華麗で大きな花をつけるユリ。早いものでは5月から、多くは6月から7月にかけて開花時期を迎えます。細長い茎についた大きな花が風に揺れる姿から「揺すり」と言われ、そこから「ユリ」という名が付けられたそうです。
毎月の花をご紹介する「マンスリーフラワー」。今月は、エレガントで大きな花を咲かせるユリの魅力とアレンジをご紹介します。
ユリと人、ユリと日本の絆
風で優雅に揺れる姿が美しいことから、ユリは日本では女性が美しく歩く姿に例えられます。赤、ピンク、オレンジ、黄、白など多彩な色や模様が楽しめ、香りも甘く優しいことから、ギフトやブーケなどにとても人気のある花です。世界では原種が100種類もあると言われ、日本ではヤマユリ、ササユリ、テッポウユリなど15種類が自生し、古くから愛されてきました。植物学的にも日本には美しいユリが多いとされ、庭に植えたり、鉢植え、切り花や、ユリ根などの食用に至るまで、生活や文化と強い絆で結ばれている花です。
様々に楽しめるユリのアレンジ
数多いユリの中でも「ユリの女王」と呼ばれているのが、大きく開く白い花と美しい蕾が特徴的な「カサブランカ」。カサブランカには花弁の斑点がほぼなく、白さが際立っていて、豪華でかつ気品ある雰囲気を持っています。カサブランカの花言葉は「威厳」「純潔」「高貴」。さらに白いユリは、聖母マリアの象徴ともされています。その真っ白のカサブランカを、たっぷりと大きめの花瓶にアレンジしてはいかがでしょう。
ユリの女王、カサブランカのアレンジ
白と並んで人気があるのがピンクのユリです。日本にルーツを持つオリエンタルユリの一種「コンパニオン」は、桜のようなピンク色と甘い香りが人気の品種。すらりと伸びた茎も見えるよう、ガラスの花瓶にたっぷり水を張ってアレンジしてはいかがでしょう。1本でも凛としたユリの存在感が魅力的です。
ピンクのユリのシンプルアレンジ
アレンジには蕾も入れると、時間を経て徐々に花が咲き、その変化が楽しめます。蕾は順番に咲きますが、咲ききった花を落としてやると蕾に栄養がよく行き渡り、しっかりとした花が咲きます。また、緑の葉はできるだけ残してアレンジしましょう。葉の部分で光合成が行われるので、より長く楽しむことができます。
また、ユリを飾る時に注意したいのが「花粉」。お花屋さんで開花したユリの花粉は取ってくれますが、自宅で蕾が開いた時は、花粉が触れたものに付きやすいので、注意が必要です。開花したら花粉を取っておくようにしましょう。ユリのアレンジで、憂鬱な梅雨の時期もぱっと明るい気分で過ごしてください。
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