夏木マリさんが自ら立ち上げた『印象派』でのチャレンジを語る(2018/03/10 放送)
先週に引き続き、今週も夏木マリさんをお迎えしました。
「私のチャレンジって言えば『印象派』ですね」という夏木さん。この『印象派』というのは、夏木さんが自ら演じ、演出も手がける“コンセプチュアルアートシアター”で、今年で25年目になるそうです。
「私のチャレンジって言えば『印象派』ですね」という夏木さん。この『印象派』というのは、夏木さんが自ら演じ、演出も手がける“コンセプチュアルアートシアター”で、今年で25年目になるそうです。
「私は演劇を誘われるままにやり、いろんな方にいろんなことを教えて頂いたんだけど、後半になんか演劇好きなのかどうなのかわかんなくなっちゃったんですよね。だけども、劇場空間は大好きになって、体を動かすことの喜びなんかも覚えたもんだから、ちょっと一人で劇場空間で何かをやりたいっていう思いがふと湧いてきて…。それで、どなたにも演出を頼まずに自分でやってみようと思って、最初は一人舞台でスタートしたのが『印象派』なんです」。
『印象派』という名前は、マネやモネといった19世紀の画家たちが当時の美術界に対抗したムーブメント“印象派”から来ているんだとか。
「だから、(私も)ちょっとした演劇界への反抗心もあったのかもしれない。あと、音楽への挑戦もあったんだと思うんだけど。音楽を使って舞台を作りたくて。で、試行錯誤しながらスタートしたのが93年」。
『印象派』をやってきて良かったという夏木さんですが、いろいろと大変なこともあったそうで、「作る過程で学生時代よりも勉強したかもしれない」とおっしゃっていました。
当初は「マネやモネのサロンと同じく8回はやりたい」と思っていたそうですが、8作品は“あっという間に”終わり(10年かかったそうですが)、現在の『印象派』は、チーム体制の『印象派NEO』になっています。
「で、あまりにもみなさんにアバンギャルドだって言われたので、みなさんにわかって頂けるように童話をテーマして。『赤ずきんちゃん』『シンデレラ』、この間は『ふしぎの国の白雪姫』と2つ合わせてやってみたんですけど。そんなことで、今は“Mari Natsuki Terroir(マリナツキ テロワール)”というチームとしてやっています」
そんな『印象派』が「なんの仕事よりも楽しい」「私ね、自分が演じるよりクリエイションの方が好きかも」という夏木さん。例えば、工事現場のコーンを見て「あれはいくらで買えるのかな?」と舞台美術について考えたりすることもあるとおっしゃっていました。
先月、最新の著書『好きか、嫌いか、大好きか。で、どうする?』(講談社)が発売となった夏木さん。この本は、女性誌で連載されていたお悩み相談コーナーを中心に構成された1冊です。
「悩みは人間の特権だから素晴らしいんだけど、悩んでる人って自分のことを考えてるんですよね。自分のことを知らないんですよ。だから、自分のことを知るために、これは好きなのか嫌いなのか、嫌いだったら捨てていくとか、そうやって整理をしていかないと。自分自身を知ることがまず大事なんじゃないかなと思ったの」。
また、先週から公開されている夏木さんの主演映画『生きる街』は、311の大震災で大きな被害を受けた宮城県の石巻市で撮影された作品。夏木さんはこの映画について改めてこんなことを話してくれました。
「家族のお話になってまして、ふるさとのこともちょっと考えられると思うのね。だから、この映画を観た後、ちょっと離れている親御さんや兄弟と連絡を取り合ったりとか、あと、ちょっとふるさとのことを思い出して次の休みには帰ってみようとか、そんな映画になるだったらいいなと思って撮りました」
「ふるさともそうだし、家族もそうだし。私、この映画を撮ってる2週間は愛することを考えた。いない人を愛するってどういうこと?とかね。(映画の主人公)千恵子さんの旦那さんは海になっちゃったわけだからね…そういうことの虚無感から来る愛情ってどういうことなのか?とか、久しぶりに考えさせられた2週間でした」。
最後に、夏木さんはご自身にとっての挑戦について、こんなふうに話してくれました。
「やっぱり生きていくことじゃないですか。挑戦しないと生きていけないし、終わっちゃう、そんな感じがしますね」
「つらいのが人生だから。そもそも朝起きたらつらくないですか?今日あれもしなきゃいけない、これもしなきゃいけないって。そもそもが生きていくことって大変だよね。だけど、いかにその事実と向き合って楽しくするかっていうのは自分の気持ち次第だし」
「だから、チャレンジするってやっぱり夢があるし、自分がそこに向かうから時間の使い方も楽しくなるじゃないですか。そんな感じでチャレンジは一生続くんでしょうね」。
番組では、そんな夏木マリさんの挑戦に関するメッセージを色紙に書いて頂きました!こちらの色紙を1名様にプレゼントします。このホームページ右のメッセージフォームから「夏木マリさんの色紙希望」と書いてご応募ください!
↓こちらが夏木さんの最新著書『好きか、嫌いか、大好きか。で、どうする?』