6月といえば、紫陽花。この時期には、お菓子でも紫陽花を楽しむことができます。紫陽花のお菓子で、目と舌で季節を感じてみてはいかがでしょうか。
植物に関しての名著や、写真集、そしてグッズなどをご紹介するボタニカルブックス&グッズ。今回は、紫陽花をモチーフにした各地の銘菓をご紹介します。
6月を彩る紫陽花
6月から7月にかけて、街角や庭で見頃を迎える紫陽花。日本古来の自生植物で、万葉の昔から日本人に愛されてきた花です。「藍の色が集まったもの」という意味の「あづさい(集真藍)」がその名の由来と言われています。紫陽花は、枝の先に小花がたくさん集まった円状の花ですが、花びらに見えるのは、実は花のガクの部分。本当の花は、中心にある小さな点のような部分なのだそうです。
紫陽花の色を決めるのは土壌の特質で、土壌が酸性なら青、アルカリ性ならピンクの花が咲きます。晴れた空の下で大きく咲き、雨に打たれても美しく輝く紫陽花。その佇まいは自然の癒しを感じさせてくれます。
6月だけの紫陽花のお菓子
雨に濡れる紫陽花をイメージして生まれたお菓子が、創業明治16年(1883年)の京都・中村軒の「あじさい」。白小豆と大福豆製のこしあんのまわりに、美しい透明感のある錦玉(きんぎょく)を散らし、紫陽花の花に見立てて作られています。その姿はまさに雨に濡れる紫陽花そのもの。手作りのためまったく同じ色合いのものは2つとありません。
京都・中村軒「あじさい」
日本橋屋長兵衛の「暦菓子 あじさい」は花びらに見立てた2色の寒天を、葡萄の風味の透明ゼリーで包み込んだ、見た目も味も爽やかなお菓子です。この時期ならではの手土産やギフトにもおすすめです。
日本橋屋長兵衛「暦菓子 あじさい」
京都・鶴屋吉信の「京・季のこよみ「あじさい」」は、色とりどりの紫陽花の花を、可愛い小箱に詰め合せたお菓子。口に入れると外はしゃりしゃり、中はつるりとした琥珀糖ならではの食感が体験できます。
京都・鶴屋吉信「京・季のこよみ「あじさい」」
日本の景色の中に溶け込んで、色とりどりの花を咲かせる紫陽花。桜や紅葉と並んで、私たちに四季の素晴らしさを強く感じさせてくれる花です。そんな紫陽花を見るだけでなく、味わうことができるお菓子。この時期だけの贅沢なひと時にぴったりです。
TOKYO FM
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また、TOKYO FMで毎週土曜日、9時から放送している
ノエビア「Color of Life」。6月15日は、小説家の朱野帰子さん(『わたし、定時で帰ります。』の著者)を迎えてお届けします。どうぞ、お聞き逃しなく。
京都・中村軒 https://www.nakamuraken.co.jp/okashi/
日本橋屋長兵衛 http://www.nihonbashiya.jp
京都・鶴屋吉信 https://www.tsuruyayoshinobu.jp/shop/