野菜を手軽にとれて、味も見た目も楽しめる瓶入りピクルス。様々な野菜が彩りも鮮やかに漬けられ、最近ではおしゃれな雑貨屋さんやセレクトショップでも売られるほどの人気になっています。保存もきくので、ちょっとした贈りものにも最適です。
今月のボタニカルレシピは、食品工房「ドレミファーム」が手がける野菜のピクルスの魅力と美味しさの秘密をご紹介します。
野菜を五感で楽しむピクルス
ドレミファームの瓶入りピクルスの魅力は、美味しさはもちろん、詰められた野菜の美しさと種類の多さです。色鮮やかな野菜の色や形が、食べる前から気持ちをわくわくさせてくれます。例えば一番人気の「ごぼうのピクルス」には同じ色合いのレンコンの輪切りが一緒に詰められていて、爽やかな白の配色と詰め方が絶妙です。また、「ミニトマトのピクルス」は黄色、オレンジの小さなトマトが、瓶の中で踊っているかのようです。
ごぼうのピクルス/ミニトマトのピクルス
ドレミファームを運営する高田幸雄さんは、もともと千葉県我孫子市で無農薬のいちごを作る農家でしたが、ピクルス作りに魅せられ、今では食品加工を専門に行っています。これまでに作ったピクルスは500種類以上。「野菜の美しさや美味しさを凝縮してお客さまに届けられることが、ピクルス作りの醍醐味」とおっしゃいます。旬の野菜をひとつひとつ手作業で加工し、小さな瓶に大切に閉じ込めています。大事なことは、五感を大切にした商品であること。見た目も美味しく感じられるように、種類によって切り方を変えたり、色が単一にならないようにして、瓶の中の野菜の色や形がきれいに見えるように工夫しています。また、「野菜の顔をしっかり見せたい」という思いもあって瓶にはラベルも貼られていません。ドレミファームのピクルスには、フランスの美術館での展示依頼が来たこともあり、芸術品としても認められた一品なのです。
ピクルスで野菜畑の元気を伝える
高田さんは、見た目だけでなくその味や食感にもこだわり、農家時代に築いた全国の農家との繋がりでこだわりの素材を集めています。大切なのは一つ一つの産地や、農家を訪れた時に感じる畑や作る人のエネルギー。「元気な畑で元気な農家に収穫された野菜は必ず美味しい」という、自身の感覚を大切にして食材を選んでいます。例えばごぼうは、青森で元気な、ある農家の作るものだけを使用。普通はピクルスでは使わない椎茸も、大きさが規格外というだけで捨てられていた、岩手の農家の栽培する椎茸の美味しさに魅せられて使用しています。一つ一つのピクルスの味や種類には、高田さんの農家を元気にしたいというメッセージが込められています。
ドレミファームが毎週末出店する「青山ファーマーズマーケット」では、他にも、ネギ、ブロッコリー、枝豆、筍など30種類以上のピクルスが常時陳列棚に並び、愛らしく色とりどりの野菜たちと、青空の下で会うことができます。「農業はまさにアート。作り手の魂が込められており、他の人には同じものができないから」と語る高田さん。味と見た目、五感を大事にして、元気な人の手で、元気な畑で育てられた野菜の魅力を私たちに届けてくれています。
青山ファーマーズマーケット
「ピクルスは、そのまま食べてもいいですし、残った液は捨てないでドレッシングにもおすすめです。また、トマトピューレを加えて、パスタソースにしても美味しいし、ピクルス自体をミキサーにかけたり、細かく切ってタルタルソースにしても独特の風味を楽しめます。実は、どんな野菜でどんなピクルスを作るかは、お客さんの反応を見て決めています。それぞれの野菜の声を聞き、お客さんの声を聞いているから、美味しいものを作り続けることができているのかもしれません」。こだわりの野菜とそれを食べてくれる人の声。どちらもが、ドレミファームのピクルスの美味しさにつながっているようです。
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「クロノス」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。5月19日は、映画監督の河瀬直美さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
ドレミファーム
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