日差しも強く蒸し暑い日本の夏。食欲がないときに、元気をくれるのが「お酢」です。特にフルーツの果実酢の爽やかな甘さとさっぱりとした酸味は、心にも身体にも元気を与えてくれますね。
「野菜」や「ハーブ」を使ったメニューや楽しみ方を"食のプロ"に教えていただく「ボタニカル・レシピ」。今回は、手作り果実酢のレシピを、料理研究家の上島亜紀先生に教えていただきます。
簡単にできる手作り果実酢
毎日の生活のエネルギー源になる糖質や、糖質の代謝を促すビタミンB1はお酢と一緒に摂ると、疲労回復やスタミナをアップするのに効果的とされています。その酢を美味しく手軽に摂ることができるのが果実酢です。フルーツを使った果実酢は、思ったより簡単にできます。この夏、手作りしてみませんか。
<ブルーベリーの果実酢>
ブルーベリーに含まれるアントシアニンはポリフェノールの一種で、目の働きをサポートしてくれる栄養素です。アントシアニンには強い抗酸化作用もありますので、アンチエイジングにも効果的といわれています。
ブルーベリー
■材料
・ブルーベリー … 250g
・酢 … 250ml
・氷砂糖 … 250g
■作り方
1. ブルーベリーはきれいに洗ってザルに取り、水気を取る。
2. 煮沸して水気を切った瓶にブルーベリーを入れ、氷砂糖、酢の順で投入し蓋をして、冷所に1週間から10日間置く。
3. ブルーベリーを取り出し、果実酢は冷蔵庫で保存する。
<レモンとパイナップルの果実酢>
果実酢はそれぞれフルーツ単品でも美味しく作れますが、数種のフルーツを合わせてもより美味しく、豊かな効果が期待できます。たとえば、爽やかな香りが気分をリフレッシュしてくれるレモンと、夏バテ、疲労回復のサポートに最適なパイナップル。レモンは、ビタミンCやミネラルがしっかりと補給でき、パイナップルにはビタミンB群やカリウムなどをはじめ、クエン酸やリンゴ酸なども豊富に含まれています。夏にぴったりの栄養いっぱいの果実酢になります。
レモンとパイナップル
■材料
・パイナップル … 250g(実の部分の正味)
・レモンスライス … 3〜4枚
・酢 … 250ml
・氷砂糖 … 250g
■作り方
1. パイナップルは芯と皮を取り除き、実の部分を7mm幅に切る。レモンもスライスする。
2. 煮沸して水気を切った瓶にパイナップルとレモンのスライスを入れ、氷砂糖、酢の順で投入し蓋をして、冷所に1週間から10日間置く。
3. パイナップルとレモンのスライスを取り出し、果実酢は冷蔵庫で保存する。
いろいろ使える果実酢レシピ
涼しい所に1週間から10日間置くだけで出来上がる手作り果実酢。どの果実酢も、炭酸や水で割ってサワードリンクにできますが、意外に牛乳や豆乳と割っても美味しくいただけます。
ブルーベリー酢の豆乳ラッシー
<ブルーベリー酢の豆乳ラッシー>
■材料
・ブルーベリー酢 … 大さじ1
・豆乳 … 200ml
・氷 … 適量
・ミント … 適量
■作り方
グラスにブルーベリー酢を入れ、豆乳を注ぎよく混ぜ、氷とミントを飾る。お好みで蜂蜜を加えても美味しくいただけます。
果実酢はドレッシングやマリネ、ピクルス液の酢として使うと、料理に果物の香り、風味が加わり食欲を増進させてくれます。
レモンとパイナップル果実酢のドレッシングとグリーンサラダ
<レモンとパイナップル果実酢のドレッシング>
■材料
・レモンとパイナップル酢 … 50ml
・オリーブオイル … 80ml
・塩 … 小さじ1/2
・胡椒 … 少々
■作り方
1. 全ての調味料をドレッシングボトルに入れ、よく混ぜる。
2. 彩り野菜のサラダにかける。
果実酢から取り出した実の部分は、煮詰めてジャムにすれば、無駄なく美味しくいただけます。ほんのり香る酢の酸味で、食欲を刺激してくれますよ。
レモンとパイナップルの手作りジャム
<レモンとパイナップルの手作りジャム>
■材料
・出来上がったレモンとパイナップル酢から取り出した果実 … 適量
・レモンとパイナップル酢 … 少々
■作り方
1. レモンとパイナップル酢から取り出した実の部分を鍋に入れ、熱を加える。
2. 水分が飛ぶのでレモンとパイナップル酢を少し加えて、しっかり火を通す。
お酢は、人間が手を加えて作った最古の調味料と言われています。果実酢は、フルーツの甘さがお酢のツンとする風味をやわらげ、アレンジもしやすいので、料理やドリンク類にぜひご活用ください。食欲が落ちる夏には特におすすめです。
TOKYO FM
「ONE MORNING」では、毎週金曜日、8時38分から、毎週週替わりのテーマでボタニカルな暮らしをご紹介するノエビア「BOTANICAL LIFE」をオンエアしています。
また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。 7月20日は、女優の西田尚美さんを迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
調理監修 上島亜紀
料理家。パン講師、食育アドバイザー、ジュニアアスリートフードマイスター取得。簡単に作れる家庭料理からおもてなし料理まで、幅広く提案。主宰する料理教室「A's Table」では、楽しくて美しいおもてなし料理を、不定期開催の子どもの料理教室「Chanto!Chanto!」では、作ること、食べてもらうことの楽しさを伝えている。著書は、『はじめてでもおいしくできる 梅干し・梅レシピの基本』(朝日新聞出版 共著)など多数。最新刊は、『何度も作りたくなるストウヴレシピ』(ナツメ社)。