沖縄県が誇る、生産量日本一の作物といえば、「サトウキビ」。
日ごろ、私たちがお世話になっている「砂糖」の原料ですね。
沖縄の中でも、特に生産が盛んなのが石垣島。
石垣島の農産物の約6割を占めているんだそうです。
実際のサトウキビ畑って、どんな風景なんでしょうか?
サトウキビが風に揺られる姿を見てみたい!
・・・ということで、
沖縄本島から飛行機で約1時間。
石垣島のサトウキビ畑にやってきました!
見渡す限り一面のサトウキビ。川瀬良子の背丈をはるかに超える高さです。
「苗を植えてから1年半で3メートルくらいになりますよ。」
教えてくれたのは、サトウキビの生産をはじめて35年。
ここ、石垣島に1ヘクタール以上の畑を持つ、
「石垣市さとうきび生産組合」、組合長の次呂久 栄重(じろく・えいじゅう)さんです。
サトウキビには、竹のように“節”があり、
その節を畑に植えると、
そこから左右交互に葉が伸びて、
それぞれがまた新しい“節”を作りながら
成長していきます。
節ごとに伸びていくため、
成長がとても早く、
1年から1年半で収穫できるんだそうです。
全てが初めてのお話。何を聞いても感心しっぱなしの川瀬良子ですが、
一番伺いたいこと、それは、「台風」。
沖縄といえば台風の通り道。
その影響によるいろんな被害のニュースを耳にすることがあります。
これだけ背丈の高いサトウキビ。台風の影響は受けないのでしょうか?
「根元に土を寄せる作業をしっかりとしておけば、
台風に何度か倒されても、また起き上がります。
サトウキビは、一度倒れたら、
倒れた部分は地面に沿った状態になりますが、
そこからまた上に伸びようとするので、
グーっとカーブした状態で立ち上がっていきます。
つまり、まっすぐに伸びて背丈が高いのは、
台風が来てない証拠ということになるわけです。」
なるほど!
台風にもくじけない生命力のなせる業。
そんなサトウキビに、力強さを感じるという
次呂久さんのお話に、
川瀬良子も大きくうなずきました。
刈り取ったサトウキビは、大きな圧搾機で搾り、それを煮詰めてザラメの状態で出荷。
工場で精製されて「砂糖」になります。
そもそも、サトウキビ自体はどんな味なんでしょうか?
せっかくここまで来たからには、是非、試してみたい!
「かじってみる? でも歯が折れるくらい硬いよ!」
と、言い終える前に、
次呂久さん、目の前のサトウキビを刈り、鎌で皮をむいて、一片を差し出してくれました。
硬すぎて噛み切れない!
硬い繊維質の集まりを歯で押しつぶすようにしごいてみると、
甘い液体がジュワッと染み出てきました。
あっ、甘い!!
なんとも言えないさわやかな甘さとみずみずしさ。
砂糖の原料って、こんな味だったんですね!
「今年は豊作です。
いいサトウキビができて、葉がたくさんつくと、
風が吹いたらサワサワ鳴ります。
サワサワと鳴れば良いものができた証。
これが聴けたら安心します。」
サトウキビは、石垣島だからこその作物。
何度倒れてもまた起き上がる生命力を、目の前に感じた一日でした。
川瀬良子の耳には、今もなお、サワサワという音が残っています。