新年は、和の心を取り入れやすい季節です。たとえ野の花でも、しつらえ次第で祝いの心が表現できます。
今回のハーバルライフは1年の始まりに、和の心で祝う植物のしつらえや、喜びによりそう和の品々をご紹介します。
植物で伝える祝いの心と感謝の心
日本の野山の趣や和の心を大切にしながら、花や植物の新しい価値や魅力を伝える京都のお花屋さん「みたて」。店内では、日本人の季節感や美意識を基本にしたアレンジに出会うことができます。どれもが、花や植物が教えてくれる自然の素晴らしさや季節の移ろいを大切に作られています。たとえば、1年の始まりであるお正月の祝いの作品には、門松に代表される松を独自にデザイン。松は真冬の時期でもその緑が失われないことから、長寿を思い起こさせ、縁起の良い植物とされてきました。平安時代にその習慣が始まったという門松の意味を伝えながら、1年の幸福を願う作品に仕上げたのです。
みたて 門松 撮影:Kazuya Sudo (discovery go)
また、松への特別な思いを込め、この時期の自然の風景をイメージした季節の木箱「敷松葉」もお目見えします。枝から落ちた松葉が茶色に色を変え積み重なると、地面にある苔や松の根を冬の寒さから守る存在になります。そんな茶色の松葉を散らし、京の冬の庭の景色を木箱の中にイメージしたのが「敷松葉」です。木箱の中に敷き詰めた常緑の苔の上に、赤い南天と茶色の松葉を散らして、冬の風情が再現されています。
みたて 京の木箱 敷松葉 撮影:Kazuya Sudo (discovery go)
「敷松葉」をお部屋に置けば、植物を介して一年の始まりがより豊かなものになります。また、1月は長寿や縁起の良さを思い起こさせる松の枝を、お気に入りの花瓶に挿すだけでも、祝いの気持ちを表現することができます。あなたなりのアレンジで新年を祝ってみませんか。
喜びの心に寄り添う和の小物
新たな年を迎え、身の回りの小物も和のしつらえで揃えてみてはいかがでしょう。花や植物をモチーフにしたデザインの小物を手元に置くことで、新たな1年の始まりを感じることができます。
たとえば、鳩居堂の「花の文香(ふみこう)」と「花ふみか」は、見た目と香りの両方で、和の心に触れることができます。1663年、江戸・寛文3年に京都の寺町で創業した鳩居堂は、創業当初は漢方薬や薬の原材料を扱う「薬種商」でしたが、やがて薫香や線香作りも手がけるようになります。その伝統の調香法を生かして作られたお香が「花の文香」と「花ふみか」です。季節ごとの日本の草花を和紙に版画で刷り、その中に天然の香木を細かく刻んだものを和紙で包んで忍ばせています。手紙や贈りものに添えたり、引き出しに忍ばせたり、和のたしなみを手軽に取り入れることができます。
鳩居堂 花の文香 花ふみか
友禅「縮み小銭入れ」と「福々小箱」も和紙の柔らかな手触りと、西陣織をモチーフにした温かみのある花柄が楽しめます。
友禅 縮み小銭入れ 福々小箱
また、新年に新調するノートも、日本伝統の美意識で花や植物をデザインした、鳩居堂オリジナル「マル鳩(キュー)ノート」がおすすめです。表紙には京千代紙を使用。手に取るたびに、和のたしなみに触れる生活を新たな気持ちで始めることができます。
鳩居堂 マル鳩ノート 梅鉢
1年の始まりのご挨拶にうかがう時にも、和の心を大切にしてはいかがでしょう。お彼岸にお供えする「おはぎ」は、小豆の赤い色に魔除けの効果があると伝えられ、感謝の心を伝えるお供えものとしての歴史を持っています。手土産におすすめなのが、おはぎを花のようにデザインした「花のおはぎ」。タケノとおはぎの「花のおはぎ」は、見た目もフラワーボックスそのもの。ばらをモチーフにしたおはぎが並び、和菓子の常識にとらわれない世界を楽しめます。1日7種類だけ作られる日替わりのおはぎは、1年の日々のように一期一会の喜びと大切さを伝えてくれています。
タケノとおはぎ 花のおはぎ
和の心で歩み始める新しい一年。花や植物とともに暮らす喜びを感じながら、1日1日を大切に過ごしたいですね。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
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花屋 みたて
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写真集 みたての正月 (企画制作・撮影 discovery go)
鳩居堂
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タケノとおはぎ
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