ニューヨークの女性クリエイターが手がけるのは、自然や花から受ける恩恵をモチーフに制作されたクラフトワーク。手軽にインテリアに取り入れることができ、お部屋に華やぎを届けてくれます。
今回は、ニューヨークの2人の女性クリエイターを取り上げ、ボタニカルな愛に溢れたグッズをご紹介します。
生花の持つ“幸せ”を表現したい、リヴィア・チェティのペーパーフラワーアート
「生花の持つ“幸せ”を、自分のクリエイションで表現したい」。そう語るのがニューヨークのペーパーフラワー作家、リヴィア・チェティさんです。様々な色の薄紙とクレープペーパーを用い、花や植物をモチーフとした作品を製作し、作品を集めた本も出版されるほど人気を集めています。花びらは多様な色使いで細部まで丁寧に表現しながら、茎や葉はちょっとグラフィカルにデフォルメ。そんな個性ある作品は、造花とも生花とも違う独特のニュアンスがあり、アートとしても愛されています。花、サボテンなど、種類も色も豊富で、お部屋の雰囲気に合わせて、そのまま置いたり、生花のように花器に入れてアレンジするなど、自由に楽しむことができます。
リヴィア・チェティのペーパーフラワー
現在、ニューヨークを拠点に活躍するリヴィア・チェティさんは、アメリカ、カリフォルニア州サンタバーバラの出身。父親は陶芸家、母親は織物、版画作家とアートに親しむ家庭で育ちました。芸術大学で学び、多くのフローリストの下で経験を積んだ後、ペーパーフラワーアートを手がけるようになります。オバマ大統領在任時には、ミシェル大統領夫人に招待され、ホワイトハウスの公式晩餐会のフローラル・デザインをペーパーフラワーで手がけたこともありました。リヴィアさんがこだわっているのが、「ポジティブ志向」であること。出会ったものはまず、なんでも身の回りに積極的に取り入れて、良さを引き出すように工夫しています。そんな前向きな姿勢は作品作りでも同じ。「生花は華やぎをもたらし、部屋を生き生きとさせ心をハッピーにします。でも、きっと紙の花でも同じことが起きるはず」。そう信じてペーパーフラワー作りに向き合っています。
リヴィア・チェティのペーパーフラワー
そして、変わることなく大切にしてきたのが、自然に囲まれて花と暮らすこと。「私はいつも自然と一緒に生きている。人は花を見ると目が大きくなる、それが好き。私が目指しているのは、生の花に代わるものではなく、生の花がもっている人を幸せにする力を、自分の作品を通して表現すること。自然と同じ花の形を作るのではなく、生の花がもたらす“幸せ”を、自分のクリエイションで届けたいと思うのです」。リヴィアさんの作品への思いです。
自然から届くインスピレーション、コーラル・アンド・タスクのボタニカル刺繍
コーラル・アンド・タスクは、ステファニー・ハウズリーさんが2007年にニューヨーク、ブルックリンで立ち上げた刺繍ブランドです。ストーリー性のあるデザインと、絵画のように映える色彩を特徴としています。コンセプトは、「自然と旅」。デザイナーも務めるステファニーさんが、世界各地で出会った、自然の美しさから得たインスピレーションが込められています。特に幼少期に訪れたアメリカ・ワイオミング州の大自然は、忘れられない特別な場所であり、自然で起きるすべてを知り理解したいという、幼い頃に芽生えた探究心が、ブランドの世界観を作り上げています。ちなみにコーラル(Coral)とはサンゴのこと、そしてタスク(Tusk)とは珍しい海の生きものイッカクのこと。どちらも幸福のシンボルとされ、この2つの命に見合う美しいものを表現し、作りたいという思いからブランド名が生まれました。
コーラル・アンド・タスク カクテルナプキン Paperwhites
ステファニー・ハウズリーさんはレース編みが得意な曾祖母、もの作りの楽しさを教えてくれた祖母や母らの影響で、物心ついた時から、描くことと刺繍が大好きでした。いつもバックの中に刺繍糸と布切れを入れて持ち歩き、時間さえあれば動物や植物の刺繍をしていたそうです。高校を卒業後、アートスクール、Rhode Island School of Design (RISD)で機織とテキスタイルデザインを学び、卒業後は専攻を生かし、インテリアのテキスタイルデザイナーとして活躍。同時に刺繍についての専門知識を学び、趣味として続けていた刺繍製作に本格的に取り組み、コーラル・アンド・タスクをスタートさせました。そんなステファニーさんが大切にしている思いが、自然からのインスピレーションで暮らしも仕事も豊かにすること。鳥や動物、木々や植物や花などの命の輝きを刺繍作品で表現しています。
コーラル・アンド・タスク 巾着 Lily bell
最近、新たなモチーフとして取り入れているのが 「果実」です。誕生や春など人生を謳歌するテーマを考えていた時、その存在が心に浮かんだそうです。生命力を感じるよう、いつもよりも鮮やかな色を選び、果物の大きさも実寸大で表現しています。「こんなにも生命力に溢れていて、美しく、かつ美味しく食べることができるなんて素晴らしい」。そんな果実への思いを込めて、フルーツそのままのサイズ感にこだわった、クッションやテーブルランナーなどの新シリーズも誕生しています。ステファニーさんのアトリエの壁には、常に風景や植物、生きものたちの写真がピンナップされています。その奇跡のような美しさから受けるインスピレーションが、彼女の創作のエネルギーの源になっています。
コーラル・アンド・タスク テーブルランナー Fruits garland
自然が生み出した花や植物、果実などの持つ美しさにこだわりながら作られたボタニカルクラフトワーク。そこにはクリエイターたちの「誰かを作品で幸せにしたい」という願いが込められています。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 11月14日は、作家の谷村志穂さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
リヴィア・チェティ Livia CETTI www.hpfrance.com/brand/livia-cetti
Livia CETTI インスタグラム @thegreenvase
コーラル・アンド・タスク Coral & Tusk www.hpfrance.com/brand/coralandtusk
Coral & Tusk インスタグラム @coralandtusk