて。最初は門前払いの日々というか、なかなか聞いてもらえなくて…」
「で、なんでなんだろうな?と思った時に、農家さんからしたら、実績もなければサービスもない会社で、社員はゼロで私だけなので、そりゃ信頼できないよな…と思って。そこからはどちらかと言うと信頼関係を作るために農作業を手伝いに行って、一緒に玉ねぎを植えながら、実は実家が元々農家で…というところからお話しました」
『食べチョク』の良さは、消費者からも生産者からもお互いの顔が見えるところなんだそうです。
「スーパーとかでも生産者さんの顔写真が張ってあったりとかすると思うんですけど、やっぱりネットの良さは情報量をたくさん伝えられるところかなと思ってて。なので、生産者さんにもなるべく、なぜ農業を今やってるかとか、そういう思いの部分からしっかり書いて頂くようにお願いしています」
「普段食べてる食べ物の先に、当たり前ですけど、生身の人間がいるっていう。そこを意識して頂くだけでも、同じ玉ねぎでも食べる時の美味しさとか感じ方が全然変わってくるかなと思ってますね」
「人とのコミュニケーションを通したあたたかさというか、逆にちょっとアナログに戻る感じですけど、今だからこそ求められてるのかな、っていう感じはありますね」
今では25人ほどの従業員がいるというビビッドガーデンですが、新型コロナの影響が出るまでは、社長の秋元さん自身が月に2〜3回は地方に行って生産者さんと直接会っていたとか。
「農家さんのお手伝いをさせて頂くことがあって、収穫とかだとホントにただ楽しいんですけど、それこそ開墾のお手伝いをしたりとか、真夏にずっと草刈りをするとかもやらせて頂いて。収穫とかの裏には、ホントに地道な派手じゃない作業っていうのがいっぱいあるので、行く度に農家さんは凄いなっていう気持ちになりますね」
大学卒業後にDeNAに勤めた後、25歳でビビッドガーデンを創業した秋元さん。起業することについてこんなことをおっしゃっていました。
「たとえ1回起業して失敗しても、起業した経験を買ってくれる企業っていうのはたくさんいるので。私が起業に踏み切れたのも結構そこです。万が一、失敗しても、起業したことがある人自体が少ないので、その経験って明らかに自分の市場価値を上げるなと思って。たとえ失敗してもそのまま会社員でいるよりは、経験値として他の人が経験できてないことをできるなって」
「(起業して)ホントに良かったなと思ってます。日々エキサイティングな…良いことも悪いこともいろんなことがあるので、ホントに1ヶ月前の自分が凄く遠い昔のような感覚になって、凄くいろんな経験をさせてもらえてるなと思ってます」
ちなみに、秋元さんの今年の目標は「“経営者”になること」なんだとか。
「今までは“起業家”だったなと思ってて。起業してゼロから事業を作るっていうところと、組織を作ってその会社をどんどん大きくしていくことってホントに別物だなと思っていて。もちろん自分が頑張るのは変わらないんですけど、これからはどちらかと言うと、周りの人たちが働きやすくなる環境を作ったりとか、経営者としての力をしっかり付けていきたいなっていうふうに個人的には思ってます」
また、『食べチョク』では高齢者でも出品しやすくなるような仕組みを考えているそうです。
「今だと4〜50代の若手農家さんが多いんですよ。4〜50代でも若手なんです。若手の方々はネットが使えるので、けっこう登録してくださってるんですけど、やっぱりネットが使えない高齢の方も多いので、そういう方も『食べチョク』で収益が上げられるようにしたいなと思っています」
「最近だとグループ出品の機能を始めました。若手の人が周りのおじいちゃんの野菜とかも合わせて一緒に売る、っていう仕組みなんですけど。それこそ90歳のおじいちゃんが登録してくれたりとか…」
会社が上場するまでは毎日『食べチョク』Tシャツを着ると決めているという秋元さん。会社を経営することについてはこんなこともおっしゃっていました。
「(失敗の怖さも)ありますね。投資家さんからお金を預かって事業をしていて、自分のお金ではないので、そこのプレッシャーは日々ありますし…」
「性格的にはリスクを凄く考えるタイプなんですね。元々、性格は堅実なタイプなので、意識してリスクを取りにいかないと…っていう感じです。パッと何も考えないと結構怖いっていう気持になっちゃうので、なんで怖いって思うのか?というのを自分の中で言語化して、取るべきリスクかどうかっていうのを判断するようにしてますね。でも、リスクを取るって決めたらもう腹をくくってやるっていう」
「私の凄い好きな言葉があって。努力する人は夢中な人に勝てない、っていうのが凄く好きなんですけど」「私は生産者さんのこだわりが正当に評価される世界を作りたいなと思ってるんですけど、そこに向かってる以上、私はずっと夢中にやれるので、不安になった時はそこに立ち返るようにはしてますね。自分は夢中になれてるから大丈夫、っていうふうに言い聞かせて頑張るっていう感じです」
フレディ・マーキュリーが大好きで、カラオケでもクイーンの曲をよく歌うという秋元さん。最後にご自身にとっての挑戦についてこう話してくれました。
「過去の自分を超え続けること、かなと思ってます。実績が出てきたりすると、どうしても新しいチャレンジが怖くなったりして、逆に実績がない方がチャレンジしやすかったりするんですけど、過去の成功体験に囚われずに常に過去の自分を超えていくっていうのは意識してます。私がフレディを好きな理由はそこなんですけど(笑)」
「『食べチョク』も少しずつ大きくなってくると、新しいことをする時にちょっと自分の中でも躊躇しちゃうことも増えてきたんですが、その時は改めてそこを思い返して、過去の自分を超えられてないな、みたいなのを思ったりして。常にチャレンジする姿勢を忘れないようにしたいなっていう感じです」
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