ぷっくりとしたカラフルな葉が特徴の多肉植物「セダム」。乾燥に強く、生命力に溢れた植物ですから、ベランダなどで手軽に育てることができます。異なる品種の色や形を組み合わせて、お気に入りの鉢や容器に寄せ植えを作って楽しんでみませんか。
今回は、多肉植物の寄せ植えワークショップやSNSが大人気のMAiさんに、セダムの魅力や寄せ植えの楽しみ方を教えていただきます。
セダムの魅力と楽しみ方
セダムはベンケイソウ科マンネングサ属の多肉植物です。北半球に広く生息し、日本でも40種ほどの品種が自生しています。野山でもよく見かける植物ですが、最近では海外からも多くの品種が輸入されて人気を集めています。
なんといっても魅力は、丸くてぷっくりした葉の形と、お菓子のようなカラフルな色合い。MAiさんは、ガーデニングの参考にと始めたインスタグラムで出会った多肉植物、セダムの可愛さに感動。「お花じゃないのにどうしてこんなに彩りが鮮やかなの!?」と驚き、その魅力の虜になっていったそうです。同時にMaiさんがSNSで発信するセダムの寄せ植えの写真や情報にも、大きな反響が集まるようになり、今では多肉植物の魅力を様々なメディアやワークショップを通して伝えています。
自然界のものとは思えない鮮やかな色が美しいセダムですが、中には紅葉する品種もあって、季節ごとの表情も見せてくれます。そんな移ろう色が美しい、MAiさんおすすめの品種ベスト3がこちらです。
ぽっと色づく頬のような「乙女心」。葉の先だけピンクに染まることからその名前がつけられたそうです。
乙女心
さわやかな色合いと肉厚な姿で大人気なのが「ダシフィルム パープルヘイズ」。紅葉時には名前の通りピンクがかった紫色に染まります。
ダシフィルム パープルヘイズ
まるでゼリーのようにつやつやした葉が特徴の「レッドベリー」。紅葉すると印象的な濃い赤に輝きます。
レッドべリー
セダムは、丈夫で育てやすいのも特徴。葉や茎からどんどん新しい芽が出るため、他の多肉植物に比べても簡単に増やすことができるそうです。また、気がつかないうちに、鉢からこぼれた小さい葉が、庭の片隅で小さな命を育んでいる姿を見ると、その健気さに勇気や元気をもらえることも多いそうです。
MAiさんのセダムの寄せ植えレッスン
乾燥に強く手軽に育てることのできるセダムですが、暑さには弱いので夏の間は注意が必要。これからの季節は初心者でも手軽にベランダや庭で育てることができます。色も豊富に揃っていますから、寄せ植えにチャレンジしてみましょう。
ショップに並ぶ多種多様なセダム
MAiさん流の寄せ植えは、鉢や容器を選ぶことからスタートします。お気に入りの缶や容器でも大丈夫ですが、大事なポイントは底に穴が開いていること。最初は3種ぐらいのセダムで始めるとよいそうです。
素焼き鉢
土は「ネルソル」など、セダムの寄せ植え用のものも販売されていますが、多肉専用の園芸土なら水はけもよく安心です。ちょっと湿らせてから始めると、株が安定して根付きます。そのほか、寄せ植え作業の必需品がハサミとピンセット。バランスのよい寄せ植えにするためには、横から見て高さが揃うように意識し、隙間がないように並べるのがコツだそうです。
セダムの寄せ植えはピンセットを使って
セダムの彩りのよい、ぷっくりとした葉は水分で膨らんでいるもの。水が不足すると寄せ植え全体のボリューム感がなくなってしまいます。水やりのポイントは土が乾いたらたっぷりと、と覚えておきましょう。セダムは、太陽と風通しのよい場所が大好きです。普段は庭やベランダで育ててあげましょう。特にこれからの秋から冬の季節は、よく日光を当てると綺麗な紅葉を楽しめるそうです。
多肉植物は日差しが大好き
MAiさんがセダムと向き合う時に何よりも力になったのが、SNSで知り合った植物愛に溢れた人たちの存在でした。一緒に悩んだり、励ましあったり、植物を通じての出会いや通い合う心が、今でも大きな活動のエネルギーとなっています。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 10月3日は、歌手の大橋純子さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
MAi
多肉植物との出会いをきっかけに、仕事を辞め寄せ植えに専念。SNSを中心に作品を発表し、セダムを使った「#ちまちま寄せ」で人気を集めている。また、講師を務める寄せ植えワークショップも大人気。最新刊は『美しいセダムの寄せ植え』(エクスナレッジ刊)。
https://www.chimalabo.com
全写真:『美しいセダムの寄せ植え』(エクスナレッジ刊)より