農泊発祥の地・安心院町で、実際の農泊がどのようなものかを知るために、
農泊施設の一つ「百年乃家ときえだ」を見学させて頂きました。
想像を遥かに超えるハイクオリティーな家屋に、川瀬さんも取材スタッフも、
「必ずプライベートで訪れたい!」と心に誓い、
この場所にいられる贅沢をシッカリと心に刻む時間になりました。
和牛鍋を作るイベント(1/1放送分で紹介)でもお世話になった時枝仁子さんは、
大根や白菜などの野菜を作る農家さん。
そして、畑の目の前にある小さな坂を登るとすぐに見えてくるのが、
農泊施設「百年乃家ときえだ」です。
竹林を背に立つ白塗りの日本家屋からは、
その前に身を置くだけで築130年の風格を肌で感じられます。
そして母屋の奥に見えるのは、元々は蔵だったという建物。
こちらも宿泊施設としてリノベーションされています。
その“蔵”の中はというと…、中央に囲炉裏のある純和室の趣。
窓からは安心院の美しい山の風景が、借景のように部屋の色彩に加わります。
こんな部屋で夕焼けから星空までを楽しみ、日の出を眺めることができたら…。
想像するだけで、高まる胸の鼓動が抑えられません。
そして、農泊の最大の楽しみは何と言っても食事。
宿泊客とは、「ワイワイと一緒にごはんを作って食べる」という時枝さん。
その美味しさは1/1放送分の記事を読むと、すぐ想像がつくと思います。
この日は、和牛鍋イベント後の夕方に「ちょっとだけ見学を…」と
立ち寄らせて頂いたのですが、そんな取材チームにも、
農家さんならではのスイーツを用意して下さいました。
なんとこちら、干し柿をすり潰して手作りした羊羹。
そして、ウサギ型に剥いて下さったリンゴ(…懐かしい!)です。
心の籠もったこの一皿は、正に農泊の魅力が凝縮された一品!
日本国内、そしてアジア・ヨーロッパからも宿泊客が訪れる「百年乃家ときえだ」。
海外のお客さんとのやりとりも、「今はスマホがあるから大丈夫」なんだそうです。
そんな時枝さんの心に残っているエピソードを伺うと、
コロナ前に台湾から家族で宿泊に来た男の子が、去年の夏、
今度は友達家族も連れてまた泊まりに来てくれた」という話をして下さいました。
帰る日、「“お婆ちゃん、また来るよ”と日本語で言ってくれた」時には、
これこそ「農泊冥利に尽きる」と感動されたんだそうです
こちらに嫁いで来られた時、時枝家のご家族から、
この家がいかに大切な想いで建てられたかを説かれたという時枝さん。
明治時代に誕生し130年が経つこの家を見ると、
「後世まで子子孫孫が豊かな人生を送って欲しい」という
先人達の願いが心に浮かび、豊かな気持ちになれるそうです。
「宿泊する方々にも、そんな想いに耽る豊かな時間を…」
時枝さんは、そういったお考えでお客さんを迎えていると語ります。
見た事がないような太さ・長さの柱や梁。芳醇な木の香りが充満する室内。
それは、例えるなら観光地の文化遺産のような雰囲気。
でも、無闇に手を触れる事が許されないそれらとは違って、
「百年乃家ときえだ」は、その空間で寛いで、食事をして、話をして、
笑って感動して、寝て起きて…そんな時間を過ごす事ができるのです。
身構える必要は少しもありません。
時枝さんご夫婦の気さくな笑顔と優しいお喋り、そして、
心を解放してくれる安心院の自然が包んでくれるのですから。
農泊発祥の地・大分県宇佐市安心院町。
これまでに味わったことのない旅の感触が、必ず待っているはずです。