徳島県鳴門市にやってきました。
今回、お目当ての作物は、これです!ジャーン!
何の畑か分かりますか?
徳島県が誇るトップブランドのサツマイモ、「なると金時」です。
お邪魔したのは、鳴門市里浦町。
海が近いこのあたりの地域は、土壌が砂地。
海抜が低く、雨が少なく、土壌が乾いた砂質であることから、
米などは作りにくい反面、サツマイモの栽培には適していて、
サツマイモ栽培の歴史は200年にも及びます。
そんな里浦地域を管轄する「JAさとうら」が
手掛けている「なると金時」が、
「里むすめ」というブランド。
鮮やかな紅色がとても美しいサツマイモです。
この地で「里むすめ」を手掛けて20年、生産者の中村雅広さん(44)の畑に伺いました。
普通の作業着では、服の中に砂が入って大変!
という中村さんの農業ファッションは、
おしゃれなツナギです。
実際に畑に足を踏み入れさせて頂くと、砂浜を歩いているような感覚に陥ります。
そんな土地で育つのは、どんなサツマイモなんでしょうか?
「このあたりの土は水はけが良く、海のミネラルを吸収して味の良いサツマイモができます。
肌ツヤが良くて皮の色が濃いのが、里むすめの特徴です。」
砂地の畑で時間をかけてゆっくりと大きくなることで、繊維が細かくなり、
裏ごししているかのような、なめらかで筋のないサツマイモが育つんだそうです。
地域の生産者さんたちの「里むすめ」に対するブランド意識はとても高い、と
中村さんは語ります。
「里むすめを手掛けている農家、一軒一軒が皆、職人のようです。
ブランドを大事にしたい、いいサツマイモを作りたい、
と思っている各々の生産者自体が“ブランド”だと、いつも思っています。
互いに切磋琢磨しながらも、栽培方法などのチョッとしたノウハウを共有し合ったりして、
おおらかにサツマイモを育てています。」
「里むすめ」を苗から育てているという中村さん。
1つの苗をハウスの中で増やしていき、
それを畑に植えていきます。
とても手間がかかる工程ですが、
目に見えて成長するのでやりがいにつながります、
と苗づくりのおもしろさを語ってくれました。
そんな中村さん、以前は、ただ“良いサツマイモを作る”ことだけを考えていたと言います。
「ところが、40代になって、はじめて気づいたことがあるんです。
サツマイモづくりは、種苗店、園芸店、運送業など、
みんなの力があって、成り立っている仕事。
それを大事にしていきたいと思うようになりました。」
にこやかな表情の中にも、
生産者としての誇りが伝わってくる中村さんのお話、
「里むすめ」は、こういう方々の熱い思いと、
日々の努力によってはぐくまれているブランドなんだと、
再認識しました。
最後に、中村さんにこんなメッセージを頂きました。
「一軒一軒が思いを込めて作った里むすめ。いろんな料理で食べてもらいたいです。
ぜひ“里浦の里むすめ”って覚えて下さい!」
冷めてもおいしいので、天ぷらにしても、2日目もおいしく食べられるそうですよ。
ほんのり海の味がする“里浦の里むすめ”、 皆さんも、是非、味わってみて下さいね!
※貯蔵庫で出荷の時を待つ、「里むすめ」たち。